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リブルマルシェの行動基準

前回は広告代理店でのジャスコ(現イオン)のチラシ校正にまつわるお話をさせていただきました。

その後、私は当時のカクダイジャスコ(ジャスコとの合併会社で米沢に本社があった地域法人・ジャスコの仙台への進出を手掛けた会社です)の創業社長・近野謙史さんのお誘いでカクダイジャスコに入社することになります。

近野社長には本当に息子のように可愛がっていただきました。

今、私があるのはこの時、近野社長にお誘いを受けたこと…。そしてその後、ジャスコでの仕事上の全てにおいて、重用された基礎になっているのです。私にとって人生で一番の恩人です。

近野社長は昨年9月に96歳でご逝去されましたが、お別れの会では僭越ながら元従業員代表として弔辞を述べさせていただきました。

イオンの岡田名誉会長や岡田元也社長も出席された中で、米沢市の市長と私の2人が弔辞を述べさせていただきました。さすがに緊張しましたが、そこは"タコの写真"で開き直りを覚えた私だけに何とか無事にお務めを果たせました。

改めてご冥福をお祈りいたします。

ジャスコに入社して、毎週月曜日の朝に朝礼がありました。朝礼の最後に必ず全員で唱和していたのが”ジャスコの誓い”です。そのころは何で毎回こんなことを唱和しなければならないんだという思いが強く、あまり深く意味を考えることもなく唱和していました。しかし会社を経営する立場になって、その唱和していた”ジャスコの誓い”の内容のすばらしさを改めて理解することができました。

同時に、口に出して毎週読み上げていた行為が大切なのだとも思いました。何故なら30年以上経った今でも、私は、”ジャスコの誓い”の5つの項目すべてを覚えているのです。

1、常に感謝し愛情を忘れず限りなく前進を続けよう。

2、常に相手方の立場を考え自分と等しく尊重しよう。

3、常に研究し良いと決まったら勇敢に実践しよう。

4、常に奢らずたかぶらず自分の仕事に誇りを持とう。

5、常に言葉と行動を慎み結果については厳然たる責任を取ろう。

文言のすべてを正確には覚えていませんが、内容は間違えていないはずです。

この”ジャスコの誓い”のほかにも”ジャスコの信条”や”ジャスコの憲章”もありましたが残念ながら毎週読み上げていた”ジャスコの誓い”しか覚えていません。

このような指針は創業者の岡田卓也氏のお姉さんである、小島千鶴子さんが作られたと聞いています。小島千鶴子さんはジャスコの教育制度、人事制度をすべて作られた方です。

おかげで私もジャスコの在籍時代には大変勉強させていただきました。私の今の知識の基礎となっているものは殆どそのころに培ったものです。

小島千鶴子さんには3~4年ほど前に岡田名誉会長の卒寿のお祝いに招待された時にお会いさせていただきました。車椅子ではありましたが100歳を超えられてもお元気で活躍されているお姿に感動をしました。

私は会社を始めて数年たった頃から常々、このような従業員の指針になる言葉が欲しいと思っていました。

8年ほど前にリブルマルシェのマニュアルを作成したとき、この思いがきっかけに、”リブルマルシェの行動基準””を作成しました。

1、私たちは、お客様にとってより良いお店作りを目指します。

2、私たちは、お互いが尊重しあえる職場づくりを目指します。

3、私たちは、お互いが働きがいのある職場づくりを目指します。

4、私たちは、目標を一つにし協力し合える職場づくりを目指します。

5、私たちは、商業を通じてより社会に役立つ会社を目指します。

より平易に、普段の行動の目的を分かりやすい言葉で表現したつもりです。

このリブルマルシェの行動基準はお店のストックルームの目立つ場所に掲示してあり、毎日の朝礼時にはスタッフが読み上げています。また本部では事務所の壁に掲示して(トップの写真)毎週月曜日の朝礼時には全員で唱和しています。(今はコロナ渦のため読み上げができていないので残念です)

1番は小売業として至極当然のことですが、お客さんにとってより良いお店とは?・・・と考えたときにいろいろな要素が含まれてきます。具体的に私が考える良いお店作りについては次回以降述べさせていただきます。

5番の社会に役立つ会社、これもいろいろな要素が含まれてきますが、以前にも述べたことがあります・・何のために働くかということにも繋がってきます。会社が社会の為にあることは・・・地域社会、会社のお取引様、お客様、そして従業員の皆さん、など会社を取り巻くすべての人々や組織、そのような方たちの為に会社はあるのです。会社を運営する、会社で働くということはそのような方たちの役に立っているということだと思います。

私が5つの行動基準の中で、最も重要な項目として取り上げた3項目は職場としての項目です。

前にも述べましたがお店はお客様のために、会社は社会のために、そして職場は働くスタッフのためにあると思っています。

私は今まで30年間以上会社を運営してきて、一番心を割いてきたのは会社で働くスタッフの方たちの問題です。

前にも述べましたが人生で寝ている時間を除けば一番長く過ごすのは職場です。その職場が人間関係が悪かったり、つまらない苦痛な仕事だったり、孤独を感じる仕事だったりしたら人生最大の不幸だと思います。

その為には、まず人間関係を円滑にすること お互い信頼関係が築けることが最も重要だと思っています。その上で仕事に対してのやりがいや自己成長を感じることができる事。そして何よりも一人の力よりチームとしての力が大切であり、それによって職場での居心地の良さを感じることができると思います。

人間関係を円滑にするためには相手とのコミュニケーション、相手のことを理解してあげること、相手に対して感謝の気持ちを持つこと それが尊重ということにつながると思っています。その為には日常の”ありがとう””という言葉が最も大切だと思います。お互いの信頼関係を築くためには一人一人の毎日の積み重ねが大切なのです。

以前にも申し上げましたが、リブルマルシェのテーマでもある”やさしさとぬくもり”は決してお客様にとってのものだけではなく、そこで働くスタッフにとってのものでもあるのです。

私は入社したスタッフ全員の方に”不機嫌な職場”という本を読んでいただいています。少しでも私の気持ちを理解して欲しいという思いからです。(機会があればまたこの本についてのお話をさせていただきます)

行動基準の5項目のうち3項目は、まずは職場としての環境を整えるための行動基準だということです。

今となっては手遅れではありますが、私ももっと若いうちからこのようなことに気がついていれば・・・もっと良い上司でいられたのですが・・・ジャスコ在籍時代の私の部下には気の毒なことをしました。(反省)



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