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こころの病のその時に

仕事や人間関係が上手くいかなくて、悩んで、苦しんで、辛い毎日を送っている方、たくさんいらっしゃると思います。

私は、一年前に3ヶ月の休職を経験しました。

幸い、今は元気に働けていますが、休んだ3ヶ月の間に感じたこと、復職してから感じたこと、注意していることなど、何か参考になることがあるかもしれませんので、この一年を振り返って感じたことを書いておこうと思います。

これは、私の感想であって、これが正しいかどうかはわかりませんが、参考になれば嬉しく思います。

【最初に、一番大事なこと】
今、しんどいと感じている人、これだけは絶対に間違いないことです。
この言葉と向き合うことを避けないでください。

「体を壊してまでやらなければならない仕事は無い」

自営業さんや職人さんだと違うのかもしれませんが、あなたが会社員なら、代わりはいくらでもいて、数ヶ月あなたがいなくたって、仕事は回るんだ、ということをぜひ知っておいてください。

「私がいないとダメなんだ」は、あなたの思い込みである場合がほとんどです。
どんな重要な仕事を任されていても、大抵は代われる人がいるものです。

その証拠に、日本の国を動かしている人が次々代わっても、何事もなく国は動いているでしょう?
そんなものなのです。

自分がやらないといけないと思う「責任感」

他の人に仕事を取られたくない「プライド」

ポジションや立場を失うかもしれない「恐怖心」

これらが、無理をさせるんだな、と感じました。

真面目な人、責任感の強い人ほど心の病気になりやすいと言われますが、病んで感じたのは「手放すことで失うものへの恐怖心」が一番強かったな、ということでした。

もしかしたら、戻るところがなくなるのではないだろうか

収入が途絶えてしまうのではないだろうか

家族に迷惑をかけてしまうのではないだろうか

この程度で潰れるなんて大したことなかったな、と思われるのではないだろうか

役に立たないやつだと思われるのではないだろうか

そんな怖さがありました。

確かに、休むことで失ったものもありました。
でも、それは命懸けで守らなければならないものなのか?
休んで落ち着いて、この問いと向き合ったとき、そこまでして守るものではないな、そんなことよりも健康でいることの方が大事だと、心からそう思えました。

出世や、高いステイタスを求めている方は、今の立場を守りたい気持ちが強いと思います。

私はその願望が無かったので、今を手放すことへの抵抗は少なかったです。

それでも、現実的に起こるであろう変化には不安を感じました。

しかし、自分が壊れてしまうかもしれない怖さと比べるものではありませんでした。

「どうにかなるよ」
そう言ってくれる人もいて、その言葉がとても心強く感じました。

どうなるかわからないことに不安を感じることよりも、今目の前の辛さをなんとかすることが最優先だと思い休む選択をしたのでした。

【どんなことが起きたのか】
3ヶ月の休職が始まりは一年前の11/5でした。

仕事が上手く回せないことに焦り、不安になり、できないのは自分の能力が足りないからだ、言われていることは大したことじゃないのにできないのは全部自分が悪いんだ。

そんなふうに自分を責めてばかりいました。

できないことを相談するのではなく、もっと頑張らないといけない、努力が足りないからだ、自分がもっとやることが解決法なんだと考えては、できない現実に頭を打っていました。

言われることはもっともなことばかりで、足りないことを教えていただいている、そう思っていましたが、体の受け止め方は違っていて、緊張性の頭痛が続き、動悸が収まらず、集中力の低下と危険に対する反応、判断が日に日におかしくなり、ついには車の運転に不安を感じるようになっていきました。

そして、一年前の今日、朝起きたときから締め付けられるような頭痛で動けなくて、心療内科に行くために仕事を休みました。

ここで病院に行ったことは、大変勇気のいる、大きな決断でした。

【迷わず病院へ行こう】
心を病んで、真っ直ぐ心療内科に行く人はとても少なく、ほとんどの人は内科に行くそうです。

なんで?と思うかもしれませんが、病んでみたらわかります。

自分が心の病気になっていることを認めたくないからです。

食欲がないとか、頭が痛いとか、実際に起きている状態を体の不具合だと思いたい気持ちと、心療内科にかかることの不安から、自分はもしかしたら心を病んでいるのかもしれない、と薄々感じてはいるけれど、そう思いたくない気持ちが勝ってしまうのです。

もしかしたら心を病んでいるのかもしれないと思っている時点で間違いなく病んでると思ってください。

心の病なのに内科に行くのは、歯が痛いのに耳鼻科に行くくらい間違っている、それくらい思っていて良いと思います。

実際は、心の問題が体の不具合として現れているので、内科は無関係ではないのですが、内科的症状はあっても、原因は内科で治すものではありません。

専門家のところへ、一日でも早く行く、それが一日でも早く心の病から抜け出すために必要なことなのです。

とはいえ、心療内科、精神科ってハードルが高いです。

なんとなく、行ってはいけない場所、みたいなイメージがあるのではないでしょうか?

私もそうでした。踏み入れてはいけないところに踏み込む、そんな怖さを感じながら、初めて心療内科というところに行ったのでした。

でも、行って良かった、無理して我慢しなくて良かった、本当にそう思います。

【相性を大切にしよう】
心療内科って変なところだと感じました。

「なんでここに来たの?普通は最初に内科に行ってからこういうところに来るのに、あなたは最初から心療内科に来たね、あなたは変わってるね」
「あなたの状態は病気とは言えない、医学的に何も悪いところはないから」

実際に起きていることを伝えても、こんな返事が返ってきました。

こんなことを言う先生に信頼してお任せできますか?

私はこの先生にはお任せできないと思いました。

しかし、休むためには診断書が必要です。

二度とここには行かないと思いながら、とにかく「休むことが必要だ」という診断をしてもらう必要があったのでその目的だけ果たしました。

私は無理だと感じた病院でしたが、ここを信頼してお世話になっている患者さんもたくさんいました。

通院してみて、最初に「なんか違うかも」と感じたなら、その病院は変えた方がいいです。

心の病気は、他のお医者様にかかるよりも、相性が大事な気がします。

その後、知り合いの紹介で違うところに行きました。

そこがベストかどうかはわからないけれど、不安は感じなかったので、そこにお世話になることにしました。

【休む決断】
心の病気の診断は判断が難しいのだな、とも思いました。

熱があるとか臓器が異常値を示しているとか、目が見えないとか痛いとか、そういう尺度だけで計れるものではないからです。

ただ、今の状態は休むことが一番大事だ、というのは間違いないことだと思います。

診断書には、根拠なく「一ヶ月の休養を要する」と書かれることが多いようです。

ここでぶつかるのは、「一ヶ月も休むのか・・・」という罪悪感です。

迷惑をかけてしまう、申し訳ない、真面目な人ほどそう感じます。

社会人になって一ヶ月も休むなんてあり得ないことですから、経験したことがない長期の離脱にめちゃくちゃ大きな不安と罪悪感を感じてしまうのですが、答えはひとつ「気にせず休め」です。

仮に、診断が出たことを隠して仕事に出たとします。

最初は騙し騙しなんとかなっていたかもしれませんが、どこかで乗り越えられなくなってしまうときが来ます。

その時には、間違いなく状況は悪くなっています。

結局迷惑はかかるし、自分自身の壊れ方も酷くなっていて戻るのに余計に時間がかかるのです。

罪悪感があっても、ドクターストップですから、今すぐ休まないといけません。

それが、あなたが今やるべきことなのです。

それ以外にやることなんて無いのです。

職場への連絡は電話でしないといけない、なんて律儀に思うのですが、無理して電話しなくてもいいです。

必要なのは、今の状況が伝わることです。
メールでもLINEでも何でもいいのです、伝わればそれでいいんです。

電話することさえ辛い状況です。
そんな中で無理して声を届けることは自己満足でしかないのです。

【休んだら】
休むこと、健康を取り戻すこと、そのために穏やかな時間を積み重ねること

それがあなたがやるべきこと、なのです。

仕事のことなんて一切考えなくていいし、考えたところで何もできませんから、今後のことは「なんとかなるよ」とだけ思って、のんびりしてください。

心を病む、これには明確な理由はありません。

仕事の量は関係ないし、これ以上無理、と感じる尺度は人それぞれです。

転勤してまだそんなに経ってないのに、そんなに重い仕事量ではなかったのに、上司はそんなに厳しくなかったのに、そんなことは何一つ関係ないです。

心を壊してしまうほど、その状況がしんどかったのがわかるのは、あなただけです。

他の誰もが理解できなくても、あなたは無理だと判断したんだから、その判断を大事にしてください。

周りの人にどう言われても、いいじゃないですか。

あれこれ言う人、あなたの人生の責任は取ってくれませんよ。

自分の人生のために。
あなたが守るべき人のために。

決して無理はしないでください。

一年前の今日から今まで、いろんなことを感じてきました。

経験したからこそわかることもたくさんあります。

ここに書いたことが、誰かの役に立てば嬉しく思います。

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