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AG03を使った歌ってみた実例【音源あり】
皆様ごきげんよう。
今日は久々に歌ってみたのミックスをやったので何を使ったかとか紹介してみるよ。
VTuber準備中の碧乃てぃあちゃん!
↓↓
ショート動画用のいわゆるワンコーラスなので、自分でミックスやってみたいなって人もぜひ参考にして挑戦してみてね。
【追記】
録り直し前
みっくす前
みっくす後でそれぞれ音声を用意してみました!
いきなりどんと音が出るので注意です。
レコーディング
ショート用ワンコーラスなんだけど音源を聴いて一度録り直してます。
マイクは距離が近くなるほど低音が膨らむのでマイクとの距離感は重要です。
録音はご本人の機材でとっています。AG03とAKG C214という定番の組み合わせ。
音がだいぶ軽くなる組み合わせですね。AGのプリアンプは特に低音が録れない傾向にあるので、音抜けはよくなるものの潰すと安っぽい音質になってしまうのが辛いところ。
フロアノイズに関してはダイレクトレコーディングにしてゲインをしっかり上げてできるだけ抑えています。
音を大きくします
おおきくします。音が小さかったのでDAWのプリフェーダーで大きくしときます。
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本当はしっかり大きい音でとれるのが理想ですが、きちんとしたメーターがないインターフェイスだとなかなか難しいです。
クリッピングよりましと割り切っていくしかありません。慣れてる方ならDAWの録音トラックのメーターを見ながらゲインを上げてくといいでしょう。
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音をきれいにしよう!
RXが一生8のままで止まっているのでwavesのClarity VXを使いました。
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いつのまにかECOモードみたいなのがついてたんだけど配信用の軽いモードなのかな?
モード1で取っていきました。Clarity vxはとても優秀ですが音瘦せする感じは否めないのでおまじない程度です。
ノイズ類は基本録りの段階でしっかりクリアにとっておくのがよいです。
Clarity上位やRX Advancedを買うくらいならまずはきちんとしたプリアンプと環境にあったマイクを選ぶのが先だとは思います。
特にプリアンプね!マイクだけで考える人も多いけれど、マイクプリの方が遥かに大事です。dbxのやすいやつを繋ぐだけでもだいぶ変わります。
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ぶっちゃけて言ってしまうと歌のうまい下手でめちゃ作業量が変わってしまうところです。現実は非情である。。
最近のDAWのストレッチツールは非常に良いのでお使いのDAWでそのままやっていっていいでしょう。
Melodyneなんかでピッチと並行しながらやってく人もいるみたいです。私はDAWの方がやりやすいのでこっちでやってます。
ちなみに音を伸ばしたり縮めたりするとピッチやサンプルレートが変わります。そこをうまいこと変化を抑えてくれるモードがDAWには載っているはずですが、複数種類あるDAWもあるのでなんか変だな?と思ったら調べてみよう。
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ピッチの補正
うまい下手で作業量の変わってしまうPart2
一部のDAWにはピッチ補正機能が搭載されているらしいですが、基本は有償プラグインがないとお話になりません!なんてことだ、、
MelodyneやAuto tuneが有名です。とくにオフライン補正(リアルタイムではないもの。リアルタイムの補正はオンラインといいます。ややこしい)はCelemonyのMelodyneが一番ユーザーが多いと思います。
私はMelodyneも持っていますが今回はwavesのTuneを使いました。Melodyneは細かい補正が非常にやりやすい、というか細かい作業ができすぎるので、私の場合なかなか作業が決めきれないことが多いです。
あまりにも詰めすぎた結果どうしても直らなくなってしまったグリッヂがでてしまうことも。。
ガチガチにパーフェクトピッチにするんだとなるとMelodyneが欲しいですが、wavesのTuneは割とざっくりした操作感で、判断が非常にしていきやすいのでおすすめです。安いしね。
弱点はUIがめちゃ古いということです。Windows XPか?みたいなみため。VST3もないのでウィンドウのサイズ変更もできない(GUIスケールを110,120%..と変えていくタイプ)
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どうしようもないくらいピッチが合わないんだという人はMelodyneの出番です。
今回はてぃあちゃんのお歌が上手だったので、タイミング、ピッチともにわずかな補正で済みました。
コンプ、EQ、もろもろ
まずはコンプで軽くたたきます。ただ最初の波形を見てもらえればわかるように割ときれいにそろっています。
SonibleのSmart compを使っていますが、AI機能というよりはシンプルに見やすいのでいつも使ってます。
色んなプラグインを使ってますが、単に私が使い慣れてるとかそういう感じなのでこれを使わないといけないんだ!みたいなことはないです。正直最近はDAWの付属でOK.
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プリフェーダーでは音量を稼ぎきれなかったのでここのアウトプットで持ち上げています。
コンプ自体はゆるく全体的につぶしています。
コンプってなに!という人はぜひ過去の記事をみてみてね。
Neve 1073のプラグインを入れています。正直この手のアナログ系プラグインはあまり好きではないです。がどうしても欲しい低音側がEQだとどうにもならなかったので入れてみています。
Neveらしく中低音のニュアンスに変化が出ます。が実機のAMS NEVEとかを使ったときみたいなうぉっ!という感じはしません。言いたいことはわかる、みたいな感じ。
個人的にEQは低音側のほうが位相差の影響を受けやすく感じます。特にブースト方向に動かす時に思ったような感じにならないことが多いです。
単に私が下手くそという部分が大きそうですが、そういう時にこういうキャラクター付けができる実機やプラグインがあると便利です。
今回は乗船中で実機が使えないのでプラグインだけでやってます。
たださっきも言った通りこういう実機系のプラグインは好きではないので、極力使いたくないなぁという個人的な感じはあります。
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EQはこちらも見やすさと操作性でClaroを使っています。
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オケがかなりパンパンなので高音域を少し持ち上げています。AKGのマイクは高音が歪みっぽく、特に女性ボーカルはレゾナンスが出やすい気がするので気になるところだけを少し削っています。
空間に余裕があるときや、オケの重心が低いときは歪みを使って上を丸めることも多いです。ディストーション系で丸めるのか、テープ系でテープスピードを変えて調整するのか、ビットクラッシャーでハイを立たせてからLPFでまるめるのか。。このあたりは好みにもよると思いますのでいろいろ試してみてもいいかもしれません。
低音は結構悩みました。単体でほしい部分とオケとの混ざり具合でほしいところといらないところを慎重に判断して足し引きしています。もともと低音があまり拾えてないところに、音量を稼ごうとマイクに近づいて接近効果で特定の帯域だけ増えてしまっているような感じがありましたので、気になる部分を削りました。
ローカットはたびたび論争の起こる部分ですが、個人的には必要があればやる派です。今回はノイズが少しあったのと、オケの音圧がアホほど高かったので極力ラウドネスを稼ぎたかったので音に影響が出ない範囲でやってみています。
オケの音圧に合わせるためにRVoxで雑に持ち上げています。ボーカル用のコンプで、簡単操作でみるみる音圧が上がっていきます。とても便利なプラグイン。リミッター系でもいいですが歪み感には注意です。
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そのあとにディエッサーを入れています。
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正直個人的にはあまり使いたくないプラグインの一つですが、どうしても気になる部分があるのでやむを得ずという感じ。
ここでがっつり削ろうというよりはおまじない程度にピークが当たるくらいです。
音を太くしてみる?
AG03とAKGマイクの組み合わせ、さらにてぃあちゃんがもともと高めの声というのも相まってかなり線の細い声になってしまっています。
ここでいわゆるセンタリングの解消をしていくのですが、センタリング問題に関してはみんなそれぞれ自分だけの秘密の方法を持っているかとは思います。
私がよくやるのはディメンションコーラスを使った方法です。オリジナルのディメンションコーラスはボタンを4つ押すだけのものなのですが、Overloudの再現したプラグインにはいろいろとつまみがついています。
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Dry Mixもあるのですが、私はDriveを0にしてから少しずつ上げていくということをやっています。
これによって中央の音の芯を残したまま輪郭が左右に広がっていくような音のつくり方をすることができます。
普通のコーラスだと音が揺れちゃうし、ダブラーを使うと左右の音量差が気になる、、という方は多いでしょうから、良かったら参考にしてみてください。
最後にリバーブとディレイを足します!
BitwigなのでFXトラックを作ってセンドで送ってますが、お使いのDAWでやりやすい方法でやってみてください。
ちなみにリバーブはオケに負けない存在感を出したかったのでRaumでいっています。
Delayは音が左右に広がるピンポンディレイです。正直ディレイはなくてもよかったかもしれません。
オケの方をいじってみる
実はオケの方を今回結構いじっています。
そのままだとかなりパンパンでボーカルの入る隙がなかったので、まずキックを前に出すために雑にSubsynthを入れています。レゾナンスで低域を補正するタイプなので、2mixに入れても狙った帯域を鋭く持ち上げれます。アタック部分はかなりほかの音と混ざっているので50Hz以下のかなり低い部分を持ち上げています。
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そのあとダイナミックEQを使用しています。(サイドチェインといって、別のトラックから信号を持ってきたものをThreshouldにかけるので、ボーカルが一定の音量を超えたらEQが作動するようなイメージ)ボーカルと合わせて全体的なバランスがとれるようにしていきます。
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マスター編
マスターは超シンプルです!私は普段God Particleをよく使うのですが、今回はとにかくハイを抑えたい!ということでバスコンプ系プラグインを引っ張り出してきました。
PulserのMuとPAのShadowhillsです(1年以上ぶりに使ったかも)どちらも絶妙に高音が丸くなってよさそうだったのですが、低音がより好みになったShadowhillsを採用しています。
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ところでShadowhillsプラグインのトランス変更って実機もこんな感じなんでしょうか?Mono-Gamaを使った時は「別物やん!!」ってなってましたが。。
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普段は打ち込みで曲を作ってることもあり、"音の質感が揃わない"ことはまずないのですが、こういう録音物が混ざってくるとこういったプラグインやアナログ出しは有効になってくる感じがします。
ショート用ということもありここでがっつり追い込むよりは、Smart Limitを使ってサクッと仕上げました。
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どうでしたでしょうか!かかった時間は全工程入れて2時間ほど!
歌がほんとに上手で修正にあまり時間がかからなかったことと、シンプルに音を作って出すだけなので短時間で仕上がりました。(色んなエフェクトや演出がでてくるとオートメーションを書いたり時間がかかる)
今回使ったプラグインでなくともDAW標準のものでも十分このくらいのサウンドに仕上げることはできると思います。
プラグインというのは道具、工具です。大事なのは何を使うのではなく、何に使うのか、どういう癖があるのか普段から触って知っておくことだと思います。
番外編
音の良し悪しや細かい部分を判断するためにモニター環境を整えることは重要です。
今回は乗船中なのでコンパクトなモバイル環境でやっていて、出力専用のDAC(micro iDSD signature)を持ち込んでいます。
スピーカーなんてもちろん持ち込めないし、ヘッドホンも1つに絞らざるを得なかったのでOLLO AudioのS5Xを持ち込んでいます。
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低音がやや見えにくいヘッドホンですが、中域の解像度は高く音のリリースが非常によく見えるのでボーカルのミックスにはうってつけのヘッドホンです。
あとはリスニング用のイヤホンやワイヤレスイヤホンでも確認しています。
割ととりとめのない記事になってしまいました!割とザックリ解説だったので初心者の方には特に「?」ってなっちゃう話だったかもしれませんが、大まかな流れを知っていただけたら嬉しいです!
私は歌ってみたをとるなら、依頼を出すにしろ別でぜひ自分でもミックスをやってみてほしいと思っています。
歌がうまいというのと録音がうまいのはまた別の話で、たまに魔法のような技術を持つ人はいますが基本歌ってみたの音質的なクオリティは録音した音で9割決まります。
自分でミックス作業をしてみることで、最終的にうまくいくいかないは別として色々見えてくる部分があると思います。
ミックス依頼、再開しました!
ショート3000円、フル5000円 paypay払いのみにて歌ってみたミックス依頼を再開いたしました。
あくまで作曲メインなので、安くしてじゃんじゃかうけるぜ~というスタンスではないですが、おかねはだせないんだけど相談だけ、、みたいな連絡は大丈夫です。
ただしハモリ生成だけはめんどくさいうえになかなか自然にならないので追加オプションでおねがいします。
ゆくゆくはセルフでやってみたいんだけどという人も多いでしょうから、自分でやってみたファイルもつけるから合わせてアドバイスも欲しい!みたいなのも大丈夫なのでお気軽にご連絡ください。
LLSY music