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「ご注文はうさぎですか?」で学ぶキリスト教知識

■はじめに


皆様はじめまして、リベラと申します。

現在30代半ば、クリスチャンホーム生まれ、高校3年の時にプロテスタント教会で洗礼を受け、その6年後にカトリックに移籍し、現在カトリック信徒12年目です。

まあ、自己紹介は追々やっていくとして。

2年位前に、ふと思いつきでTwitterに「 #アニメで知ろうキリスト教 」というタグを作り、アニメとキリスト教を(時に無理やり)関連付けたツイートを始めました。

その後アカウントの凍結とか、まあいろいろありましたが、結構キリスト教徒の方々からの評判はよく(最盛期で700人のフォロワーがいました)、ここらでまとめ記事?的なものを書いてみようと思い立ち、noteを初めてみました。

正直使い方もよくわかっていませんが、悪しからず。

■「ご注文はうさぎですか?」とは

今回は記念すべき第一回。現在第3期が放送中のアニメ「ご注文はうさぎですか?」で学べるキリスト教の知識をご紹介します。

「ご注文はうさぎですか?」、通称「ごちうさ」は、いわゆる「日常系アニメ」に分類される作品で、とある「木組みの家と石畳の街」の喫茶店を中心に、緩やかな女の子たちの日常を描くアニメです。

テレビアニメは既に第3期が放送されています。ここまで続編が制作されるくらいですから、相当の人気作。人気の秘訣はなんたって、キャラクターたちがとにかくかわいくて、魅力的!なところ。ストーリーも、萌えあり、笑いあり、涙あり、不思議要素もあって魅力的なんです。

主なあらすじはこんな感じです。

主人公の保登心愛(ほと ここあ)は、高校入学を機に、喫茶店「ラビットハウス」を営む香風智乃(かふう ちの)の家に下宿することに。

「ラビットハウス」でアルバイトをする天々座理世(てでざ りぜ)や、甘味処「甘兎庵」の看板娘、宇治松千夜(うじまつ ちや)、喫茶店「フルール・ド・ラパン」で働く桐間紗路(きりま しゃろ)ら、個性的な仲間たちと毎日を楽しく過ごしていく・・・

■キャラクターで学ぶキリスト教知識

主な舞台の喫茶店「ラビットハウス」はその名の通りウサギがモチーフ。ウサギといえばイースター(復活祭)の象徴ですよね。これは、ウサギは多産な動物であり、生命が繁栄することの象徴であることから、イースターのシンボルとなっているんです。ちなみにもう一つの象徴は卵ですが、これは、卵という動かないものから、新しい命が誕生する、というのが、キリストの死からの復活と重なることからきていたりします。

主人公は、先ほどもご紹介して通り、ココアちゃん。

ココアの実家はパン屋さんですが、あの使徒ペトロ(カトリックでは初代ローマ教皇としている)は「パン屋」の守護聖人です。

ココアちゃんの名前、「保登心愛」はもちろん「ホットココア」から。ココアの原料であるカカオ豆は南米からヨーロッパに持ち込まれ、最初は香辛料をつけて食されましたが、それを砂糖や蜂蜜で甘くすることを考えたのは、キリスト教の聖職者や修道士達だったという説があります。現在でも修道院でチョコレートやココアを作っているところは多いそうです。

ココアが下宿することとなった喫茶店「ラビットハウス」の一人娘がチノちゃんです。

チノちゃんの名前、「香風智乃」は、コーヒーのカプチーノからきているのですが、カプチーノという名前は、もともとイタリアに本部のあるカトリックの修道会「カプチン会」が由来です。修道服がコーヒーの色に似ているから、など諸説があります。

チノちゃんは将来、家業を継いで立派なバリスタになることが夢です。お父さんの後を継いで経営者になるのかもしれませんね。だとすると、「スブールの聖ドリュオン」がチノちゃんを守ってくれるかも。なぜならこのお方は「カフェ経営者」の守護聖人だからです。

ちなみにチノちゃんの声を担当する声優さんは「水瀬いのり」さん。本名ではないかもしれませんが、「祈り」だなんていかにもキリスト教っぽい…などと思ってしまいます(笑)

ココア、チノと共にラビットハウスで働くリゼちゃんは、ココアの一つ年上で、ボーイッシュで頼れるお姉さん。


お父さんは軍人ということもあり、銃の扱い方に長けています。あのフランスの国民的英雄、ジャンヌ・ダルクは「軍人」の守護聖人です。そんなリゼちゃん、実は将来の夢は小学校の先生。となると、大天使ウリエル、アレクサンドリアの聖カタリナ、聖フランシスコ・サレジオ、聖グレゴリウスがおすすめ。彼らは「教師・教育者」の守護聖人です。

ちなみにリゼちゃんのイメージカラーは紫。教会の典礼色(暦ごとのシンボルカラー)では、紫は償いや回心を表します。現在の待降節(クリスマスの準備期間)や四旬節(イースターの準備期間)に使われる色で、おめでたい事に備える、いわば「自粛期間」の象徴。なんでもこなせるけど、シャイな性格のリゼちゃんっぽいですよね。

おっとり大和撫子な千夜ちゃん、甘味処の看板娘として、メニューの名前も考えています。が、そのネーミングセンスはかなり独特。白玉栗ぜんざいには「海に映る月と星々」と名付けました。海に星、というと思いつくのは「海の星」という言葉。これは聖母マリアへの尊称の一つです。カトリック系の学校に「海星学園」などがありますよね。

千夜ちゃんの名前「宇治松千夜」は「宇治抹茶」からきています。抹茶を使った茶道の作法は、一つの器をみんなで飲み回しする、などいろいろな点で「カトリックのミサとの共通点」がある、という説があります。千利休が茶道を大成したのが、丁度日本にキリスト教が広まっていった時期ですから、何らかの影響はあったのかもしれませんね。

千夜ちゃんのイメージカラーは緑。典礼色では希望を表し、教会では「年間」の色です。年間とは特に大きな行事のない、通常期間ということ。落ち着いた雰囲気の千夜ちゃんのように、安定感のある色です。

シャロちゃんは裕福ではない育ちでありながら、一生懸命に勉強し、お嬢様学校に特待生として入学しました。入学後もアルバイトに精を出し、節約生活をするなど大忙し。自身の境遇を「マッチ売りの少女」に例えたことも。マッチ売りの少女はアンデルセンの有名な童話。話の内容は様々に改訂されており、その中には「死んだ少女を教会の牧師が発見し、教会で手厚く葬られ、牧師は説教で『このような悲劇を起こしてはならない』と諭した」、というものがあるそうです。

アンデルセンはデンマークの作家なので、ここでの教会はデンマーク国民の75%が信者だというデンマーク国教会と考えられます。教派的にはプロテスタントのルーテル(ルター派)教会に当たります。

■おわりに

以上、「ご注文はうさぎですか?」で学べるキリスト教知識をご紹介しました。(その他にもネタはありますがこのくらいで)

アニメを通して、キリスト教を身近に感じて欲しいので、キリスト教徒出ない方に是非読んでいただきたいと思います。

今後もこんな感じでご紹介していきたいと思います!

Twitter @animedechrist の方も、よろしくお願いいたします。

2021.4.12 一部修正、画像を追加しました。

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