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多民族共生社会への希望、ミャンマーの今

 人類の歴史上、多数派の民族、政治的支配権を握った民族はしばしばその他の民族を差別し抑圧してきました。
 例えば、南アフリカ共和国では長期間に渡ってアパルトヘイトと呼ばれる人種差別政策が行われていました。黒人は国民として認められず、不毛な土地に居住させられていました。そして、抗議する人びとには苛酷な弾圧が加えられていました。現在も、中国は多数のウイグル人を強制収容所に拘禁し、民族文化を破壊しようとしています。国内のクルド人への差別政策を続けてきたトルコは最近もクルド人系の政党を弾圧しています。

 ミャンマーは人口の7割がビルマ人ですが、100以上の少数民族が暮らしています。少数民族のひとつであるロヒンギャの人びとはビルマ人、軍事政権から長らく差別的扱いを受け、現在も多くの難民が隣国バングラデシュで暮らしています。

 しかし今、ビルマ人の中から、これまでのロヒンギャに対する偏見・差別を反省したり、謝罪する動きが出ています。自らの歪んだ認識に気づき、それを正すことができるのは人間の理性のすぐれたはたらきです。

 ミャンマー連邦議会代表委員会(CRPH、国民民主連盟の国会議員などで構成される臨時政府)は3月31日に、軍事政権下で制定された現行憲法の廃止を宣言して、それに代わる「連邦民主憲章」を発表しました。憲章には、すべての民族に平等と自治権を保障する連邦国家をつくると示されています。

 いずれミャンマーが多民族共生の平和な社会になることを私も願っています。そこに至るには人びとは長く困難な道のりを歩むことになるでしょう。人びとの歩みをこれからも見守っていきたいと思います。

 南アフリカ共和国の現在の国歌は五つの言語をつないだ歌詞で歌われています。コサ語、ズールー語、ソト語、アフリカーンス語、英語です。人種・民族の和解と共生を意図してのことだと思います。
 映画「インビクタス 負けざる者たち」(クリント・イーストウッド監督)。こちらも、ラグビーを通じて和解を図ろうとする人びとの努力を力強く描いています。

南アフリカ共和国国歌(動画、歌詞日本語字幕)
https://www.youtube.com/watch?v=Jfy9d57eugo

映画「インビクタス 負けざる者たち」 映画.com
https://eiga.com/movie/54387/

We shall overcome.
The truth will make us free.
We'll walk hand in hand some day.

#Save Myanmar #Reject The Military


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