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生徒会室再現プロジェクトを終えて

前書き

 こちらの記事は、「ばあちゃる学園生徒会室再現プロジェクト」についての編集後記のようなものになります。自分用の備忘録として、将来誰かがMMDステージ作成をするときの参考として、この記事を書いているのでその辺りご了承ください。

はじめに

 ということで、「ばあちゃる学園生徒会室再現ステージ」がちょっと前にやっと公開できました!公開動画のリンクはこちらになります。是非ダウンロードしてください!
 初めに手を付けた日が02/24、公開したのが06/19なので、3ヵ月24日と途方もない時間を費やしてますね...この期間に様々な人が関わってたくさん協力してできあがったすごい代物です。僕一人だったら絶対に完成しなかったでしょうし、例え完成したとしてもこの完成度までは至らなかったでしょう。という話は公開直後にだいたいしたので、ここでは主に技術的なことを書いていこうと思います。

目次

1.全体のワークフロー
2.初期整備工程
3.モデリング工程
4.MMD静止画工程
5.リギング
6.PMX化工程
7.セットアップ工程
8.公開の工程
9.小ネタの話

1.全体のワークフロー

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 こんな感じです。上の矢印は一方向の表記ですが、もちろん一方向ではありません。逆をいったり、枠飛び越えることもしょっちゅうでした。以下で、各項目毎について詳細に説明していこうと思います。

2.初期整備工程

はい、一番初めに初期整備工程です。最初から「モデリングする人集めて、それぞれモデル作ってもらってそれ全部統合すれば終わり!」というわけにもいかないですよね?まず「生徒会室に何があるか」と「規格の統一」が必要でした。よって、まずC4Dで各モデルのサイズを公式生徒会動画からなんとなく目視で調整して測り、それぞれモデル名称を定義して、以下の表をスプレッドシートにまとめて、これで進行していきました。目視で調整、実は死ぬほど大変でしたね…最終的な完成度に一番直結するところなので気は抜けなかったんですが、ひたすら地味に数値とビューをいじる作業なので...画像2

3.モデリング工程

 モデリング工程では、一段階目で募集したモデリング勢の方々がめちゃくちゃ早いペースでポンポンやってくれました。ここで苦労したのが、当たり前ですが「配布前提」なので、自作orフリーでなければならないことです。モデリングはもちろんcubeから、テクスチャもフリーのところから全て持ってきました。だいたいのものはフリー配布されていますが、例えば絨毯の柄であったり、優勝楯の柄など探すのが大変でしたね…
 ここでつまずいた点を一つ。普通の3DCGソフトではマテリアルと呼ばれるものがMMDでは「材質」というんですね。例えばray-MMDではこの材質を元にそれぞれのプリセット化された「metal」やら「skin」やらを当てはめていくわけです。つまり、PMXモデルを作るにあたって、マテリアル分けを金属、木材、布地、のように分けなくてはならないんですね。それをモデリング工程の途中で気づいたので、一旦すべて提出し直しにしたりと大変でした...また、最終的にボーンを入れて動かすことも考えなければいけないので、例えばソファだったらクッションとか、棚だったら引き出しとかも、中身まで作りこんでおかないといけないのは、通常のモデリングと違ってとても手間がかかりました。
 ちなみにですが、モデル受け渡しの際の3Dモデル拡張子はFBXです。モデリング班は合作なのでみんな色んなソフト(大体Blenderですが、僕はC4D、他に3dsmax使ってる人が一人)使ってるんですが、最終的に僕のC4Dに全てマージしなければならないので、一旦FBXで合流させました。

4.MMD静画工程

 MMD静画でも、二段階目で募集したMMD静画班の方々がポンポン静止画を作ってくれました。このMMD静止画はオリジナルなアイデアで、オリジナルでは公式日常動画のワンシーンなどを使ってるんですが、一応オリジナルの踏襲をしておこうと思って、額縁のサイズや写真構成はある程度合わせています。そういうことで、額縁のサイズをあらかじめ決めておいて、以下のようなスプレッドシートにまとめて進捗管理しました。

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5.統合工程

 ここで各モデルとMMD静画を額縁に入れる作業などなどしました。それぞれのモデルをfbxでC4Dにマージして初期整備工程で合わせた座標に配置したり、不備があったらリテイクを出したり、壁とか額縁とかを作ったり、などなどこの時点で基本的にはモデル自体は完成しました。ただ、モデル完成で全体の期間中半分くらいでしたね...ここから先がとても長かった...

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6.リギング工程

 リギング工程ではBlenderを使って行いました。リグ、100個以上あってそれぞれちゃんと配置しなければならないのでこれはとてもキツかったです...

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 なぜBlenderなのか、C4Dでも問題ないのではないか、ということについて説明しようとするとちょっと長い話になりますが、キーとなるのはソフト間での3Dモデル共有についての話です。最終的にモデルをPMXで出力するためには、BlenderのMMD_toolというアドオンを使うのが最適なので、一度はBlenderにモデルを共有しなければならないんですね。で、例えばC4DでリギングしてBlenderに持っていくとすると、どっちが悪いかは分からないんですが、リギングしたボーンがバグってしまうんです。ということで、今の状態(モデルとマテリアルと位置設定がされた状態)でC4DからBlenderにモデルを移行して、Blenderでリギングしました。ちなみにここで共有した拡張子は、.daeファイルです。fbxだとマテリアルが引き継がれませんでいた。.daeってあまり聞かないんですけど、けっこう有能だということが分かりましたね...

7.PMX化工程

 PMX化工程では、前述のとおりBlenderのMMD_toolを使用しました。ここでやるのは、モデルやテクスチャやボーンを日本語ネームにリネームしたり、MMD_toolを使ってMMD用のマテリアル設定(詳しい設定はPMXEでやりたかったのでテクスチャパスだけ通しました)、MMD用のフォルダ設定をしたり、という感じです。マテリアルの数も100越えているので、この設定は脳死で延々とやってましたね...とりあえずこの時点で普通にMMDでも使えるモデルが作れました。ここからセットアップです。

8.セットアップ工程

 セットアップ工程では、セットアップ班の協力もあって、BlenderとPMXEを使って行いました。ここでやったことは、・モーフの追加 ・材質の調整 ・コメントの追加 などです。この工程についてはMMD静画班の方々にいろいろとアドバイスをもらいながら進めました。たとえば窓に夕焼けモーフが欲しいとか、扉のモーフはあったほうがいいとか...
 ここもいろいろあったんですが、一番苦労したのは材質の設定ですね。実はMMDの材質はけっこうガバガバらしくて、試行錯誤の挙句、あのような値になりました。

9.公開

 この工程では、Readmeとか公開動画の工程です。Readmeをちゃんと整備したり、公開動画を作ったり...公開動画の方はなかなかの超大作なのでけっこう時間かかってしまいましたが、ホントに名作だと思っています...
ということで、無事公開までたどり着きました...!

10.小ネタの話

ここではTwitterで流した小ネタをまとめておきます。
小ネタ①
小ネタ②
小ネタ③
小ネタ④
小ネタ⑤
こっちにもいろいろ書いてあるので良かったら読んでみてくださいね!

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