プロテストソング(抵抗歌)をいくつか(その1)

 COVID-19の流行によって、みんなで歌うことがむずかしくなっています。けれども、歌うことを忘れたくはないものです。人びとが自由、平和、生存、抵抗のために歌ってきた曲(プロテストソング、抵抗歌など)のいくつかをご紹介します。

 プロテスト・ソングといえば、まず思い浮かぶのは、「We shall overcome」(「勝利を我らに」)です。さまざまな社会運動、特に合衆国での公民権運動(黒人解放運動)の中でしばしば歌われました。平易な歌詞ですが、歌っていると困難を乗り越える勇気が湧いてきます。ジョーン・バエズ(Joan Baez)と一緒に歌いたくなります。「私たちはきっと(困難に)打ち勝つだろう。真理は私たちを自由にするだろう。私たちはいつの日か手をとりあって歩くだろう。私は心の奥深くで信じている」と歌っています。

「We shall overcome」


 日本のプロテストソングで私が好きな曲は「友よ」(岡林信康作詞・作曲)です。人間的連帯と希望を力強く歌っています。

「友よ」


 1960年代以降、中南米では社会変革運動と結びついた歌・音楽(ヌエバ・カンシオン、「新しい歌」)が盛んになりました。チリでは選挙によって人民連合政府(アジェンデ政権)が樹立されましたが、1973年9月11日、軍事クーデターによって踏みにじられました。その頃、チリの人びとがよく歌っていたのが「ベンセレモス」と「不屈の民」でした。「ベンセレモス」(日本語版)は「祖国の大地深く 叫びが湧きおこる 鎖を断ち切ろう 苦しみを乗り越えよう」と歌っています。「不屈の民」は「団結した人びとは決して負けない 立て、歌え、勝利の日を」と歌っています。

「ベンセレモス」


「ベンセレモス」(日本語版)


「不屈の民」



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