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図書館は休館しないでほしい

 日本図書館協会は1954年に「図書館の自由に関する宣言」を採択しました。その冒頭において「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする」と述べられています。
 図書館で本を読むことには、事実を知る、思想や意見を知る、社会の一員としての意思決定に必要な情報を得る、文学作品を読む、学習・研究・仕事などに必要な資料を見つけるなどの意義があります。

 図書館は現代社会の中で意外なしかも貴重な役割も果たしています。
 図書館はホームレスの人びとにとって昼間の居場所のひとつになっています。また、福祉、医療、就労など生存にかかわる情報を得られる場所としても重要です。映画「パブリック 図書館の奇跡」(エミリオ・エステベス監督、2018年)では、真冬の寒波襲来の日にホームレスの人びとが臨時の宿泊場所として使わせてほしいと図書館にやってきます。

「パブリック 図書館の奇跡」 映画.com
https://eiga.com/movie/92506/

 図書館はそれぞれの事情で学校に行っていない子どもたちの居場所にもなります。鎌倉市の公立図書館が2015年の夏、「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」とネットに投稿したことが話題になりました。

「自殺を考えるほど悩んだら、学校休んでいらっしゃい」ツイートした鎌倉市図書館が、今伝えたいこと  ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/2017/05/31/kamakura-library_n_16899476.html

 また、図書館で読書すると健康寿命が延びるという可能性が指摘されています。健康寿命が長い山梨県は人口に対する図書館の数の比率が高いということです。
「運動よりも読書で健康になる!?」 NHK
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20181029/index.html

 私が居住する自治体の公共図書館が、感染症の拡大防止を理由に休館しています。図書館の利用者は基本的に館内ではほとんど会話もしないで過ごしているのですが。どのような客観的合理的根拠があって休館とするのかよくわかりません。休日には図書館に出かけることが多い私にとっては「本を読みたい。図書館を開けてほしい」というのが本音のところです。

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