戦禍で亡くなった人びとを歌う、「さとうきび畑」と「鶴」

 1945年3月から6月にかけて沖縄本島は戦場となりました。戦闘に巻き込まれた住民が多数亡くなりました。「集団自決」へと追い込まれた人びともたくさんいました。隠れていた洞穴から日本兵によって追い出されたり、泣き声をあげる子どもが殺害されるという悲劇もありました。米軍を少しでも足止めさせるという作戦が住民の犠牲を増やすことになりました。

「さとうきび畑」(作詞・作曲:寺島尚彦)
 夏のさとうきび畑を吹きわたる風の音。生まれてくる前に沖縄戦で亡くなった父親を思う子どもの悲しみを歌っています。

「さとうきび畑」(歌:森山良子)


「鶴」(作詞:ラスール・ガムザートフ、作曲:ヤン・フレンケリ)
 異国の戦場で亡くなった兵士たちが白い鶴となって故郷に帰ってくる光景を歌っています。作詞者のガムザートフは旧ソ連ダゲスタン共和国(コーカサス地方)の詩人。被爆地である広島を訪れたときの体験から書かれた作品だということです。

「鶴(ロシア語版)」(歌:ディミトリー・ホロストフスキー)


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