私たちがかつておとなこどもだったころ

80年代から90年代にかけてのバブルをとっくに卒業したものの、まだまだ浮かれ気分だった私たちは、20代の後半から30代にかけても相変わらず毎週遊びに出かけてた。

と言っても、夜のクラブ活動とはまったく無縁だった私たちの出かける先はもっぱらアウトドア!

初めの頃は冬に雪山へスノーボード。原田知世ちゃんの『私をスキーに連れてって』が大ヒット(?)した後もしばらくのあいだ、あの頃の世の中はスノーボードに理解がなくて。スキー場によってはスノーボーダーだけお金を払ってライセンス試験を受けてレベル判定をされ、場合によっては滑ることができるエリアを限定されたり。かなり虐げられていたこともあったなぁ。

浮かれて雪の上で横乗りを続けていた私たちは、冬だけ遊ぶのに飽きたらず、みんなで船の免許を取って、初夏から冬が始まるまでは海でウェイクボードを始めたね。水の上でも横乗りで、ついでに世間に対しても斜に構えたり。

だけどだんだん結婚したり、子どもが出来たり、仕事の状況が変化したりといろいろあって、夏のレジャーはキャンプがメインになっていった。

キャンプといえば、カレー、肉と野菜を鉄板で焼く、焼きそば
...という常識にまったく乗っ取らないのが私たちのキャンプだった。

まず、カレーと焼き肉禁止(笑)だったんだもん。

キャンプメンバーレギュラー男性陣がみんなボーイスカウト出身というのも面白い構成で。みんな道具大好き、準備大好き。キャンプサイトが決まるとテントもタープもすぐ立つ、火もすぐ熾きる、キッチンもできあがる、なにこの有能な男子たち。たまにそうじゃない人がくると、動かない動かない 笑

今、小学生くらいの息子を持つ母親たちはすぐさまボーイスカウトに入れる事を考えるべき。将来彼女に絶対喜ばれる。

わたしも彼の影響で燻製器を手に入れて、最初ははんぺんの燻製とか、いぶりがっこ作ったりとか。そのうち数日前から鶏ももをハーブや胡椒なんかと燻製液に漬け込んで、まる一晩かけて鶏ハムぽい燻製を作ったりしてた。漁協で鯛を手に入れて鯛めしを炊く、とかいうアイディアを彼が持ってきたこともあったな。お魚買ってアクアパッツァしてパスタしたこともあった。
ほかのみんなも粉を持ってきて、うどんを打ったり、ピザを焼いたり、イースト持ってきて朝から練って醗酵させてパンを焼いたり。なんというか、野外料理大会だよね。キャンプ場の周りの人たちと食べてるものなんか違ってた。

テーブルにはもちろんテーブルクロスを用意して、ランタンとかキャンドルの明かりでとても手の込んだご飯のあとは、焚き火を囲んでお酒を飲みながらまったりタイム。

贅沢な時間の過ごし方だったなぁ。
今になって思うけれど、とても幸せだったんだなぁあの頃。

ここから先は

7字

¥ 100

ちょっとだけでも気に入って頂けたなら嬉しいです。