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「ガヴリールドロップアウト」で学ぶキリスト教知識

■はじめに

ご無沙汰です。ようやく過ごしやすい気候となってきましたね。秋~冬が好きな私としては、ここからエンジンかけて本気を出していきたいところです(今更かよ)。

そうそう、実は最近6年ぶりに車を買い替えたんですよ。とは言っても中古で50万円ほどの安物ですがかなり状態は良く、いい買い物をしたと思っています。よほど高収入の仕事にでも転職しない限り、10年くらいは乗りたいですね。車種はnoteライターらしく、日産・ノートの2015年式です。なかなかかっこいいでしょ?

今期もアニメが続々と最終回を迎え、来月からは3か月に一度のアニメ改変期ですね。今から何を観ようかワクワクしながら過ごしています。そんなわけで今回は今期アニメの振り返りもかねて今期の作品を題材に・・・といきたいところなんですが、そう一筋縄ではいかないのがこのnoteです。

■アニメ「ガヴリールドロップアウト」とは

「ガヴリールドロップアウト」は、人間界にやってきた「天使」と「悪魔」が繰り広げる壮絶な戦い・・・ではなく、のほほんとした日常を描くアニメです。登場する天使と悪魔はいずれも人間の女子高生として学校生活を送っています。

あくまでも実際の天使や悪魔をモチーフとしたキャラクター達ですので、敬虔な信者の皆さんもそんなに目くじらを立てないでください。それにどの娘もみんなかわいいですよ。

<あらすじ>

天界にある「天使学校」を首席で卒業したガヴリールは更なる修行のため人間界に下り、高校に通うこととなった。「立派な天使になって人間達を幸せに導く」と誓った彼女だが、下界の様々な楽しみを知ってしまい、いつしか「ドロップアウト」して自堕落な生活を送るようになってしまっていた。

(Wikipediaより)

■登場する天使と悪魔でキリスト教を学ぼう

というわけでこの物語の主人公、ガヴリールからご紹介しましょう。

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本名は天真=ガヴリール=ホワイト。天界の「天使学校」を首席で卒業し、下界で修行のために降り立ちます。

天界では絵にかいたような優等生、品行方正で誰もが認めるエリート天使でしたが、人間界に降り立ったあと、偶然知ったネットゲームにはまってしまい、そのまま「ドロップアウト」。ぐうたらな「駄天使」となり、性格もいい加減な感じになってしまいました。

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ガヴリールの名はあの大天使ガブリエルが元ネタでしょう。マリアに神の子を身ごもることを告げる「受胎告知」でも知られる天使です。「告げ知らせる=情報を伝える」ということから、「通信業界の守護聖人」とされています。このある種無理やり現代の職業と結び付けて守護聖人にしてしまうところがカトリックの面白いところですよね。日本人も絶対こういうの好きなはずです。

ネットゲームに興じているガヴリールの守護者は幾度となくこのnoteに登場しているおなじみのセビリアのイシドールスインターネットユーザーの守護聖人です。とはいえガヴリール自身が天使なんですよね。守護天使は天使の守護もしてくれるんでしょうかね?

ちなみにガヴリールは「世界の終わりを告げるラッパ」を持っています。これはもちろん聖書の「ヨハネの黙示録」が元ネタ。ヨハネの黙示録は終末、すなわち世界の終わりについての預言書であり、7人の天使がラッパを吹くことにより世界の終末がやってくるということが記されています。

ガヴリールと同じ天使のラフィエル。本名白羽=ラフィエル=エインズワース

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天使学校をガヴリールに次ぐ次席で卒業した秀才。美人でスタイルもよく穏やかな性格ですが、実はかなり腹黒い性格。他者を陥れておもちゃ扱いして楽しんだりしており、天使なのに性格は極めて悪魔的です。

ラフィエルの名は大天使ラファエルが元ネタでしょう。聖書では「トビト記」という、カトリックと正教会のみが正典として認めている書物にのみ登場します。ユダヤ教にルーツを持つ天使で、癒しを司る天使です。たしかにおっとりとした容姿と花澤香菜さんの声は癒し系と言えますが、中身はね・・・(笑)

ラファエルの守護対象の一つに「悪魔憑依」というものがあります。ラフィエルの性格はまさに悪魔が憑依したような感じですから、自分で自分を守護しているのかも知れませんね(笑)

続いては悪魔勢のご紹介。まずはヴィーネこと月乃瀬=ヴィネット=エイプリル

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悪魔でありながらかなりのお人よし。困っている人は放っておけず、まじめで礼儀正しいキャラクター。ほんとにどこが悪魔なんでしょうか。元ネタはヴィネ(ヴィネア)という悪魔の名前。悪魔学の悪魔の一人で、

『ゴエティア』によると、地獄の36の軍団を率いる序列45番の偉大なる王にして伯爵。黒馬にまたがり手(前足)に毒蛇を持ったライオンの姿で現れる。秘められた事物や魔術師の存在を探り出し、過去・現在・未来について知る。命じられれば塔を建造したり、逆に堅固な城壁を倒壊させたり、水域を嵐を伴い荒れさせることもできる。(Wikipediaより)という悪魔なんだそうです。ヴィーネとは真逆ですね。

そしてサターニャこと胡桃沢=サタニキア=マクドウェル

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きましたね。今日のメインが。もう僕的にこの「ガヴリールドロップアウト」というアニメはサターニャの可愛さを愛でるために見ているといっても過言ではありません。おそらく作中では断トツの一番人気のキャラでしょう。

「ガヴリールのライバル」を自称する悪魔ですが、その本質は一言で言えばポンコツ。またはドジっ子。当のガヴリールからは軽くあしらわれるほど相手にされず、騙されやすくおバカ。でもそんなところが悪魔的にかわいいんです。

サターニャの元ネタは悪魔の一人、サタナキアと思われます。ヨーロッパに古くから伝わるあくまで、堕天使として有名なルシファーの配下なのだそうです。

サターニャの実家は洋菓子店の「胡桃沢洋菓子店」で、悪魔である両親が経営しています。このまま人間界で暮らし続けるのであればサターニャが家業を継いで菓子職人になる可能性もありますね。菓子職人の守護聖人大天使ミカエルがいます。もっとも悪魔であるサターニャに守護天使など不要どころか天敵ですらあるとは思いますが。

■おわりに

いかがでしたか?この作品の特徴は「善であるはずの天使サイドのキャラクターが悪い子で、悪であるはずの悪魔サイドのキャラクターが良い子である」というものです。こういう構図の作品はギャグアニメでは結構定番ですがやはり面白いですね。

天使や悪魔はキリスト教のみならず他宗教にも存在し、伝承や各種魔術書などに代表される文献に数多く登場します。とても奥が深く、面白いですよね。ガヴリールドロップアウトもある意味においては天使や悪魔について学べる文献の一つなのかもしれません。

とりあえずアニメの第二期をやってください。僕が言いたいのはそれだけです(笑)

それではまた!


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