見出し画像

【シリーズ・復活祭】アニメキャラが解説する「四旬節」~「聖香油のミサ」編~

■はじめに

みなさん、はじめまして!

画像2

私はアニメ『まちカドまぞく』の主人公・吉田優子、またの名を「シャドウミストレス優子」と申します!

この春から第2期も始まり、絶賛放送中です!

実は私、普通の女子高生に見えて闇の一族の血を引く「まぞく」なのです!

ある日突然角としっぽが生えてきてしまい、そのことを知ったのですが・・・

詳しくはこの記事を見てくださいね!

さて、明日は聖木曜日。「過ぎ越しの聖なる三日間」がついに幕を開けようとしているわけですが・・・

聖木曜日についての解説はこちら↓


実はこの聖木曜日に、ある特別な典礼を行うことをご存知でしたか?

「知らなかったね」

画像3

シャミ子「桃!?き、きさま、いつの間に!?」

桃「そうだね。シャミ子が『みなさん、はじめまして』って言ったあたりかな。」

シャミ子「それ、思いっきり冒頭じゃないですか!」

桃「あ、申し遅れました。私は『まちカドまぞく』の千代田桃といいます。光の一族の一員で、魔法少女だったりします。」

シャミ子「つまり私達まぞくの敵なのです!こうなったら今日こそ決着をつけてやる!

・・・でもその前に本題に入りましょうか。

その聖木曜日に行われる特別な典礼、それが『聖香油のミサ』なのです!」

■聖香油のミサとは

桃「聖香油?聖なる香りの油、なんだか高級そうな響きだね。」

シャミ子「聖香油のミサは基本的に聖木曜日及びそれに準ずる日の午前中に行われるミサのことで、簡単に言えばミサに使われる香油を各教区の司教が聖別する儀式のことなのです。そしてこのミサは各教区の司教座聖堂、いわゆる『カテドラル』で行われるのです!」

桃「・・・カテドラル?闇の一族の名前か何か?」

シャミ子「違いますよ!じゃあまずはそこの解説からしましょうか。」

■教区の仕組み

シャミ子「カトリック教会は、教会を「教区」というブロックに分けて活動しています。日本では「札幌・仙台・新潟・さいたま・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・広島・高松・福岡・長崎・大分・鹿児島・那覇」の16の教区があります。

これらの教区はそれぞれが独立した宗教法人格を持っており、教会や聖職者はすべて、いずれかの教区に必ず所属しています。

そのうち特に規模が大きい東京・大阪・長崎の3つは「大司教区」と呼ばれます。」

桃「日本3大都市の名古屋じゃなくて長崎というのがカトリックっぽいね。」

シャミ子「そしてそれぞれの教区の代表者を「司教」といいます。(大司教区の代表者は「大司教」です)言ってみれば各エリアのエリアマネージャーみたいなものです。

さらに各教区の中心となる教会を「司教座聖堂」またの名を「カテドラル」といいます。

カテドラルには司教が座る「司教座」が置かれているのが特徴です。例えば横浜教区のカテドラルである山手教会の聖堂内には、このような司教座があります!」

画像2


桃「まるで中世ヨーロッパ的な玉座だね。」

シャミ子「司教はとっても重要な役割で、任命するのは何を隠そうローマ教皇なんですよ!どうだ桃、すごいだろう!」

画像5

桃「・・・なんでシャミ子がそんなに勝ち誇ってるのかは謎だけど、心の奥底にしまっておくよ。」

画像6


シャミ子「そして各教区の司祭(神父様)を任命する権限を持つのが司教。見事に教皇→司教→司祭という序列になってるのがわかりますよね?

ちなみに補足しておくと、実はローマ教皇自身も「ローマ教区」という教区の司教なんです。とはいえ普段は教皇としての仕事が忙しいので、代理として補佐司教が管轄してるらしいです。

■聖香油のミサの内容

桃「教区の仕組みはわかったよ。で、そのカテドラルで行われる聖香油のミサっていうのはどんな内容なの?」

シャミ子「ふふん、よくぞ聞いてくれたな魔法少女!

聖香油のミサでは、このような香油を準備します。これはオリーブオイルに「バルサム」という香料を混ぜたものです。いい香りがします。」

画像4


桃「高級そうだね。少なくともシャミ子のアパートの家賃よりは高そう。」

シャミ子「うう・・・それを言うなぁ!

これを司教様が聖別(日本人にわかり易い表現で言えば「お清め」に近いでしょうか)し、教区内の各教会に分配するんです。

ポイントは、聖別された「聖香油」の他に「洗礼志願者の油」「病者の油」という油が「祝福」されて分けられるということ。

「聖香油」は「堅信式」「叙階式」「幼児洗礼式」などの典礼のときに、信者の額に塗られるもので、「聖霊の力を受けた」ということの象徴となるんです。」

桃「思い出したよ。堅信も除階も洗礼も全部「秘跡」だったね。」

シャミ子「なかなかやるな桃!そうなんです。以前どこかの記事でも言及してたと思いますが、カトリック教徒が受ける重要な7つの儀式が「秘跡」でしたよね。

「洗礼志願者の油」は、「洗礼志願式」という式において、洗礼志願者に塗られる油のことです。

「洗礼志願式」洗礼を受けることを望む人が、正式に志願者となった際に受けるものです。カトリックは洗礼を受けるに至るまでの過程が非常に長く、求道者→洗礼志願者→受洗者と段階を踏まなきゃいけないんです。1年はかかります。まあこのNoteの中の人はプロテスタントから移ってきたのですぐに終わったみたいですけどね。」

桃「なんかカトリックはめんどくさいね。簡単に信者になれないんだ。」

シャミ子「いえ、逆に言えば本当に自分が神様から呼ばれているのかをじっくり考えられるっていうことですよ。洗礼の重みがわかるってことです。

最後に「病者の油」ですが、これは「病者の塗油」という・・」

桃「秘跡だ!」

シャミ子「早いです!魔法少女の反射神経半端ないんですけど!」

桃「いやこれくらい序の口だよ。上級者になると予知能力とか読唇術とか、思考を読むくらい造作もないから。」

シャミ子「どう考えても勝てる気がしません!

「病者の塗油」は病床にある人に神の恵みと癒しがあるように、司祭が信者に香油を塗る儀式。「あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい」(ヤコブ5:14)という聖書の記述に基づいています。前にどこかの記事でも取り上げられているかと思いますが。」

桃「シャミ子、見つけてきたよ。これだと思う。」

シャミ子「そう、これこれ・・・って!やっぱり早いです!

くっ・・・魔法少女恐るべし・・・

このミサで各教会に分配された油は、翌年の聖香油ミサまでの一年間、これらの儀式において使われることになります。」

■補足

シャミ子「ちなみにこのミサで読まれる聖書の箇所は、

・第1朗読:イザヤ 61章1~3a、6a、8b~9節
・第2朗読:黙示録 1章5~8節
・福音朗読;ルカによる福音 4章16~21節

になります。これは毎年変わりませんからわかりやすいですね。

それと、このミサは司教の他に司祭団も共同で司式をします。要は教区中の司祭たちが大集合するってことです。

そして、司祭たちが叙階された日に行った「司祭の約束」を更新します。」

桃「約束の更新っていうと、確か洗礼式のときにに、すでに洗礼を受けてる人が「洗礼の約束の更新」をするってこの記事で言ってたね。ああいう感じかな?」

シャミ子「きさま、このNoteめちゃくちゃ読み込んでいるな!・・・まあ、そんな感じですね。神父様たちも、自分が司祭になったときのことを思い出し、初心に帰って頑張ろうという思いになることでしょう。」

■おわりに

シャミ子「というわけで、聖香油のミサの解説はこれで終わります。聖木曜日の午前中に聖香油のミサが行われると、その後聖木曜日のミサ、聖金曜日、復活徹夜祭・・・と続いていきます。聖香油のミサになると、今年もいよいよ復活祭がやってくるぞ!と、なんだかワクワクしてくるんですよ。カトリック教会の典礼の頂点ですから、ぜひ皆さんも体験してほしいですね。動画配信などもやっていますから、まずはそこから入ってみてもいいのではないでしょうか?」

桃「そうなんだ、実は私まだ聖香油のミサ行ったことないんだよね。」

シャミ子「じゃあ桃、一緒に行きますか?」

桃「うん。あ、でもその前にトレーニングしなきゃ。教会までは走っていこうよ。」

シャミ子「いや、カテドラルまで30kmくらいありますけど!?」

桃「そのくらい余裕余裕。」

シャミ子「・・・くっ・・・私を走らせて疲れさせた上で一気に攻撃を仕掛けるつもりだな?おのれ魔法少女め!きさまの誘いなどには乗らんぞ!」

桃「・・・いや、そもそもシャミ子が誘ってきたんじゃ・・・」

シャミ子「うるさい!今日はもうこれで終わります!これで勝ったと思うなよ〜!!!!」

画像7


頑張れシャミ子!

聖香油のミサに参加して、心も体もリフレッシュしたまぞくになるんだ!


おわり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?