見出し画像

映画「牛久」、入管施設の実態を証言

 法務省の外局である出入国在留管理庁が運用する施設には、在留資格が期限切れとなったが何らかの事情で帰国できない外国人、難民認定を申請中の難民などが多数収容されています。東日本入国管理センター(茨城県牛久市)、大村入国管理センター(長崎県大村市)、いくつかの地方入管局・支局がいわゆる入管施設です。

 2月26日から公開される映画「牛久」(トーマス・アッシュ監督)は東日本入国管理センターに収容されている人びとが語る言葉を記録した作品です。当事者の了解を得て、「隠し撮り」の方法で記録された貴重な映像です。

 施設への収容は身体の自由を規制する行為であるのに、裁判所による審査もなされていません。また収容期間の上限などの規定もなく、多くの人びとが長期間にわたって収容されているという実態があります。収容期間が3年以上という方もいます。こうした問題点について国連の専門機関からも改善を求める勧告が出されています。

 昨年、名古屋入管局に収容されていたウィシュマ・サンダマリさん(スリランカ人、女性)が病死した事件がマスメディアでも報道されました。入管職員の不当、違法な対応が疑われる事案です。入管施設には収容の長期化にともなって心身の健康を悪化させる人びとが数多くいます。しかし体調不良を訴えてもそのまま放置されるなど、必要な医療をなかなか受けられないという実態が報告されています。全国の入管施設ではこの20年間で10人以上の収容者が病死しているとのことです。

 また入管職員による虐待の被害を訴えている方、非人道的な処遇に抗議してハンストを実行する方もいます。

映画「牛久」公式サイト

映画『牛久』は、入管収容所の過酷な実態を映し出す衝撃のドキュメンタリー Pen-online


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?