「エイリアン」の正体
赤目の皆さん、こんにちは!
NieR考察ガチ勢のれいらです。
今回は、「NieR:Automata」で人類を滅ぼしたといわれる謎の存在「エイリアン」の正体について考察していこうと思います。
「エイリアン」とは?
「エイリアン」は、Automata中で西暦5012年に外宇宙から飛来し、地球を侵略したといわれる存在です。
この侵略により人類文明は壊滅し、生き残った僅かな者たちは月に逃れたとされています。
その後「エイリアン」は、自らが造り出した新型兵器「機械生命体」によって滅ぼされました。
そして襲撃から7000年近く経った本編中でもなお、機械生命体は人類軍への襲撃を繰り返し、主人公たちの脅威であり続けている──
と、言われています。
「エイリアン」絡みの情報の矛盾
しかし実は、Automata本編中の「エイリアン」にまつわる言及とニーアの歴史上の記述には、数々の矛盾が存在します。
まずAutomata本編中の人類会議の口上では、西暦5012年の「エイリアン」襲撃時に人類文明が壊滅した、と言われていますが、
攻略設定資料集中の『ニーア』世界年表によると、人類が滅亡したのは4198年。
両者の間には、814年分の不自然な空白が存在します。
また、人類会議は
と述べていますが、ニーアの歴史が常に華やかとは程遠い終末秒読み状態なのは、過去作プレイ済みの方には衆知の事実でしょう。
さらに世界年表には、
とありますが、人類会議の口上では、
その12年前の西暦5012年の襲撃の際、既に機械生命体が存在したことになっています。
このように、Automata本編の「エイリアン」に関する言及は『ニーア』世界年表の記述と多々矛盾しています。
加えて、NieRシリーズの歴史モノとしての側面を考慮すると、非歴史的で空想的な「エイリアン」(異星人)の存在自体が不自然であるともいえます。
つまり、"異星人"としての「エイリアン」は最初から存在していなかった可能性があるのです…
異星人ではなく〇〇だった!?
では、我々がAutomata作中で「エイリアン」と呼んでいる者の正体は一体何なのでしょうか?
ここでは、作中にある複数の手がかりを元に「エイリアン」の正体を考察していきます。
「エイリアン」の特徴から分かること
作中に登場する「エイリアン」は、「落ち窪んだ大きな目」に「剥き出しの歯」を持っています。
実は本編中をよく見ると、この「エイリアン」の死骸と似た特徴の顏を持つ者が登場します。
それは、Aルート後半(アニメ版Chapter. 11)でレジスタンスキャンプを襲撃した機械生命体の変異個体です。
この変異個体は、レジスタンスキャンプ内でアンドロイドを襲うだけではなく、仲間の機械生命体をも喰い散らかしていました。
その壊れた顔面には「剥き出しの歯」と「大きな」目があり、特に目は「落ち窪んだ」構造のように見えます。
「エイリアン」とこの変異個体は、胴体の形が大きく異なってはいるものの、
パスカルも自ら胴体の形を変化させることができるので、「エイリアン」=機械生命体の一形態と考えても何ら矛盾はないでしょう。
さらに、Automata本編中で発見した機械生命体のコアの破片について、ポッドは
と言及しているのですが、アダムも「エイリアン」に関して
と言っており、「エイリアン」と機械生命体には少なくとも「植物に類似した要素がある」という共通点があることが分かります。
以上のことから、「エイリアン」は機械生命体のうちの一部の個体である、という仮説が立てられます。
「創造主」という表現から分かること
そしてアダムは、「エイリアン」に関して「我々の "創造主" だ」と言及しています。
ここで、私たち人間の "創造主"、つまり人間を創造したといわれる者の話を思い出してみてください。
人間の創造に関する話のうち、おそらく最も有名なのは「アダムとイブ」に関する話でしょう。
このように、「アダムとイブ」の話において、最初の人類を創った "創造主" は神様だと言われています。
いえ、「アダムとイブ」のみならず世界中の創造神話において、人類の "創造主" は神とされています。
つまり、アダムが語る「エイリアン」も、アダムにとっての "神" だと考えられないでしょうか。
え? 何で "神" を滅ぼしてしまったかって?
「敬愛なる創造主様」を、真の "神" にするためですよ。
機械生命体の宗教においては、死んだ仲間=神ですから…
これは、人類会議の語る「エイリアン」にも通ずるところがあります。
人類会議および人類軍にとっての "神" は当然ながら、既にいn人類でしょう。
実は世界の歴史上、"異なる" 神─もとい異なる宗教を信じる集団はしばし「敵」とみなされ、その結果「宗教戦争」が数多く起きてきました。
(※キリスト教・イスラム教などの一神教を信じる地域だとよく見られます)
つまり、人類会議にとっての「エイリアン」は
人類ではない "神" のような「何か」=敵
だと認識されているということです。
アダムや人類会議が「エイリアン」を "神" およびそれに匹敵するものだと認識していたら、「エイリアン」に関する情報が矛盾だらけなのも頷けます。
神格視はときに、真実を見えなくするもの。
そして「神話」にも「根拠なく絶対と信じられている事柄」という意味がありますから。
まとめると「エイリアン」は、
ではないか、ということです。
ざっくり言うと、信じるか信じないかで捉え方が変わる「サンタクロース」のようなものだということです。
人類会議は真相を知っていた
「エイリアン」の正体に関する考察を加味して5012年の侵略の真相をまとめると、以下のようになります。
そして、人類会議および人類軍の上位層はおそらく、上記の真相を完全に認知していたと考えられます。
ではなぜ人類会議は、これらの真相を隠し続けたのでしょうか?
それは、自分側の人間を「自らに敵意を持つ何者か」と戦わせ続けるためです。
「エイリアン」が「敵」コミュニティーによって擁立された "神" だと認めることは、「敵」も自分たちと同じように意思や感情を持つ存在だと認めるようなものです。
信仰という行為自体、意思や感情がないと起こり得ませんので。
そして、「敵」が自分と同じように感情や意思を持つ存在だと分かったら、兵士は「敵」を殺すことに抵抗感を覚えてしまうでしょう。
人類会議にとって、それは困ることなのです。
だから人類会議は、自分たちの兵士に「敵」を殲滅させるため、自分たちの神である人類の生存と「敵」側の神の正体を偽って、
「5012年、外宇宙から飛来した「エイリアン」の侵略によって人類文明が壊滅し、侵略を生き延びた人類は月へ避難した。この時「エイリアン」が繰り出した新型兵器「機械生命体」は、人類を大いに脅かした」
という「神話」を騙っていたのです。
では、5012年の侵略の真犯人は一体、何者なのでしょうか?
機械生命体は誰が、何のために創り出したのでしょうか?
それは長い話になるので、また後日。