見出し画像

「これまで」と「これから」が重なる歌/Liella! 2nd AL『Second Sparkle』レビュー①

カッコいいリエラを感じられる『Second Sparkle』、1期生の成長した姿が描かれるソロ曲、そして、待望の2期生のソロ曲。4thライブを始めとして、とにかくこれからのリエラへの期待が止まらないのが今回のアルバム『Second Sparkle』に抱いているイメージです。

そんなアルバムの輪郭がぼんやりと見えてきて、どこからブログを始めていこうかなと思った時に真っ先に思い当たったのが『私のSymphony ~2022Ver.~』でした。この曲はアルバムを通して聴いていく中で、収録曲の中でちょっと特殊な位置にいるように聴こえることもあって、今回はここから始めてみます。

その理由を探していくにあたって、3rdライブツアーで9人バージョンの色んな曲が披露されたの、どうしてこの曲なのか?そして、アルバムの収録曲が発表されてから楽曲タイトルに入っている「〜2022Ver.〜」の意味の2つをずっと考えていました。

特に後者の方はめちゃくちゃ引っかかっていて、リリースされた今が2023年だから余計に1年前の表記に拭いきれない違和感がありました。色々考えているうちに、時間をズラしてでも「2022年」という時間を残す意味があるのではないか?という切り口に行き当たり、やっぱりその理由として思い浮かんだのが昨年の『WE WILL!!』『追いかける夢の先で』のリリイベです。「あのイベントで9人で披露されたのが『私のSymphony』だったからということなんでしょ?」と簡単には言ってしまえるけれど、それで片付けたくないんです。それ以上にあの瞬間から本格的に始まった9人としてのリエラをしっかり残しておこうという意味があっての「〜2022Ver.〜」だと思っています。

今この瞬間を刹那的に駆け抜けていくリエラだからこそ、こうして音源としてあの瞬間を残す意味合いの強さを感じています。加えて、ライブでもいくつかのバージョンが生まれている『私のSymphony』なのに、オリジナル音源に続いてリリースされたのが今回の『私のSymphony 〜2022Ver.〜』と、より一層「2022年」という時間を残しておきたいんだという想いも見えた気がします。

9人として始まった「2022年」という時間を、確かにあった記録として残すこと。そんなアーカイブ意識が、『私のSymphony 〜2022Ver.〜』がアルバム『Second Sparkle』の他の曲とは向いている方向性の違いを生み出したのでは?と考えています。

そして、そんな輝きは「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」にも確かに繋がっていました。

ツアーでは、『Day1』『ユニゾン』『Shooting Voice!!』など、5人の頃の楽曲が9人バージョンで披露されていましたが、この伏線は2022年でリリイベで披露された『私のSymphony』 で始まっていたんじゃないかなと改めて書いておきたいです。あのイベントでは、初披露の『WE WILL!!』が新たなリエラのスタートだったのは間違いないと思うけれど、それとはまた違った形で「9人でのリエラが始まっていくよ」の確かな合図だったのがこの『私のSymphony 〜2022Ver.〜』だったとも思っています。

そんな流れを踏まえると、昨年のリリイベから始まって、3rdライブツアー、そして今作の2ndアルバム『Second Sparkle』までを駆け抜けてきたこの時間が詰め込んだのがこの『私のSymphony 〜2022Ver.〜』なのかもしれません。

色々と書いてきましたが、肝心のこの曲の魅力は何かと言われると、やっぱり2期生の歌い出しから始まるところなんです。1期生が歌っているのと同じ曲ではあるけれど、そこに2期生の歌声が加わって、『私のSymphony』に新しい風を吹き込んでいくから全然違って聞こえる。確かに「その違いは2期生のパートが加わって、歌割りが変わるからだよ」と簡単に言えるのですが、ちょっと待ってください。

『WE WILL!!』も『追いかける夢の先で』も間違いなく9人のリエラの曲です。でも、この『私のSymphony』を始めとして、同じリエラの曲だけど、全然違う曲もある。それはリエラを始めた1期生が歌っていた曲、そしてそんな5人の光景と共に駆け抜けてきた色んな人の想いが込められているから。だからこそ、5人の頃の楽曲が今9人で歌われることに賛否両論が自然と起こってしまうんだと思います。これについては、過去のブログでも書いたように色んな人の価値観があってのことだし、全く優劣をつけるつもりはないです。

ただ、今回の『私のSymphony 〜2022Ver.〜』として、アップデートすることで、2期生が加わってまた新しい形で思い出を作っていけると思うんです。あの時聴いていた『私のSymphony 』とアルバムに収録されている『私のSymphony 〜2022Ver.〜』ではまた違う角度で楽曲を受け止められる。同じ曲だけど、そこで歌われる曲も、見える光景も全然違うと思います。だからこそ、これまでのライブで様々なバージョンが生まれて、その度に新しいリエラを知って好きになる。楽曲だけじゃなくて、「Liella!」というグループの可能性をグッと広げたのが、この『私のSymphony 〜2022Ver.〜』という曲が持っている底知れぬパワーだと考えてます。

5人で始まって、9人になったあの瞬間も、そして、これからの未来も重なるから僕はこんなに『私のSymphony ~2022Ver.~』が大好きなんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?