地方創生と6次産業


現状および課題

「地方創生」という言葉はよく耳にすると思いますが、その法的根拠は「まち・ひと・しごと創生法」(2014年11月28日公布)です。目的に『少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施する』(内閣府 まち・ひと・しごと創生本部)ことを掲げています。

この法令にもあるように現在日本では少子高齢化・人口減少が加速しており、高齢化率は27%(総務省統計局調べ)をすでに突破しています。2065年には38%を超えることが予想されており、事態はますます深刻な方向へ進んでいます。

また国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(出生中位(死亡中位))によると、2060年の総人口は約9,300万人(平成26年閣議決定時:約8,700万人)まで減少すると見通されています。

日本の人口の推移

またさらに下図にあるように東京圏への過度な人口集中も問題になっています。東京圏への過度な人口集中は過去に二度起こっており、第三人口移動期と呼ばれる今回の人口集中は待機児童問題や地方の過疎化などの問題を引き起こす原因の一つとなっています。

東京への人口流出


国による対策

上記の現状、課題に対して国は「内閣府まち・ひと・しごと創生本部事務局」の資料にようると地方創生版・3本の矢と3つの取り組みを挙げています。(下図を参照)

三本の矢

この中でも人材支援の矢では「地方創生コンシェルジュ」「地方創生人材支援制度」「地方創生カレッジ」の3つに力をいれ、地方に地方創生を担うことのできる人材を確保することに着手しようという動きが見えます。

このような人材によって地方が活性化していった例を地元山口県に注目して挙げていきたいと思います。

地方独自の取り組み

皆さんの中には「6次産業」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。地方創生のための代表的な取り組みとして生産から加工、販売までを一挙に担う産業のことを6次産業といいます。6次産業ではその土地で生産した農産物を適正な価格で取引するため、その土地の生産者にも利益が生まれ、地域経済が活性化します。さらに流通まで自分たちの手で行うため、流通コストも抑えることができます。

ここで私の地元である山口県の6次産業の事例を紹介しようと思います。皆さんは山口県の周防大島町にある「瀬戸内ジャムズガーデン」という小さなジャム屋さんを知っていますか?このジャム屋さんでは周防大島町で採れた果物を周防大島で加工し販売するということにこだわって商品開発を進めています。私は大学の卒業研究でこのジャム屋さんと関わらせていただいているのですが、周防大島町内の農家と提携し、そこから材料を買い取り、ジャムを作ることで島の活性化につなげるという取り組みはとても興味深く、面白いです。

このような6次産業が地方創生つながることとして、先に述べたような生産から加工、流通、販売をその土地で行うことによる関係者全員の利益の向上の他に、その地域で雇用が創出されるというものがあります。特に瀬戸内ジャムズガーデンで働いているパートの方は子持ちの主婦の方が多く、お話を伺ったところ子供が学校に行った後、帰ってくるまでの時間で働けるのでうれしいと言っていました。

このような事例がもっともっと広がると地域がどんどん元気になっていきそうですね!

最後に

瀬戸内ジャムズガーデンや6次産業に関することを学修していくうちに、自分も将来地元で何かするのも楽しそうだなと思うようになりました。

皆さんの身近に地元で企業していたり、地域のために活動している人はいませんか?ぜひ教えてください!


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