数週間前に「星の牧場」フランス語版販売のご相談を、庄野英二さんの孫娘である小林由佳理さんよりいただきました。
恥ずかしながら、数々の児童文学賞を受賞したこの名作を読んだことがなかったので、早速図書館で借りて文庫本を読み始めました。戦争で南国へ送られるモミイチ、愛馬ツキスミとの別れ、記憶をなくしての帰還、牧場での日常、蘇る記憶の断片を美しい日本の里山の自然描写とともに伝えていくお話にすっかり魅了されてしまいました。ジプシーたちとの交流、演奏、テキストの中に音が潜在し、オーケストラの聴いているような体験でした。モディアノの記憶の芸術、星の王子さまの哲学をまぜ合わせたような児童文学に心を奪われました。
「多くのフランス人の目に留まるとよいのですが…」と庄野英二さんの娘、小林晴子さんが友人でもある共著のマーシャさんと長年温めてきたフランス語訳の夢。ただ販売するだけではもったいないので、書面にてフランス語訳に至った経緯など、小林晴子さんにいろいろお話を伺うことができたので、まとめてみました。
Q : フランス語翻訳にいたった契機
Q:翻訳にあたり一番苦労した箇所はありましたか?
Q:お父様との思い出
Q:お気に入りのシーン
Q:フランス語刊行後のフランスでの読者さまの反応
美しいフランス語に訳されたファンタジー溢れる不朽の名作「La pâturage aux étoiles」を、多彩な挿絵と共にぜひお楽しみください。