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務川慧悟氏 演奏会記録2024年4月ー6月




🎹4月


(1)3日 Keigo Mukawa Piano Recital

▪️会場:Haags PianoHuis
▪️開演:20:00

🎵J.S. バッハ:フランス組曲第5番ト長調 BWV 816
🎵西村 朗:星の鏡
🎵ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
🎵ラヴェル:?


⑵5日 Pianorecital Keigo Mukawa: Bach, Chopin en Ravel

▪️会場:Het Concertgebouw kleine Saale(オランダ )★・コンセルトヘボウ・デビュー!★
▪️開演:20:15ー22:25

🎵J.S. バッハ:フランス組曲第5番ト長調 BWV 816
🎵早坂文雄:室内のためのピアノ小品集
🎵ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
🎵J. S. バッハ(ブゾーニ編曲):シャコンヌ
🎵ラヴェル:ソナチネ 嬰へ短調M.40
🎵ラヴェル:鏡 第4曲「道化師の朝の歌」ニ短調
🎵ラヴェル:クープランの墓



☆4月2日から5泊6日のオランダ滞在、コンセルトヘボウ・デビューという大きなコンサートの達成の他、美術館や街歩きなどを楽しまれたご様子ですね。


⑶13日(土)務川慧悟 ピアノ・リサイタル


▪️会場:八ヶ岳高原音楽堂(長野)
▪️開演:15:00(14:30 開場 )

🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV 812
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV 813
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV 814
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV 815
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV 816
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV 817
🎵(EC)J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ


☆当日トーク

バッハのみの演奏会は僕の長年の夢で、高校生くらいからずっとやってみたいと思ってきました。今回ようやく人生初のバッハを中心とする演奏会をこうして実現できました。
今回演奏する「フランス組曲」はバッハの中でも音数はそれほど多くないのですが、全部で6曲80分とプログラム的にもとても良いと感じています。ただバッハの曲は現代ピアノが存在しない時代の曲なので、8オクターブのうち5オクターブしか使っておらず、現代ピアノの性能を100%使っていないとはいえますが。

演奏家を表す表現にいわゆる〈〇〇弾き〉という言い方がありますが、僕は昔からバッハが好きで、最初は〈バッハ弾き〉と呼ばれたかったのです。
ライプツィヒで開催されるヨハン・セバスティアン・バッハ国際コンクールというコンクールがあります。2014年に友人の岡本誠司くんがヴァイオリン部門でアジア人として初めて優勝した国際コンクールです。僕も年度は違うのですがピアノ部門に参加したことがありますが予選落ちしてしまい、その時くじけて一旦バッハから距離を置いてしまいました(笑)。
その後数年前からパリ高等音楽院の古楽器科で学ぶようになり、チェンバロを演奏したり、バッハについての論文を読む機会が増えました。その時読んだ論文は演奏のどこかに残っていると思います。

バッハの音楽は「厳格で厳しい」とか「頭を使っている」というイメージを持たれることが多いと思うのですが、場合によっては大きな間違いです。
バッハの音楽はジャンルで言えば、〈宗教〉〈ヴィルトゥオーゾ〉〈対位法〉〈フーガ〉〈ダンス〉などに分類できます。
当時はバロックダンスの組曲が非常に栄えていて、バッハはフランスを生涯訪れたことはないのに憧れていたフランス風の舞曲を作りました。その頃のフランスはルイ14世などの時代であり、宮廷で演奏される舞曲は最先端でした。舞曲に合わせ実際に人々が踊っていたのですから、曲はより自由であってよかったわけです。バッハの中でも〈舞曲〉は、最も自由な作品群と言えると思いますし、僕はラヴェルやショパンより自由な印象を受けます。

今回のプログラムについては結構前から準備してきました。それこそ3月はバッハで起きてずっとバッハを弾いて寝るという日々。しかしそれは決して
厳粛な雰囲気ではなく、喜びにあふれる日々でした。バッハを沢山弾いているのが何よりも喜びでしたし、今後もずっと弾いていきたいと思います。

さて今回前半は短調3曲、後半で長調3曲を演奏します。曲については話そうと思えばいくらでも話せるのですが、全体の構造としてはドイツ風のアルマンド、フランスあるいはイタリア風のクーランド、スペイン風のサラバンド、その後はメヌエット、ガボット、フランス風舞曲であるルールなどが続き、フランスあるいはイタリア風のジーグで最後締めるという感じです。
バッハがフランスに大きな影響を受けていたと先ほど述べましたが、バロック時代の音楽は楽譜に書いてあった音価通りではなく、ジャズのようにちょっとした〈ズレ〉を楽しむ文化でした。音楽やリズムは意外と規則にしばられず、自由な時代だったのです。

務川慧悟さんのトークより 2024年4月13日八ヶ岳高原音楽堂



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☆こぼれ話ですが……

八ヶ岳高原に向かう電車の車窓から、田畑の間に可ピンクと赤の花弁が可憐な花桃の木が多く見られました。
この日の務川さんの胸元チーフは薄桃のようなラベンダーと赤の2色。花桃を思い出し、高原の春にいかにもふさわしい色だと感じました。

サイン会での務川さん。胸元チーフに注目


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⑷14日(日)「題名のない音楽会」公開収録


▪️会場:東京オペラシティ
▪️開演:15:00(14:30 開場 )
▪️共演:反田恭平(Pf)、小林愛実(Pf)
▪️放映:2024年6月29日(土)30日(日)にテレビ朝日系にて

🎵ブラームス:「ハイドンの主題による変奏曲」より



⑸18日(木)務川慧悟ピアノリサイタル(クローズド)第1夜

⑹19日(金)務川慧悟ピアノリサイタル(クローズド)第2夜

▪️会場:渋谷美竹サロン
▪️開演:19:00

🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV 812
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV 813
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV 814
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV 815
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV 816
🎵J.S.バッハ:フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV 817
🎵(EC)J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ


⑺20日(土) 『小さな声の向こうに』刊行記念 特別トークイベント 塩谷舞×務川慧悟

▪️会場:青山ブックセンター
▪️開演:14:00




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群像5月号(2024年4月6日発売)に務川さんのエッセイ「液体への羨望」が掲載されました。


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⑻27日(土)セントラル愛知交響楽団第203回定期演奏会《新しい音色》

▪️会場:愛知県芸術劇場 コンサートホール
▪️開演:14:30開演
▪️協演:角田鋼亮(指揮)セントラル愛知交響楽団

🎵ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (ピアノ編曲版)
🎵(ソリストEC)ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」第2楽章




🎹6月

⑹3日 パリ高等音楽院古楽器科公開卒業リサイタル


▪️会場:Conservatoire de Paris パリ音楽院


🎵ハイドン:ソナタ 第44番 ヘ長調 Hob.XVI:29 op.14-3
🎵モシェレス :新しい性格的大練習曲 Op.95-7「優しさ」
🎵シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D 958



☆会場に行かれたmio@FranceさんのXポストに詳しい様子が載っていました。mioさん、いつもありがとうございます💐


☆会場には阿部加奈子氏(指揮者)福間洸太朗氏(ピアニスト)も。


⑺14日(金)務川慧悟×ナターリア・ミルステイン 2台ピアノ

▪️会場:なら100年会館 中ホール
▪️開演:19:00開演(18:30 開場)
▪️共演:ナターリア・ミルステイン(ピアノ)

🎵ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」[1919年版](1st務川、2ndミルステイン)
🎵ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章(1stミルステイン、2nd務川)
🎵ストラヴィンスキー:「春の祭典」(1st務川、2ndミルステイン)
🎵(EC)チャイコフスキー:「くるみ割り人形」から〈金平糖の精の踊り〉(1st務川、2ndミルステイン)
🎵ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11より第2楽章(1stミルステイン、2nd務川)


⑻17日(月) 関係者向け発表会

▪️会場:スタインウェイ&サンズ東京(東京)
▪️共演:ナターリア・ミルステイン(ピアノ)


⑼18日(火) 芸劇リサイタル・シリーズ「VS」Vol.9 務川慧悟×ナターリア・ミルステイン


▪️会場:東京芸術劇場 コンサートホール(東京)
▪️開演:19:00 開演(ロビー開場18:00)
▪️共演:ナターリア・ミルステイン(ピアノ)

🎵ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」[1919年版](1st務川、2ndミルステイン)
🎵ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章(1stミルステイン、2nd務川)
🎵ストラヴィンスキー:「春の祭典」(1st務川、2ndミルステイン)
🎵(EC)チャイコフスキー:「くるみ割り人形」から〈金平糖の精の踊り〉(1st務川、2ndミルステイン)
🎵ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11より第2楽章(1stミルステイン、2nd務川)


⑽23日(日) 東京フィルハーモニー交響楽団 第1000回オーチャード定期演奏会

▪️会場:Bunkamura オーチャードホール(東京)
▪️開演:15:00 開演(開場14:30)
▪️協演:チョン・ミョンフン(指揮)、原田 節(オンド・マルトノ)東京フィルハーモニー交響楽団

🎵メシアン:トゥランガリーラ交響曲


⑾24日(月) 東京フィルハーモニー交響楽団 第1001回サントリーシリーズ

▪️会場:サントリー 大ホール(東京)
▪️開演:19:00 開演(開場18:15)
▪️協演:チョン・ミョンフン(指揮)、原田 節(オンド・マルトノ)東京フィルハーモニー交響楽団

🎵メシアン:トゥランガリーラ交響曲

⑿26日(水) 第162回東京オペラシティ定期シリーズ

▪️会場:東京オペラシティコンサートホール(東京)
▪️開演:19:00 開演(開場18:15)
▪️協演:チョン・ミョンフン(指揮)、原田 節(オンド・マルトノ)東京フィルハーモニー交響楽団)

🎵メシアン:トゥランガリーラ交響曲


(13)23日(日) 題名のない音楽会「月の光を名曲で感じる音楽会」(収録)

▪️会場:スタジオ
▪️共演:森谷真理(ソプラノ)
▪️放映日:2024年9月14日放映(再放送9月15日)

🎵ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」第1楽章
🎵G.フォーレ:「月の光」(歌詞)P.ヴェルレーヌ(訳詩)務川慧悟
🎵ドビュッシー:「月の光」





務川さんは長年通ったパリ高等音楽院のご卒業という大きな節目を迎えました。既にご活躍ではありますが、今後ますます楽しみです。そしてこの時期の国内公演は充実のラインナップ。オール・バッハのリサイタルからオール・ストラヴィンスキーの2台ピアノ、オーケストラとのメシアンと、曲も演奏形態も異なるというとても意欲的なプログラムで、ファンも大変楽しませていただきました。「題名のない音楽会」収録も2回あったということですね!
次の日本での公演は8月。務川さん初の全国ツアーが開催されます。熱い夏になりそうです。


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