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「BanGDream!」で学ぶキリスト教知識(ハロー、ハッピーワールド!編)

■はじめに

どうもこんにちは。三日連続で鍋を食べていたらさすがに飽きてきたリベラです。

味付けを変えたりして変化をつけてはいるのですが、やっぱり同じものを毎日食べるのはつらいものがあります。でも野菜をたくさん摂れるし、なんといっても調理が簡単なんですよね。ゆるキャン△のなでしこの言葉を借りれば「切ってぶち込んで煮るだけ」ですからね。仕事から帰ってきて料理する余裕が無い時には本当に助かるんです。

鍋は大人数で食べられて連帯感が生まれるので、相撲部屋でちゃんこの文化が生まれたという歴史があるそうです。教会もしかり。「みんなで食卓を囲む」ということが重要視されます。特にプロテスタント教会では礼拝の後にカレーを食べる教会が多いです。教会=カレーといっても過言ではありません。僕が洗礼を受けた地元のプロテスタント教会では、月の第一主日(第一日曜日)がカレーの日でした。一方カトリック教会はあまりみんなで食事をする文化が盛んではありません。これは推測なのですが、カトリックは毎回ミサで聖体拝領(キリストの体=パンを食べる儀式)があり、それによって「みんなで一つの食卓を囲む」という意味があるため、わざわざミサの後に食事会をする必要性が無いからなのではないか、と思うのです。

まあ、教派によって考え方は様々です。他の教派を貶したりせず、「孤独のグルメ」の主人公・井之頭五郎のように、「ほう、そういうのもあるのか」という精神で、異なる考え方を受け入れられるといいな、と思います。

■ハロー、ハッピーワールド!とは

さあ、バンドリ企画も第5弾。今回は「ハロー、ハッピーワールド!」(通称ハロハピ)を取り上げます。画像を見てもらえば一目瞭然、今まで出てきたバンドに比べて明らかに異質というか、ぶっ飛んでいますよね。なんかピンクの熊の着ぐるみいるし。音楽性も多彩で、ロックからダンスチューン、ヒップホップなどさまざまです(すみません、音楽の知識が全然ないもので)。

このバンドのコンセプトは「世界を笑顔にする」こと。リーダーであり発起人の弦巻こころが提唱したもの。漠然としているけどとてつもなく壮大ですよね。曲の歌詞の中にも頻繁に「笑顔」という言葉が出てきます。ちなみに聖書では「彼らが確信を失っているときわたしは彼らに笑顔を向けた。彼らは私の顔の光を曇らせることはしなかった」(ヨブ記29:24)の一か所しか出てきません。ヨブ記はヨブという善良な人が神によってさまざまな苦難を受け、ヨブは神を呪うほど恨みますが、最終的にはそれによって神の真の恵みを見出すという内容。奥深いですよね。ハロハピの歌詞や、こころの人間性などは一見、単に明るく元気なだけに見えて、その根底には何か奥深いものを見出すことができます。詳しくは書きませんが、気になるならガールズバンドパーティやりましょう(笑)

■キャラクターで学ぶキリスト教知識

リーダー、発起人、ボーカル担当は先ほども出てきた弦巻こころ


好きなものは「なんでも大好き!」嫌いなものは「なし!」という超ポジティブガール。まるで全能の神様のような度量の深さです。こころの実家は「超」がつく大富豪で、金持ちエピソードは枚挙に暇がありません。普通に暮らしていればなんでもできるのに、他の人の笑顔のために行動するこころの姿勢は、あのアッシジの聖フランシスコを思い出します。イタリアの修道士であった聖フランシスコは、裕福な家庭で何一つ不自由のない生活をしていましたが、神からの啓示を受けて修道士となり、貧しい人々のために働きます。いわば貧しい人々の「笑顔」のために行動した人物。こころと通じるものがあります。また、こころは多くの名言を残しており、心に深く刺さるものが多いです。中でも、

「楽しいって一人じゃ生まれないの 誰かがいなくちゃ生まれてこない素敵な気持ちなのよ!だから、もし楽しくなりたかったら、そばにいる誰かにあなたの楽しいをあげてみて!きっとあなたの中にも楽しいが生まれてくるわ!」

素晴らしくないですか?これを「マザー・テレサの名言です」って言ってもたぶん誰も疑わないですよね(笑)そのほかにもたくさん名言があるので、興味があったら調べてみてください。

ギター担当瀬田薫


中性的な容姿が特徴的の美少女です。演劇部に所属し、彼女の舞台は毎回大盛況です。いわゆる「宝塚の男役」のようなキャラクターで、女子からのあこがれの的(まあ、そもそもバンドリは女性キャラしか出てきませんが)。若干キザでナルシストな性格で、セリフもシェイクスピアの言葉を拝借するなど詩的ですが、あまり理解はできていないようです。要するに結構アホです。

ウィリアム・シェイクスピアはイギリスを代表する劇作家ですが、シェイクスピアは正確な誕生日がわかっていません。しかし1564年4月26日に教会で洗礼を受けた記録があり、洗礼式は伝統的に生後3日以内行うため、4月23日が誕生日とされています。4月23日はイングランドの守護聖人である聖ゲオルギウスの記念日であるため、それと絡んでこの日になったという説があるそうです。(聖ゲオルギウスについては「きんいろモザイク」の回でも触れていますのでご参考のほど)

北沢はぐみはベース担当。

ボーイッシュで運動神経抜群、地元のソフトボールチームのエースです。元気で快活ですが彼女もこころ、薫と同じくアホの子で、とりあえず楽しそうなことはなんでもやってみるタイプです。はぐみの実家は「北沢精肉店」という肉屋で、店で出しているコロッケは商店街の名物になっています。十二使徒のペトロとバルトロマイ、そして先ほど出てきた聖ゲオルギウスは「肉屋」の守護聖人です。たまに「キリスト教徒は肉を食べない」と勘違いしてる人がいますが、言うまでもなく誤りです。キリスト教には食のタブーはないことを頭に入れておきましょう。ただし、プロテスタントのセブンスデー・アドベンチストという教派に関しては菜食主義の教義があります。

松原花音はドラム担当。


頭のネジが外れたような子が多いメンバーの中では常識人ですが、気が弱くこころの押しに負けてしまい、流されるようにバンドメンバーとなりました。また極度の方向音痴でよく道に迷ってしまいます。よくコントなどで、神父に扮した人が「迷える子羊よ」と言ったり、イエスのたとえ話で、「100匹の羊のうちの1匹が迷子になってしまったら、99匹の羊を置いてその1匹を探しに行く」というものがあったり、なにかと羊は聖書によく登場します。これは元来、羊という動物は迷うことが多い動物であり、迷いがちな人間の弱さを羊に例えているためです。そのため、迷いやすい人間を導く立場の人を「牧者」「牧師」と呼んだり宗教的な指導をすることを「牧会」「司牧」と呼ぶのです。羊を束ねる牧人ということですね。

そして皆さんが気になっているであろう、あのピンクの着ぐるみです。名前は「ミッシェル」と言い、作中では珍しいDJを担当しています。元々は劇中の商店街のマスコットキャラクター。(この商店街にははぐみの実家の肉屋のほか、ポピパの沙綾の実家のパン屋、Afterglowのつぐみの実家の喫茶店もあります)キリスト教圏でよく目にする「ミッシェル」という人名、元ネタは大天使聖ミカエルです。英語圏なら「マイケル」ですね。有名な芸術家「ミケランジェロ」は「大天使ミカエル」という意味ですし、世界遺産の修道院「モン・サン・ミッシェル」は「聖ミカエルの山」という意味です。こういう名前の元ネタ系は調べると意外と身近なものがキリスト教に由来していると知ることができて面白いですよ。

で、肝心の着ぐるみの中の人ですが、奥沢美咲というキャラクター。

ご覧の通り普通に美少女なのですが、設定上ほとんどミッシェルの姿で登場するため、可愛い容姿がほとんど画面に映らないかわいそうなキャラクターです。ミッシェルの着ぐるみは元々、商店街のアルバイトで着ていただけなのですが、その姿を見かけたこころによって、成り行きで半ば強引にハロハピメンバーになってしまいました。美咲はこころ、薫、はぐみの3バカトリオのツッコミ役。しかし呆れながらもバンドの活動にはしっかりと参加しており、バンドのことは大切に思っています。ただし3バカはミッシェル=美咲であることは理解しておらず、説明してもわかってくれません。美咲ちゃん、とんでもない苦労人ですね。毎日疲れていると思います。そんな時には、「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11:28)というイエス様の言葉を思い出してください。

■おわりに

ハロハピのメンバー、なかなか個性的で面白いですよね。他のバンドに比べて邪道な感じではありますが、こういったキャラクターの多様性こそがバンドリの魅力。これからも作品の賑やかし役として活躍してほしいものです。

好きな曲は、「キミがいなくちゃっ!」「「ふわふわ☆ゆめいろサンドイッチ」みたいなしっとり系ですかね。

バンドリ企画もいよいよ次回で一応のラスト。RAISE A SUILENを取り上げます。また次回お会いしましょう!

2021.4.16一部修正

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