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絵葉書を送ったことはありますか?

とうとう祖母、伯母、叔父に父の訃報が知られてしまったのだった。結局伝える予定ではあったが、本当に全て終わってからにしたかったのが本音である。
祖母には「なぜ早く教えてくれなかったのか」と泣きつかれたのだが、父の遺言だったことを伝え、それも含めて報告に近々に伺いたいと思っていることを伝えた途端「すぐ来て!!暇だから!!!いつでもいいから!!!!」と了承を得たのだった。さっき泣いてたやーんと思うほどの変わりようには少し笑った。

実はその電話がある前から日程は3パターンほど考えており、祖母の年齢などを考えて一番早めの4月中旬で行こうと新幹線・特急・ホテルの予約を一気に取った。
電話口では元気な声だったのだが、何やら家の中で転んでしまい腰をうってコルセットをし杖の支えが必要であることを教えてもらったので、早めのスケジュールに変更した。
耳も少しだけ遠いようなので、文字にして渡した方がいいと考えたのだが、便箋に書き封筒に入れたものを送るのは先月やって心が砕け散ったので、絵葉書に簡単に訪問の日程を書いて送るのはどうだろうと、文具関係のお店で探してみた。

全くないのだ。絵葉書が。
観光に力を入れている神戸市、そしてその中心の三ノ宮周辺でないのだ。なんということでしょう!絵葉書という文化が根こそぎ駆逐されている状態なのである。仕事でお世話になっている観光局のオネエサンに聞いてみると一か所だけ絵葉書を扱ってる文具店はあるが昔のような観光写真のような絵葉書は無いとのこと。

文字を書いて相手に伝える文化が滅せられている。昔ならどこかしら店先にはがきが差し込まれくるくる回るディスプレイがあったはずなのだ。全くない。そういう私も絵葉書を誰かに送るという行為が何十年ぶりなのである。偉そうに言える立場ではない。が、少し寂しい。

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