![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136744710/rectangle_large_type_2_50d663747dc59fa925ffe5fb4f77e54d.jpeg?width=1200)
人生を変えた一本の映画
▽ 目次
1、私が映画に出会ったきっかけ
2、映画の紹介
3、登場人物と彼らの生き方
4、最後に
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83762434/picture_pc_3aa1a2b0f2bda70f07fc1e64e5c4257c.png)
あなたは、自分の人生を変える映画に出会ったことがありますか。
ある映画に触れ、「何度も観たくなる」「この主人公のように生きたい」「登場人物の誰かが自分と似ている」と強く感じたり。
私は、「自分の人生の地肉となる映画」をずっと探し求めてきました。
観た後に、日々のモチベーションとなるような素敵な映画です。
映画が常に新しく生み出される今。生涯において特別な映画に出会う確率は、1/00、1/1000。さらにもっと低い確率かもしれません。
大学一年の夏、私は素敵な人物に出会い、ある作品を紹介されました。
ここからは、私が一本の映画に出会ったきっかけ、その作品から学んだことについて力一杯書きたいと思います。
ここから先、《無断のスクリーンショット、無断転載、無駄転用》を固く禁じます。
人生を変える映画を探し求めている人は、この先もお楽しみください。
1、 私が映画に出会ったきっかけ
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83762401/picture_pc_ebe9332c2a40459cb13b37410ab956c0.png)
大学一年の夏、私は、素敵な人物と出会い、友達の関係になりました。
彼は、オーストラリアで生まれ育ち、母国語が英語の男性です。
来日した当時は、日本語をほとんど読み書きできませんでした。
彼は塾で講師のアルバイトをしながら長年浪人し、やっとの思いで国立大学の大学院(MBA課程)に合格したのです。
大学院に合格して遊ぶかと思いきや、入学してからも1日10時間以上の勉強を続けていました。
有名なエピソードとして、映画館で23時過ぎまで一緒に映画を観た後、
彼 「俺、終電まで渋谷のカフェで勉強するから先帰ってて良いよ。」
私 「え?今、23時過ぎなんだけど?。もう夜遅いし、帰って寝ようよ。」
彼 「不安なら、勉強するしかないよ。」
と返答が来ました。
なぜ、自由な時間と身を削ってまで、彼が死ぬほど努力するのか。
私は、ずっと疑問に思っていました。
ある日、私はこの疑問を彼にぶつけてみました。
私 「ねぇ。あなたは、どうしてそんなに頑張れるの?」
彼 「ある映画に出会って、人生が変わったからだよ。その映画は、ガタカ。」
ガタカ。
どんな映画だろうか……?
家に帰って、私はすぐにその映画を鑑賞しました。
2、 映画の紹介
映画 ガタカ
監督 アンドリュー・ニコル
出演 イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ他
制作 1997年(アメリカ合衆国)
〜あらすじ〜
そう遠くない未来。
この世界では、社会の階層が、生まれながらのDNAによって決まります。
残酷なことに、赤ちゃんは生まれてすぐに、推定寿命と死因を告げられます。
この社会では差別は、暗黙の了解で自由に職業選択することができません。
職業は、血液検査によって適性か?不適正か?で採用が決まります。
つまり、人物重視よりも、生まれつきのDNA重視。
「個人は生まれながらにして体力と能力の限界は決まっているから、努力しても仕方ない」という価値観です。
生まれた時から、誰かが決めたレールに従って生きなければならないのです。
この混沌化した世界で生まれた、ヴィンセントがこの物語の主人公です。
以下、物語の内容に一部触れます。
「神が曲げたものを誰が成し得ようか。自然は人間の挑戦を望んでいる。」
ウィラード・ゲイソン
3、 登場人物と彼らの生き方
① ビンセント・アントン (別名 ジェローム)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83813065/picture_pc_af9630eb94cf8af5824b1b4c9967864f.jpeg?width=1200)
この映画の主人公です。
彼は、生まれながらにして劣勢のDNAを抱え、推定寿命30歳、心臓病の発症率90%だと判明します。
幼少時から「社会の不適正」だと軽蔑されながら、生きていくことになります。
のちに生まれた弟と、一緒に時間を過ごすようになります。
ビンセント「血の契りを結ぶ年頃には弟との違いを痛感していた。その差は、決して縮まらないことを。僕らはよく、両親の目を盗んで度胸くらべをした。先に引き返すと負けだ。負けるのはいつも僕だ。体力で勝る弟が先にバテるはずがない。」
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83819080/picture_pc_4555414c1633151457cac692cd0c470a.jpeg?width=1200)
物心がついた時から、「僕は、普通の人と違う」ことを認識します。
ビンセントは、心臓病により体力にハンディキャップを抱えていました。
しかし、彼が将来に対して悲観することは一度もありませんでした。
ビンセント「星への愛情か。地球への憎しみからか。物心ついた頃から、宇宙飛行士を夢見ていた。」
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83866469/picture_pc_e59cf0822e9ef411f22d866f9cf828b7.jpeg)
大人になったビンセントは、宇宙飛行士を本気で目指すようになります。
しかし、親からは大反対されます。
両親「無理よ。お前の能力には限りがある。」
ビンセント「可能性がないわけではない。賭けてみる。」
周りになんと言われても、自分の心に従って、可能性を信じるビンセント。
「成功するかどうかを疑わずに、今の可能性だけを全力で信じることの大切さ」を学びました。
私は、彼の「失敗を恐れずに世界に飛び込む力」に圧倒されました。
彼は、基礎体力づくりと猛勉強の末に、ガタカの門を叩きます。
もし採用が決まれば、宇宙飛行士への道に一歩近づきます。
試験室のドアノブを触った手からDNAが採取され、「不適正」だと判明。
個人の意欲や努力は配慮されず、DNAだけで将来が勝手に決められます。
ビンセント「精一杯の強がりだ。どんなに努力しても、血液検査という壁が立ちはだかる。」
ビンセントは、この理不尽な環境に屈することなく、ガタカの清掃員として働くことを選びます。
本気で宇宙飛行士の夢を叶えたかったからこそ、憧れの地に身を置きました。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83866447/picture_pc_b673d9962d49704022f9460a68f6e05c.jpeg)
ビンセント「憧れ場所を訪れて初めて知った。叶わぬ夢だと。」
清掃員「ガラスは磨きすぎるな。目に毒だ。」
ビンセント「僕が向こうに行った時に見てほしくて。」
彼は、社会の圧力に屈することなく、自分の持った手札でできる最大のことを探して、前へ前へと進みます。
どんな環境にいても宇宙飛行士の夢を諦めなかった彼に、転機が訪れます。
彼の人生を変えるキーパーソンとなる、「ユージーン」と出会います。
自分の夢を叶えるためなら、どんな手段でも使おうと覚悟を決めます。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83866548/picture_pc_4ad7fac8453e14d63c0dc89573d75d36.jpeg?width=1200)
ビンセントは、ユージーンの協力を得て、もう一度ガタカの宇宙飛行士の採用試験に挑みます。
結果は、合格。
晴れて、宇宙飛行士になる未来が、遠くの空に光として見えて来ました。
しかし、彼の人生を左右する”ある事件”が起きます。
必死に努力してきたビンセントですが、この事件が起きたことにより、
「自分の夢は叶わない。ガタカから逃げよう。」
彼は、人生最大の挫折と絶望を味わいました。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83867686/picture_pc_ec3eee1ba031b14fc59a66d28d901a46.jpeg?width=1200)
ビンセント「変だな。ある場所から必死に逃げようとして、ついにチャンスが来た時に未練ができる。」
挫折した彼に、救いの手を差し伸べたのは、ユージーンでした。
ユージーンは、夢から逃げようとするビンセントを本気で怒ります。
怒る、という行為は、「あなたに変わってほしい」という期待と愛がなければ成立しません。
怒ったのは、宇宙を旅する夢を一緒に叶えたかったからです。
夢を諦めかけたビンセントですが、もう一度、わずかなチャンスを信じることにしました。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83868508/picture_pc_45b81df61a3d2a295bfa21c1f2fb9988.jpeg?width=1200)
なぜ、私がビンセントの生き方に強く励まされたのか。
それは、私の人生とビンセントと境遇がとても似ているからです。
ビンセント「僕も心臓に爆弾を抱えている。そしてもう長くはない。すでに寿命を過ぎている。何が不可能か、君には、分かるはずだ。欠点を探すのに必死で気づかなかったろ?こんな言葉は慰めにならないだろうが、可能なんだ。」
実は、私も、難病を抱えています。
私は、長生きできないことが分かっています。
医学が進んだ現代においても、骨髄移植をしない限り、この病気は完治しないと言われています。
主に貧血の症状があり、体力にハンディキャップがあります。
たとえば、仕事では1時間以上の立ち作業ができなかったり、プライベートでは、スポーツや登山などの激しく体を動かすような運動が制限されます。
職業を選ぶときにも、身体を動かすような仕事はできないので、選択肢が自動的に狭くなります。
「私は、普通の人と違う」ことを感じざるを得なかったです。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83883446/picture_pc_b4a480af3005a6d9fd0d2116c471b9ac.jpeg?width=1200)
ビンセント「なぜ邪魔をする?僕に何ができるか、決めつけるな。」
病気を抱えてていても、失敗を恐れずに、可能性を信じて進むビンセントは、私にとってのヒーローです。
病気がなければ、どんなに楽な人生を送れていたのかなと考える時があります。
欠点を探して、「できるはずない」と自身を納得させる道もあります。
しかし、
自分の欠点を、弱さと捉えるのか。強さと捉えるのか。
モチベーションの根源は、挫折や欠点から生まれるのではないでしょうか。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83883584/picture_pc_7fb4e59d7a9c4cf0edbeeb4002ce80bf.jpeg?width=1200)
弟「なぜだ?なんのために?もうすぐ反対側に着く。ふたりとも死ぬぞ。」
ビンセント「あの時と同じだ。戻ることは考えずに、全力で泳いだ。」
自分の弱さと向き合うことで、成長のチャンスを掴みます。
ビンセントは生まれつき病気を持っていて、世界に抑圧されたからこそ、反抗心でひたすら努力できたのかもしれません。
私は、生きるうえで大切なことをビンセントから学びました。
ビンセント「忘れないでくれ。僕は誰にも負けなかった。」
自分の欠点をバネにして、1日1日を必死で生きる。
たとえ、世界のレールからからはみ出した存在であっても、己の感性を信じて進むその先に、幸福が待っているのではないでしょうか。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83883796/picture_pc_8154345dc92471f7313c25e511cf836c.jpeg?width=1200)
アイリーン「あなたは何者?」
ビンセント「僕は、僕だ。」
世界でただ一人の、自分を信じて。
② ユージーン
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83883844/picture_pc_9ac23009d6a3c563312ed9ffdedcc3d3.jpeg?width=1200)
主人公の人生を変える、キーパーソンです。
生まれながらにして、常人とは逸脱した優れたDNAを持っています。
ビンセントは、ユージーンの生まれもった才能について次のように語ります。
ビンセント「ユージーンは、僕とは違う。不適正だと蔑まれたりはしない。適正者。遺伝子の申し子。その完璧さが、彼の重荷だった。」
水泳選手として活躍していましたが、故意の事故がきっかけで、現在は車椅子生活を送っています。
この事故は、彼の心の奥底にある「生きづらさ」を露呈したものだと、私は考えます。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83885500/picture_pc_d31b6f238c28fc5fbc5c5e68e96ca9b0.jpeg?width=1200)
ユージーン「色も分からないのか。銀だ。金メダルを取るべく生まれた。優れた能力がありながら、2位止まり。」
彼の悩みの根源は、「特別な何者かになれなかった、自分の存在を許せない」ことでした。
「金メダルでなくてはいけない」というプライドがあったからこそ、期待した結果を残せなかった自分に絶望していました。
やりたいことがなく、人生に失望する毎日。
そして、自殺の決行を図りました。
ユージーン「シラフだった。車の前に出たとき。完全にシラフで車の前に飛び出した。」
ユージーンは、お酒を飲んでいない状態で、自ら車の前に飛び出しました。
生きる希望を失った彼の前に現れたのは、夢を持ったビンセントでした。
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83887194/picture_pc_eee009f1cbc28334bbfad0d85d324703.jpeg?width=1200)
生きる意味が分からない彼にとって、目標に向かって努力し続けるビンセントは衝撃的な存在でした。
ユージーンは、ビンセントに生活を援助してもらうことを条件に、彼にDNAを提供する契約を交わしました。
自死を考えていたユージーンにも、生きる希望が少しずつ湧いてきました。
彼は、ビンセントに出会って、夢をもらいました。
それは、「宇宙へ旅に出る」ことです。
ビンセント「こっちこそ、感謝してる。身体を貸す代わりに夢をもらった。」
「死にたい、死にたい」と思っていたユージーンが夢を見て、「あともう少しだけ生きてみよう」と変わっていきます。
私は、ユージーンの生き方から学んだことがあります。
幸せは、才能,お金,優秀さでは決まりません。
ひたすら努力して、夢を叶えようともがく日々の中に、幸せが生まれているのかもしれません。
![画像18](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84097190/picture_pc_a772b81ffa37a1dbd58368a5342970a1.jpeg)
私は、ユージーンに触れるたびに、努力の素晴らしさを感じます。
ビンセント「どこへ行く?」
ユージーン「旅へ。」
ユージーンは、物語のラストで衝撃的な選択をします。
なぜ、彼がその選択肢を選ばなければならなかったのか。
それは、「生まれながらの能力によって差別されない、自由な世界に行くこと」を懇願したからだです。
焼却炉のなかで、銀メダルが金色に美しく輝きます。
彼は、希望に身を任せて、「ビンセントとともに宇宙へ行く」という選択をしたのだと思います。
③ アイリーン
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84085784/picture_pc_e2921f56507b203e8dd472406e076441.jpeg?width=1200)
ガタカで宇宙飛行士を目指す研究員。
彼女もビンセントと同様に、生まれながらに重い病気を抱えています。
アイリーン「私が旅できる惑星は、地球だけ。」
どんなに望んでも、DNAが劣勢であるがゆえに、宇宙へ行くことが出来ずに苦しんでいました。
生まれながらにDNAが優秀な同僚に対して、懐疑心、嫉妬心を抱きます。
自分のDNAを他人と比べて、失望、落胆することがありました。
アイリーン「私が旅できる惑星は、地球だけ。」
ビンセント「健康に見えるけど。」
アイリーン「疑うなら、これ(髪の毛のDNA)を調べてみて。分かるはずよ。」
ビンセント「風にさらわれた。」
そんなとき、自分をDNAだけで差別しないビンセントに出会います。
生まれながらの才能よりも、内面を見て愛そうとするビンセント。
彼と話すと平穏な時が心に流れ、ビンセントのことが気になっていきます。
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84098377/picture_pc_7358f53c877c8e909a0546d414f7d7a0.jpeg?width=1200)
私は、アイリーンの生き方から学んだことがあります。
運命を受け入れて、自分のできることを探すことです。
「運がない。才能がない。」と言って落胆するのではなく、
「じゃあ、今の自分ができる最大限のことはなんだろう。」と探求していく姿に惹かれました。
彼女がガタカで働いている理由の一つに、「宇宙が好きだから」があると思います。
自分のできる範囲内で、一つ一つに本気で取り組む彼女を尊敬しています。
④ ガタカの検査員
![画像17](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84093451/picture_pc_35d8d2f892d67e167091b8dcc482c196.jpeg?width=1200)
ガタカの検査員として、主に採血、採尿検査などの業務を行なっています。
劇中は登場シーンが少ないながらも、物語の運命を左右する人物です。
彼は映画の冒頭で、ビンセントに対して、このような言葉を伝えます。
検査員「息子は君の大ファンでね。」
どれだけ価値のある言葉だったのか、私たちはラストで気づくことになります。
検査員「息子は残念ながら遺伝子に問題が。でも希望はある。」
検査員は、ビンセントの努力の話を息子に聴かせていたのです。
ビンセントの存在が、まさに息子にとっての生きる希望でした。
劣勢のDNAを持ちながらも決して夢を諦めないビンセントは、尊敬と憧れの対象でした。
不可能を可能にしようと、信じ続けた検査員。
誰かの才能を否定せず、可能性を信じる美しい心。
私は、検査員の優しさに、胸を打たれずにはいられませんでした。
4、 最後に
ガタカは、私の命と言えるべき映画です。
紹介した登場人物に共通していることが一つあります。
自分、他者の可能性を信じて疑わないことです。
人生で辛くなる度に、私はこの映画を思い出しています。
映画が生きるパワーを私に与えていることを、ここに証明します。
ガタカが誰かとっての特別な映画になることを願って、記事を終わります。
最後まで読んでいただき、心から嬉しく思います。
いつも優しいお言葉をありがとうございます。
LEO
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?