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ピティナ特級2022の思い出を語る

(トップ画像提供:ピティナ)

こんにちは。ピティナ特級公式レポーターのカイネ♪あのんです。
白熱したピティナ特級2022も8月17日ファイナルをもち無事終了いたしました。ということで、私の特級公式レポーターとしての投稿もあとわずかということで、個人的な感想となりますが、ピティナ特級2022を振り返ってみたいと思います。

1.心に残った曲たち


どの曲ももちろん感動的だったのですが、それでも無理やりに各ラウンドで特に心に残った曲を1曲ずつ書いてみたいと思います。

☆2次で心に残った曲☆

リスト:巡礼の年第2年「イタリア」 S.161 より 「ダンテを読んで -ソナタ風幻想曲-」

千葉 まりんさん、平間 今日志郎さん、森永 冬香さんの3名が演奏されました。
この曲を以前にも何度か聴いたことはあったのですが、私の中では捉えどころのないイメージでした。しかしインタビューで皆さんの曲の解説をお聴きし、その後実際演奏された曲を聴いたところ完全に圧倒されました。今でもきちんと理解できているとは思えませんが、この曲の壮大さと世界観が心に強く残りました。


☆3次で心に残った曲☆


ラヴェル:ピアノ協奏曲より第1、3楽章

笠井 萌さん、鶴原 壮一郎さん、藤澤 亜里紗さんの3名が演奏されました。
とても驚いたのが、演奏者によってこんなに曲の雰囲気が違うものなのか、ということです。もちろんどなたも違った魅力に溢れた素敵な演奏だったのは言うまでもありません。この曲を2台ピアノで聴くのは初めてでしたが、ピアノと伴奏、各々のメロディの美しさや繊細さ、お互いのやり取りなどをじっくりと聴くことができ、この曲がさらに好きになりました。


☆セミファイナルで心に残った曲☆


ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 「テンペスト」

北村 明日人さん、森永 冬香さん
の2名が演奏されました。
お二人の演奏が全く違ったのが印象的でしたが、お二人とも純粋で敬虔な雰囲気が立ち上っていたのは同じでした。そしてじっくりお聴きした後は、まさに嵐が過ぎ去り清々しい気持ちになったのを覚えています。「テンペスト」の魅力をさらに教えていただきました。

 ☆ファイナルは〜全部! 決められません。感動でした。

2.心に残った言葉たち

2次予選後のインタビューを拝見していて
心に残った言葉を挙げたいと思います。

①ピティナ特級は自分の成長の場


課題曲目、セミファイナルのための約1時間のプログラムづくり、新曲課題、協奏曲と、ピティナ特級のために曲を準備し練習をすることが、自分の成長につながると話している方が多かったのが印象的でした。
<特級はたくさんのことを勉強できる良い機会>神宮司 悠翔さん
<曲の量だったり長さが違うので大変ですが頑張っています>井上 珠里亜さん

他の参加者の方との交流も大きな楽しみだったようです。
<ピティナの他の方の演奏に刺激をもらったり、直接お話しできる機会も刺激的。楽しみにしています>加古 彩子さん

将来の国際コンクールを見据えての試金石でもあります。
<たくさん曲を演奏できること、ネット配信されること、新曲を演奏できることなど、国際コンクールと同様なことが実施されるので、勉強になるし精神面でも鍛えられると思います>細川 萌絵さん
<ピティナの特級は用意するプログラムも多くて練習になるので、今後国際コンクールを目指す上でとてもいい経験になると思います>松口 理子さん

②お客様に曲や作曲家のよさを伝えたい


自分の音楽や、好きな曲、作曲家をお客様に伝えたい、良さを分かっていただけるようにしたい、純粋に楽しんでいただきたい。そんな演奏をすることや演奏家になることを目指しているという言葉をよくお聞きしました。
聴いている人に伝えることを大切に考えてくださっている方が多かったのが、1ファンとしてもとても嬉しいことでした。
シューマンの魅力を語っていた今井 梨緒さん、タネーエフを紹介してくださった吉原 佳奈さん、ベートーヴェン推しの鈴木 愛美さん、
<(お客様には)演奏会のように楽しんでほしいから、あまり硬くならないようにバランスを考えて選曲しました>草間 紀和さん

3.心に残った指揮者合わせリハーサル

今回様々な貴重な体験をしましたが、中でも心に残ったのが、ファイナリストの皆さんが飯森範親マエストロと行った、指揮者合わせリハーサルを見学、取材させていただいたことでした。
ヤマハ銀座店の練習室でのグランドピアノ2台によるコンチェルトの演奏。真剣な眼差しで見守り、声をかける飯森マエストロ。最初は緊張していたファイナリストの皆さんも、優しく熱いアドバイスを送る飯森マエストロとのリハーサルが進む打ち次第にリラックス、最後にはファイナルに向け、良い演奏をしようという意欲に満ち溢れていました。
音楽家同士がコンクールという名の「演奏会」のために綿密に意見を交わし応じ合う。共に一つの作品を作り上げていく。それは厳しくも充実した、とても素晴らしい時間でした。本来なら見られない場面に居合わせることができた幸運は忘れられません。もちろん私は空気に徹しました。

YAMAHA銀座店のスタジオ

4.最後に


今回の主役はもちろん出場された皆さんですが、彼らを支える方々が数多くいらっしゃることを改めて知りました。
マエストロや東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の皆さん、指導されている先生や伴奏者の方、譜めくりの方、調律の方、ホールやスタジオの方、司会、アナウンス、照明や音響の方、そのほかにも家族や学校、同門、教室の仲間、そして運営を担うピティナの方。皆さんはコンテスタンツがピアニストとして音楽家として成長し、活躍していくことを願っているのだなと感じました。愛と節度ある支えによって。
音楽家は1人であっても1人ではないのですね。

私は一人のただの音楽ファンにすぎませんが、
実はここしばらく気になっていたことがありました。それは一言で言うなら乖離です。
クラシック音楽という知識と経験が必要な世界での専門家と聴衆。若い音楽家とバラエティ溢れる聴衆。音楽家ファーストという考えとお客様ファーストという考え。
ファンの立場として、理想的な有り様などと大きなことをいうつもりはないですし、もちろん正解があるかはわからないのですが、今回の公式レポーターとしての活動を通して強く思ったのは、この言葉です。
愛と節度
まだまだ私などはファン道も未熟ではありますが、この言葉を特に自分自身を戒める意味でも、大切にしたいと考えています。

約1ヶ月、私にとっても熱く、忘れられない夏となりました。
感動をくださった若い皆さん、ピティナさん、そして拙記事を読んでくださった皆さんへ最大の感謝を伝えたいと思います。

本当に、ありがとうございました!

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