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サンディエゴ・パドレス、オフシーズンへ 前編

 初めてのお方が多いかと思います。パドレスファンの中には知己の方がご覧になられているかもしれません。
 でんすけと申します。パドレスのファンは2018年より始めております。NPBでは西武ファンとして歩んでおります。こちらの方が自分の歴史は古く、お察しの方がおられるでしょう。先日、現役引退を表明された牧田和久投手のメジャー挑戦により興味を抱き、そのままファンとして定着した、といういきさつです。
 私の拙文に関しましては、任意で書くネタや時期を選ぶつもりです。ゆえに不定期となるでしょう。何かパドレスについて良いニュースがあればよく書くかもしれません。

 さて、霜月に入り、日本でも寒さが身に染みる日々がたちまち増え、冬の訪れを感じさせます。NPBは一足先にシーズン終了。オリックス・バファローズが球団26年ぶりの日本一を勝ち得ました。そして、私が書くサンディエゴ・パドレス、このチームもまた、24年ぶりのNLCS進出を成し遂げ、ストーブリーグという長い来季に向けたホットな戦いに備えているところなのです。
 サンディエゴ・パドレスは、NLW地区2位、89勝73敗ながらも、ワイルドカード2枚目を獲得。そしてWCS、DSは、大方の下馬評を覆し、NYMを、そして宿敵LADをそれぞれ2勝1敗、3勝1敗で下し、CS進出を果たします。ここでは、PHIの投打に屈する事となり、ワールドシリーズ進出の夢を果たせずパドレスのシーズンは終了となりました。
 パドレスは、2020年よりコンテンドの姿勢を明確にし、打倒LADとPS進出を目指してチームを勝てるチームへとグレートアップを図ってきました。この記事では、これまでのパドレスのトレード歴、補強歴について書きます。

 20年度はまずオフシーズンにDrew Pomeranz(ドルー・ポメランツ)と4年契約、Pierce Johnson(ピアース・ジョンソン)と2年契約+球団オプションを、そしてTommy Pham(トミー・ファム)、Jake Cronenworth(ジェイク・クローネンワース)、Trent Grisham(トレント・グリシャム)、Zach Davies(ザック・デイビース)、Emilio Pagán(エミリオ・パガーン)らを獲得。
 20年度のMLB開催はCOVID-19により開催が危ぶまれたものの、開幕の動きが具体的になると、Jurickson Profar(ジュリクソン・プロファー)、Tim Hill(ティム・ヒル)を獲得し、トレードデッドラインには、Mike Clevinger(マイク・クレビンジャー)、Austin Nola(オースティン・ノーラ)、Trevor Rosenthal(トレバー・ローゼンタール)を獲得し大盤振る舞い。短縮シーズンながらもプレーオフ進出を決め、NLDS敗退という戦績でした。

 2021年も更なる大胆なチーム変革に着手します。まず、プロファーとの再契約、当初はTORが有利とされていながらも金河成を交渉期限ギリギリで獲得します。先発投手へのテコ入れは特に凄まじく、クレビンジャーのTJによる全休、Dinelson Lamet(ディネルソン・ラメット)の肘の故障が慢性化したのもあり、保有していたプロスペクトを大量消費し、3人の実力あるスターターを獲得しましたダルビッシュ有、Blake Snell(ブレイク・スネル)、Joe Musgrove(ジョー・マスグローブ)です。極め付けは、当時パドレスの大スターの声望をほしいままとしていたFernando Tatis Jr.(フェルナンド・タティス・ジュニア)との14年総額3億4000万ドルもの巨額・長期の契約延長です。2020年オフは、まさにパドレスが最も輝きを放っていたオフとなったでしょう。
 しかし、21年シーズンはあれだけ精力的に動いた甲斐なく、投手陣は不調と故障者続出、打線は昨季の勢いを続けられず、結局79勝83敗で終了。屈辱のシーズンを送る事となります。

 そのオフシーズン、GMのAJプレラーは、能力ある選手を集めるだけでは勝てないと悟ったのか、組織の刷新にも力を入れ始めます。最も象徴的は、OAK監督のBob Melvin(ボブ・メルビン)を引き抜き、パドレスの監督に据えた事でしょう。21年オフシーズンは球界が労使交渉の行き詰まりに揺れ、およそ3ヶ月間ものロックアウトを余儀なくされました。プレラーGMはなんとかチームのコンテンドを後押しすべく動きます。リリーバーのLuis Garcia(ルイス・ガルシア)、Robert Suarez(ロベルト・スアレス)、はじめは先発としての力量を期待したNick Martinez(ニック・マルティネス)をロックアウト施行前に基本合意。解除後も、Luke Voit(ルーク・ボイト)、Sean Manaea(ショーン・マナイア)、Taylor Rogers(テイラー・ロジャーズ)を獲得。プレラーGMらしい派手な動きではないものの、堅実な補強でチーム力アップを図ります。
 開幕前、チームに激震が走ります。タティス・ジュニアがロックアウト期間中に起こした事故で長期に離脱を要する怪我を負っていた事が明らかになったのです。メルビン監督は、タティスの離脱は痛いもののチーム一丸でカバーする事を強調。打線は主にManny Machado(マニー・マチャド)が牽引。投手はダルビッシュ、マスグローブの二枚看板が奮闘し、移籍前のMacKenzie Gore(マッケンジー・ゴア)の活躍や、徐々に調子を上げるスネルの活躍により、プレーオフ出場圏内を維持する戦いを続けました。
 やがてトレードデッドライン(今季は現地時間8月2日までの戦力トレード期限)が近づくと、待ってましたと言わんばかりにプレラーGMは大博打に出ます。MILから守護神Josh Hader(ジョシュ・ヘイダー)を獲得すると、期限日には、過去最大級とも言えるブロックバスターで、Juan Soto(フアン・ソト)、Josh Bell(ジョシュ・ベル)を獲得。極め付きにCINからBrandon Drury(ブランドン・ドルーリー)も獲得。チーム古参のEric Hosmer(エリック・ホズマー)放出の一悶着も含め、またしても市場の話題をかっさらっていきました。
 その後は、補強した選手は期待通りの活躍はできませんでしたが、厚くなった戦力層と、先発陣、そして最適化を図ったブルペン陣の活躍によりワイルドカード獲得。先に述べた通り、NLCSまでチームは駒を進める躍進の年となりました。

 過去のトレードで失ったプロスペクトの数は計り知れません。パドレスの未来を担う事を期待されたゴア、エイブラムズ、パティーニョ、ウリアス、クアントリル。そして、今後の成長株と期待されるウッド、ハッセル、ウィルコックスなどを手放しました。パドレスは来季、そしてその翌年に至るまで勝ちにこだわったチーム運営を続ける事でしょう。トレードで獲得したダルビッシュ、スネル、マスグローブ(今年7月に契約延長)ヘイダー、ソト、クローネンワース、グリシャムらはチームの主軸として来季もチームにいます。マチャド、キムといったFA獲得組も健在。そして、故障後PED陽性判定で80試合サスペンション、失意の内のタティスも、来季は復帰して必ずチームに貢献してくれるはずです

さて、長々とコンテンド期の来歴ばかりを書いてしまいましたが、次は選手のFAでロースターが動く時期に、今季オフの展望をしっかり書きたいと思います。


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