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ザンダー・ボガーツの獲得とパドレスの今後の動向

 お久しぶりです。盛況に湧いたウィンターミーティングスから早くも一週間が経とうとしています。ジェイコブ・デグローム(Jacob deGrom)がレンジャーズと5年185Mの契約を、トレイ・ターナー(Trea Turner)はフィリーズと11年300M、ジャスティン・バーランダー(Justin Verlander)は2年86.6M+条件クリアによる選手オプション、アーロン・ジャッジ(Ars…もといAaron Judge)がヤンキースと9年360Mなど、とにかく派手なFA契約が多くまとまりました。今後もアメリカ社会のインフレ等を背景に、高額・長期の契約が見られると思います。

ザンダー・ボガーツの獲得

 去る12月8日(アメリカ現地では7日)、ウィンターミーティングスの締めくくりとなるようなタイミングで、サンディエゴ・パドレスとザンダー・ボガーツ(Xander Bogaerts)の契約が各リポーターによって報じられました。10日(現地9日)には球団オフィシャルとなり、11年契約、総額280Mもの巨大な契約が結ばれました。パドレスは兼ねてよりボガーツの獲得に意欲を見せており、途中、ターナーやジャッジへ接触する事はありましたが、ボガーツへの猛アタックが奏功したと言えるでしょう。

 パドレス専属の放送局BSSDの名物アナウンサー、ドン・オルシーロ氏(Don Orsillo)は、かつてレッドソックスで長らくアナウンサー業に携わっていました。まだ若手だったボガーツと面識があり、長い時を経て再び同じチームの間柄となったのです。


ボガーツ獲得による布陣の変化は?

 ボガーツ獲得には当初から疑問を呈する声が多かったと思います。SSにキム・ハソン、2Bにジェイク・クローネンワース(Jake Cronenworth)がレギュラーとして一定の地位を築いており、ここに出場停止期間が解けたフェルナンド・タティス・ジュニア(Fernando Tatis Jr.)が加わると、守備位置の変更に迫られる、という問題が既にあったのです。そこに、実力十分とは言えSSのボガーツが加わるのです。疑問は当然のものでありますね。
 この解決については、SSにボガーツを、キム、クローネンワースはそれぞれ2B、1Bにコンバートさせ、タティスは今季はOFの守備に就かせるという方法を取るという見方が広がっています。AJプレラーGMは、タティスについて「フィールドのどこでも守れる」と発言しています。しばらくはUTでの起用を目論んでいそうですね。そもそもUT性のある選手を多数抱えているため、主力の休養や離脱なども見込んで役割は完全固定とはならないでしょう。
 上記は短期的な解決になると思います。まず、来季オフにマニー・マチャド(Manny Machado)がオプトアウト濃厚である点です。オーナーグループ代表は、マチャド再契約のために出費する事はやぶさかでないと言ってはいます。ですが、ここではマチャドが23年限りとして考えます。
 2024年はキムが3Bにコンバート、クローネンワースは2Bに戻され、ボガーツSS、タティスOFは変わらなさそうです。契約延長がまとまらなければフアン・ソト(Juan Soto)の最終年。力を振り絞り地区優勝、ワールドチャンピオンを目指す年と位置付けられそうです。キムも契約満了となります。
 2025年以降はボガーツが3Bにコンバートし、タティスがSSに戻る事で安定を得られると思います。ここから先は不確定要素が多すぎるので浅薄な知識の私では到底説明できません。またその時期が来ればnoteを書こうと思います。(2年後)

ボガーツの11年契約に問題はないのか?

 大いにあります。最初の2〜3年は期待通りの活躍(シーズン4.0fWAR程度)をしてくれるでしょうが、その後は3Bのコンバート、更に加齢すれば2B、1B、果てはDHも駆使し、迫り来る加齢によるパフォーマンスの低下に抗う事になるでしょう。ロビンソン・カノーのように長生きできる選手になればチームとして嬉しい事はありません。しかしそれは故障などの不確定要素、パフォーマンス低下の早さなど障害が多く、前半期5〜6年の貢献度が契約の全てを決める事になり得ます。最近の考えでは、1WARの価値はおよそ8.5Mと考えられているようです。つまり280M/8.5=32.9fWARを稼いでくれれば十分ペイしたと考えるのも良いでしょう。これはシーズン4.0fWARのペースで8年プレイする必要があり、やはり困難な道ですが…。
 筆者としては、これからパドレス乾坤一擲の戦いが始まる訳ですが、地区優勝、NLCS覇者、そして悲願のワールドチャンピオンの座を得られればそれで十分とも思ってはいます。とにかく、タレントを揃えた以上は結果がほしい。そのつもりで今後も運営を続けるでしょう。

今後のパドレスの補強は?

 実は、パドレスの来季布陣については完成間近ではあります。投手を見てみると、先発投手はダルビッシュ、スネル、マスグローブの三本柱が健在であり、5番手投手としてマルティネスと再契約し、スターターデプスについてもモレホン、テイラン、ウェザーズ、グルームなどで凌ぐ事が可能です。ブルペンについても、スアレスと再契約し、ヘイダー、スアレス、ガルシアで勝ちパターンはほぼ固まっています。彼らのカバーにクリスマット、(生きていたら)ポメランツ、ヒルなどがおり、盤石とまでは行かなくても戦える面子です。
 先発4番手が一番の補強ポイントなのですが、恐らく熱心に交渉していた千賀滉大はメッツ入り。QO物件ながらバジットもブルージェイズ入り。4番手くらいのピッチャーとして期待できそうなマナイア、キンターナなども市場から消えました。妥協となるピッチャーはまだまだいるものの、コンテンダーとしての先発はより強力である事が求められます。私はトレードで活路を開く可能性を見ています。が、今具体的な話が出ている訳ではないので予想は致しません。
 野手については、内野は全て固まり、残るは外野手一人です。タティスが復帰すればDHに回せるほどの選手がほしい所ですね。具体的な名を挙げるとマイケル・コンフォート(Michael Conforto)、マイケル・ブラントリー(Michael Brantley)辺りがポジションと打撃のバランスが取れているのではないでしょうか。トレード市場に目を向ければ、マックス・ケプラー(Max Kepler)などの魅力的な選手がいます。まだまだ時があるので、GMには最善なる選択を模索して頂きたい所です。

最後に

 まだ越年もしていないのにこれだけストーブリーグが盛り上がるとは思いませんでした。毎日何かしがの情報が入りワクワクしています。ドジャースやジャイアンツが補強に苦戦する展開も期待しています。
 長々となりました。新たな補強があった時にまたnoteを書こうと思います。それまでは共にストーブリーグを楽しみましょう。

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