2020年8月遠征備忘録 その0『静岡は北陸ではありませんが……』

0-1.はじまり

「そうだ、北陸の行脚回収しよう」

時は6月上旬、何とは言わないアレがまだ収束に向かうと思っていた頃。
夏までにはなんとかなっているだろうと見込み、
北陸旅を企画するべく有休を申請、可及的速やかに承認される。

ここ数年ほどで、九州を脱出する旅の目的は変わったように思う。
社会人なりたての頃は、とにかく音ゲー、音ゲー、また音ゲー。
もちろん、メインの目的――友人と会う、野球観戦、等――はあったが、
それ以外は専らゲームセンターに篭ってひたすら筐体と向き合っていた。

このスタンスが変わったのは、2017年の関西遠征の時。
詳細は省くが、この時は自分のせいで、友人と会う約束が破断となった。
かと言って、旅行の日程は既に確保しており、今更キャンセルはできない。
予定を組み直す過程で、ふと、「行脚」の存在を思い出した。

奇しくも2017年2月、メイン機種のサウンドボルテックスに
「アチーブメント」機能が追加。
それまでbeatmaniaやSEGA系ゲームに実装されていた、
いわゆる「行脚」システムがこのアチーブメントによって、
ボルテにも実績として残るようになったのだ。

当時、関西旅行の日程は2泊4日(フェリーで大阪まで渡る為)。
都合のいいことに、関西方面のJRが1日乗り放題の切符があった。
だったら、この旅程内で、関西の行脚を全て回収できるのではないか――
そう思い至り、各種情報サイトから移動にかかる時間を割り出し、
各地で過ごす時間を加味したチャートを組み、実行。
結果として目的を達成しつつそれなりに満足できる旅となった。

以来、同じような流れで、東北南部・中国地方・四国地方の行脚に至り、
以下の遠征基本スタンスが確立されたように感じる。

・最優先は「行脚回収」、逆に言うとそれさえできれば音ゲーは不必要
・現地での優勝※は、夜は必須、昼はほどほどに
・できたら観光も盛り込んでみる


※定義は各人あると思うが、この場合は
「旨い飯と旨い酒でよろしくやっていく」という意味


さて、これを踏まえて、6月の計画時点でぼんやり考えていた旅程は
以下の通り。

0日目:小倉~大阪(フェリー)
1日目:大阪~福井(行脚回収)~金沢(行脚回収、宿泊)
2日目:金沢~富山(行脚回収)~新潟(行脚回収、宿泊)
3日目:新潟~富山~金沢~福井~大阪~小倉

サウンドボルテックスの残り行脚は、この時点で以下の10道県。
【北海道・青森・秋田・岩手・新潟・富山・石川・福井・静岡・沖縄】

そして、これをざっくり分けるとほぼ4区間に分けることができる。
【北海道:北海道】
【東北北部:青森・秋田・岩手】
【北陸:福井・石川・富山・新潟(厳密には北陸地方でないらしいが)】
【沖縄:沖縄】
今回はその中の「北陸」を回収することが目的だったのだが、
上記の中で仲間外れがあるのがお分かりだろうか? そう、

「静岡」だけが、ぽつんと孤島のように未回収だったのである。

実は静岡県自体には来訪済なのだが、それは2016年のこと。
当時はまだボルテIIIであり、当然ながらアチーブメント機能もない。
以来、名古屋や岐阜・三重等、接近はすれど静岡を訪れることはなく、
この空白地帯をいつ回収するかは、それなりの懸案事項となっていた。


0-2.具体案の構築、チャート

そこから時は過ぎて、7月中旬。
世間が何とは言わないアレを再度話題にし始めている頃。
個人的な話題は、以下の1点に集約されていた。

「新潟遠くね?」

マジで遠い。
金沢から富山経由で新潟へ行く場合、手段としては以下の2つがある。
①第3セクター鉄道(IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道等)を乗継ぎ
②北陸新幹線で上越妙高駅まで乗り、特急に乗り換え

当初考えていたのは①案だが、富山で行脚回収をする前提の場合、
電車の時間が完璧に噛み合ったとして所要時間が5時間半。
それだけならまだ普通に耐えられるが、第3セクター鉄道なので
半分以上青春18きっぷが使用不可であり、あまり旨味がない。

一方、②案は新幹線と特急の併用なので当然速い! と思いきや
なんとこちらも所要時間は3時間ちょっと。
それでも①案のほぼ半分なのだが、当然ながら金額は更にかかり、
お得な往復切符を使用したとしても約1.4万円。

加えて、その遠さから2泊4日の日程が怪しくなっていた。
最終日に新大阪から新幹線で戻ると仮定した場合、
・新潟を13時に出発し富山にカムバック(往復切符なので)
・富山から金沢に移動し、サンダーバード(特急)にて新大阪へ移動
・終電の「のぞみ」号にて小倉へ帰還
とかなりタイトなものとなる上、更に余計にお金がかかる。
無論、これは①案を採択した場合でも同様で、『新潟に行く為だけに』
これらの追加予算を投資するかはそれなりに熟慮した。結果、

「今度にしよ」

諦めた。そして最終的に組み上がったのが以下のチャート。

0日目:小倉~大阪(フェリー)
1日目:大阪~静岡(行脚回収)~岐阜(宿泊)
2日目:岐阜~富山(行脚回収)~金沢(行脚回収、宿泊)
3日目:金沢~福井(行脚回収)~滋賀(行脚回収)→京都(宿泊)
4日目:京都~大阪~岡山~小倉

??????????????????????????

当初計画と比べるとかなり変わったと思うので、経緯を順に説明していく。

(1)静岡行きが生えた
新潟行きを諦め、富山が端となった時から、ある路線に目を付けていた。
岐阜から下呂・高山を経由し、富山まで至る「高山本線」である。
これを使えば、静岡の行脚を回収した上で、予定通り富山に行けるのでは?
と、シミュレートし問題ないことを確認。即時日程に組み込まれた。

(2)旅程が1日増えた
上記を組み込んだことにより、1泊目は高山本線の始発駅である
岐阜駅近くでの宿泊が確定。
2泊目は金沢として、次の日に新大阪まで戻るには比較的余裕があったが、
ここでもう1日増やしたのは

『関西方面のオンゲキ行脚を回収したい』

という思いによる。
ボルテに次ぐサブ機種となったオンゲキの稼働日が、2018年7月。
以来、上記のボルテ行脚に付随しこつこつと回収していたのだが、
稼働以前に旅していた地域は当然回収できず、
未回収は以下の通りとなっていた。

【北海道・青森・秋田・岩手・新潟・富山・石川・福井・静岡・沖縄】

【茨城・千葉・神奈川・埼玉・京都・滋賀・和歌山・奈良・長崎】

ルートを確認した結果、福井から京都に戻るにはどうやっても
滋賀県を経由する為、この2つを3日目に回収することにした。

(3)岡山行きが生えた
日程を1日増やしたことで、最終日の帰還までには様々な選択肢があった。
残りの和歌山・奈良の行脚を回収することをまず考えたが、
奈良はともかく和歌山はゲーセンの場所が少し不便な上、
京都には個人的に寄りたい場所があり、時間がシビアだった。

一方、今年3月の四国遠征にあたり情報を調べていた中で、
高知県の「カツオの塩タタキ」に関連し、とある本質情報を得ていた。

曰く、『岡山県で食べる【サワラの塩タタキ】は絶品である』と。

以上のことを踏まえ、京都を回った後に岡山まで青春18きっぷで移動。
新幹線代も抑えられるというメリットがあり、脳内議論、即時承認に至る。
こうして全日程が確定し、改めてチャートを組んだ結果がこちら。

【0日目(8/3)】
16:10 JR小倉駅からシャトルバス
17:30 新門司港よりフェリー

【1日目(8/4)】
6:00 泉大津港到着
6:30~6:45 和泉府中駅へ移動

7:02~12:59 JR(和泉府中~浜松)
和泉府中7:02→7:53大阪8:22→9:47米原9:56→10:32大垣10:41→12:09豊橋12:25→12:59浜松

13:30~13:55 シャトルバス(浜松駅→ラウンドワン浜松)
15:30~15:55 シャトルバス(ラウンドワン浜松→浜松駅)

19:28~21:20 JR(浜松→岐阜)
浜松19:28→20:00豊橋20:03→21:20岐阜

【2日目(8/5)】
6:53~10:04 JR(岐阜→高山)

12:01~14:33 JR(高山→富山)
高山12:01→13:10猪谷13:43→14:33富山

17:16~18:18 電車(富山→金沢)

【3日目(8/6)】
11:28~12:54 JR(金沢→福井)

15:11~17:50 JR(福井→草津)
福井15:11→16:53長浜16:57→17:50草津

18:36~18:57 JR(草津→京都)

【4日目(8/7)】
13:30~16:31 JR(京都→岡山)
京都13:30→15:02姫路15:03→15:23相生15:25→16:31岡山

20:43~22:06 新幹線(岡山⇒小倉)


※実際はこの間にやること(昼食・夕食・行脚等)が挟んでいます。

以上のチャートを組み終わった時点で、ホテル・新幹線等を各種手配。
時期は7月末、翌週にはもう旅を始めているというギリギリの状況だった。
これが出発前からのガバを引き起こすことになる――


Next→その1「0・1日目:睡眠は計画的に」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?