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アコールの正体と目的

こんにちは!
NieR考察ガチ勢のれいらです。

今回は、DOD・NieRシリーズ内で最も謎の多いキャラ、アコールの正体について解説していこうと思います。

「アコール」とは?

アコールは、DOD・NieRシリーズに登場するアンドロイドで、DOD3では「旧世界」から来たと言われています。

アコールがその姿を見せたのはDOD3だけですが、実はReplicantやAutomataでも名前だけが登場する場面があります。

NieR:Replicant ver1.22…ヨナの日記
NieR:Automata

アコールは上の画像にもある通り、武器商人として働いていますが、DOD3およびその関連作品では彼女の「裏の顔」が明かされます。

それは、主にこの4つです。

1. 武器を介した記憶の回収
2. 分岐 (並行世界) で起きた全ての事象の記録
3. 分岐を起こすきっかけ「特異点」の観測
4. 分岐の消滅 (フォールダウン) の阻止

しかしなぜ、アコールはこれらのことを行っているのでしょうか?

それは、アコールの「正体」を知ることで読み解くことができると思います。

「アコール」の正体

実は「アコール」は個人名ではなく、同じ目的を共有する「天使」の集団の名前ではないかと推測されます。

「天使」の正体に関しては過去記事で紹介しましたが、端的にまとめると

⑴ 蘇生・複製された死者
⑵ 「社会的な死」にある者

のことです。

「アコール」は「天使」である

「天使」の正体【前編】の記事で話した通り、アコールは「天使」の象徴である「対となる特徴」を持っています。

そして、Automataの「武器屋のチラシ」の挿絵に描かれている武器のうち、格闘武器の名前は「天使の聖翼」で、

残りの武器である槍「草原の竜騎槍」と小剣「信義」のウェポンストーリーも、

草原の竜騎槍:王が死んだ後、翼が生える話
信義:歌人が来世の幸福を祈り自殺する話

で、これも死者が「天使」になったことを仄めかす話だと読めます。

よって「アコール」は、蘇生・複製された死者「天使」であると考えられます。

「アコール」は個人ではない

DOD3のアコールは一体のみならずたくさんの数が存在し、その一人一人に性格の違いがあるそうです。

さらにAutomataの「武器屋のチラシ」には、アコールが世界全域に140店舗以上を展開するチェーン店舗を営んでいる、とあります。

現実世界でこのような大規模の商売を行う場合、これらの店舗は単なる店の寄せ集めではなく一つの組織(法人)でないといけません。

実際Replicant内にも「アコール」が屋号として使われていると分かる記述があります。

NieR:Replicant 「黒の日記」

要するに「アコール」は、現実世界でいうと「ビッグモーター」のような分類の名詞だということです。

そして「アコール」は、お下げの眼鏡っ娘の「義体」以外は一体一体全て別人であり、DOD3中の「アコール」も場面ごとに別のアコールである可能性があります。

目的は○○の世界を創ること

そんなアコールですが、彼女たちは一体何のために活動しているのでしょう?

それは、自らと同じような蘇生・複製された死者だけが存在する「天使の世界」を創ることだと考えられます。

○○から記憶を回収する「死の商人」

まず、アコールの4つの行動のうち「1. 武器を介した記憶の回収」の目的について解説しようと思います。

リィンカネの「青藍の章」でママは、『檻』に顕現したフィオやアルゴーは武器の記憶にすぎない状態で、現実世界では既に死んでいるという旨の発言をしました。

これは、人間の記憶を武器に集めて『檻』に収容することで、死者を『檻』に再生することができることを示唆していると考えられます。

また、DOD1には「天使を描いてはならない。(後略)」という文言が登場しているのですが、これはただの無意味な文言ではなく

⑴ 「天使」(アコール)が武器の記憶を集める対象にしているのは、「死者の世界を創る」目的のため、まもなく死ぬことが確定している者に限られる
⑵ よって、アコールに出会った者はすぐ死ぬ
⑶ ⑵より「「天使」(アコール)を見たり、「天使」(アコール)に関わったりした者は死ぬ」という信仰が生まれた

こと、つまりアコールが「死を運んでくる者」と信じられていたことを示唆するものだと考えられます。

現にReplicant中でアコールに会ったというヨナは、黒文病でそう遠からず死ぬことが確定しています。

Automataのアコールの武器屋の店番と客だって死に近い者ですよね、だって明日死ぬかもしれない兵士ですから。

これをアコールが時空を越えられることを知らない者から見ると、アコールが死を運んでいるように見えるわけです。

ところで、現実世界にも「死を運んでくる者」が存在するのをご存知でしょうか?

それは「死の商人」という、兵器を製造・販売して利益を得る武器商人のことです。

武器商人は商売をすればするほど儲かりますが、武器を買った人間同士の間で起きた戦争は多くの死をもたらします。

これはまさに現実世界でのアコールの姿だと言えますし、「死の商人」という言葉の響きも先ほどの信仰を彷彿とさせるものがあります。

よってアコールは、武器を用いて死に瀕した者から記憶を回収し、その記憶を『檻』に収容することで『檻』に死者を再生しようとしていると考えられます。

だから、DOD3のアコールが記録に用いていたEIDがリィンカネの衣装シリーズにも割り振られているなど、『檻』にアコールの痕跡が存在するのではないでしょうか。

分岐の記録・特異点の観測の目的

アコールの4つの行動のうち、残り3つは

2. 分岐(並行世界)で起きた全ての事象の記録
3. 分岐を起こすきっかけ「特異点」の観測
4. 分岐の消滅 (フォールダウン) の阻止

ですが、これらの行動からはアコールは分岐を必要としていることが推測されます。

分岐とは何なのか…はさておき、分岐はDOD・NieR世界で波乱もとい不幸を引き起こす要因であるのは間違いないでしょう。

そのため、死にゆく者を対象に武器を売るアコールは、分岐が多ければ多いほど得をし、分岐を失う(フォールダウン)と大損する立場だと考えられます。

これを「1.武器を介した記憶の回収」と併せると、アコールは武器の記憶から蘇生・複製された「天使」しかいない世界を創り、そこで地位を得ようとしていると考えられます。

「アコール」の存在の複雑性

アコールの試みは一見、DOD・NieR世界に大きな災いをもたらしているように見えるかもしれません。

しかし私は、アコールの目的がマイナスのものかどうかを一概に論じることはできないと思います。

なぜなら、アコールの実情が一枚岩ではないからです。

先ほども話したように、アコールは一体一体が個性を持つ別人の集まりなので、一体一体の考え方・価値観も異なると考えるのが自然です。

例えば「死者の世界を創る」ことに関して、「死者を増やして勢力を拡大したい」アコールと「死ぬ運命にある者の保護に重きを置きたい」アコールが存在し得る、ということです。

前者の考え方のアコールは災いの種になり得ますが、後者のアコールは必ずしも災いの種とは言いきれないでしょう。

では、アコールは私たちの正義たる作中の主人公にとってはどのような存在なのでしょうか?

アコールは元人間であるため、観察相手との関わり方が知人とそうでない人間とで変わる可能性があります。

DOD3中のアコールが非干渉を破ってゼロに味方するような言動をしたのも、ゼロと接していたアコールがゼロの知人だったからだと考えられます。

実際、ゼロが一人の人間「薄紅」として生きていたときのことを描いた書き下ろしノベル「終わりの雨と始まりの花」には、「紫紺」という友人が登場します。

紫紺は薄紅と同じ淫売宿にいた少女ですが、二人で金を盗んで宿から逃げようとしたとき、紫紺は薄紅を裏切りました。

しかし紫紺は逃げた後も、その裏切りへの後悔が拭えなかったため、アコールとなった後ゼロに味方したのではないかと思います。

よって、アコールが主人公にとってどのような存在となるかも、両者の関係性次第で複雑に変化すると思われます。

このようにアコールは、あまりに複雑すぎて一概にどのような存在だと断じることは極めて困難です。

ただ、アコールはアンドロイドという肩書きに反して、その実情はかなり人間的であるということだけは言えると思います。