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「エヴァンゲリオン」で学ぶキリスト教知識(キャラクター編)

■はじめに

こんばんは。花粉症に季節になるといつも、イエス様のように杉の木を枯らしたくなるリベラです。

イエス様が怒ってイチジクの木を枯らしたのは有名ですよね。というか日本にこんなに杉の木ばかり生えているのは国の政策で人工的に植えたからなんだから、花粉症は公害だと思うんですよ。どう思いますか?みなさん。

ちなみに調べたところ、「花粉症の守護聖人」はいませんでした。僕は花粉症では鼻水よりも目がかゆくなる方がつらいです。なので「目の病気」の守護聖人だと、アッシジの聖クララ、大天使ラファエルらが該当するようです。

■「エヴァンゲリオン」キャラクターで学ぶキリスト教知識

さて、エヴァンゲリオンシリーズ、前回は「用語編」でしたが、今回はキャラクターでキリスト教知識を学んでいきます。

エヴァンゲリオンの主人公は、14歳の少年、碇シンジ

幼いころに母が亡くなり、仕事一筋の父親には捨てられ、「先生」と呼ばれる人物に引き取られて育ちます。そのせいか、愛情に飢えており、内向的で自分に自信が持てない性格です。

ある日、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官を務める父・ゲンドウに突如呼び出され、人造人間エヴァンゲリオン初号機のパイロットとなり、「使徒」と呼ばれる生命体と戦うことを強要されます。

あまりにも突然すぎて、何の説明もなく命懸けで戦うこととなったシンジ君はものすごくかわいそうですね。それでも幾多の逆境をはねのけて成長していきます。「逆境に耐える人々」の守護聖人、聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの守護があったのだと思います。「困難な状況」の守護聖人、聖エウスタキウスの守護もあったでしょう。

そんなシンジ君の上司であり、保護者として同居することとなったのが葛城ミサト

エヴァの戦闘を指揮する作戦担当者です。美人でエリートですが、私生活はだらしがなく、シンジに家事を任せきりです。好物はビールで、いつも冷蔵庫に大量にストックされています。ビールといえば、中世からヨーロッパの修道院で作られていたことが知られています。当時は水は不衛生でしたし、お茶やコーヒーなどもなかったため、ビールは喉を潤す飲料水代わりだったそうです。

ミサトさんは首に、父親の形見である十字のペンダントを下げています。画像を見るとわかる通り、縦棒と横棒が同じ長さですよね。これは「ギリシャ十字」と呼ばれるタイプの十字架で、東欧のビザンティン建築でよくみられるもの。スイスの国旗にもあしらわれていますね。ちなみに十字架と聞いて真っ先に思い浮かぶ、「縦棒のほうが長い」タイプのものは「ラテン十字」といいます。

ミサトの学生時代からの友人で、エヴァンゲリオンの技術開発部に所属するのが赤木リツコ

仕事中は常に白衣を着ている科学者で、母親のナオコとともにエヴァンゲリオンの開発に携わってきました。明るく社交的なミサトとは対照的にクールで冷静沈着な性格です。猫が好きなので、愛猫家の守護聖人ニヴェルの聖ゲルトルードの守護があることでしょう。またリツコさんはかなりのヘビースモーカー。カトリックは酒やたばこは罪としませんので、実は神父様でもたばこが好きな人は結構いたりします。

ファンならずとも知名度が高いキャラクターなのが、エヴァンゲリオン零号機のパイロットである綾波レイ

口数が少なく、感情表現に乏しいミステリアスな女の子です。彼女が漫画アニメ界にもたらした影響は大きく、それまでの作品ではあまり見られなかった「無口で無表情なヒロイン」の先駆けともいわれています。エヴァンゲリオン以降に登場したそのようなタイプのキャラクターは「綾波系」と呼ばれ、一ジャンルを形成したほどです。まさに歴史に残る偉業を成し遂げたキャラクターです。

海割りで知られるあの預言者モーセは、レイ同様無口で口下手な人物だったようです。それでも神様からイスラエル民族を率いる指導者に選ばれ、歴史に残る偉業を成し遂げました。モーセとレイは共通するものがありますね。

ちなみにレイは肉が嫌いで一切口にしません。キリスト教では肉食は禁じられていないことはこれまで何度も言及しています(セブンスデー・アドベンチストという教派は菜食主義の教義がありますが)。ただし前回の記事でも出てきたように、小斎を守る日には獣の肉を避けます。またカトリックでは金曜日も伝統的に肉を食べない習慣があります。現在は敬虔な一部の方々は守っているかもしれませんが、昔ほど厳格ではありません。

エヴァンゲリオン弐号機のパイロットは惣流・アスカ・ラングレー。(新劇場版では姓が「式波」に変更されています。)

ドイツと日本のハーフで、14歳にして大学を卒業した天才少女です。それゆえ勝ち気でプライドが高く、シンジとも事あるごとに衝突しています。

プライドが高く尊大なため、一度プライドを傷つけられると落ち込んでしまう、精神的に脆い部分があります。TV版ではそれゆえに悲劇的な末路を迎えてしまいます。「傲慢になり、頑なに尊大にふるまったので、王位を追われ、栄光は奪われました」(ダニエル5:20)という感じです。新劇場版では幸せな結末を見変えてほしい、と願っているのは僕だけではないと思います。

TV版では5人目のパイロットとして登場する渚カヲル

美男子で、女性からの人気も高い彼ですが、実は出番はかなり少なく、TV版では全編を通して出てきたのは第24話のみです。それでいてこれだけのインパクトと人気を誇るんですからすごいですよね。

ちなみに前回の記事で思いっきりネタバレ画像が載っていましたが、彼の正体は実は使徒です。落ち込むシンジに「好きだ」と言い、親しく接してくれたのですが、敵だとわかったためシンジが自らの手で殺すことになってしまいます。シンジ君、どこまで可哀想な主人公なんでしょうか。

出番が少ないわりにインパクトが強烈な人物は聖書にも結構います。例えば使徒アンデレ。彼は兄ペトロと共にイエスに声をかけられ弟子となるのですが、その後登場したのはいわゆる「イエスが5千人にパンと魚を配る話」で、パン5個と魚2匹を持った少年を連れてくる場面しかありません。また、イスカリオテのユダの死後、十二使徒に選ばれたマティアに至っては、「くじ引きでマティアが新しい使徒に選ばれた」という記述のみの登場です。十二使徒って実は、活躍した人とそうでない人の登場頻度があまりにも違いすぎるんです。グループ内格差があったんですね。

■おわりに

いかがでしたか?エヴァンゲリオン、有名だけど見たことが無い方、興味が出てきたのではないかと思います。前回も言いましたが、内容は基本的に意味不明なので、「なんとなく」で見ましょう。考えたら負けです(笑)

それではまた次回!

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