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Pre-Flop open sizingについて

今日は、Pre-Flop の raise のサイズについて理解を深めていこうと思います。

スタックサイズ , rakeの有無 , position  によって変動しうるものです。

それらの因子がどのように影響するのかを見ていきましょう。


スタックサイズ

初めに100bb,200bbの両方で見てみましたが、今から後述していく内容は100bbでも200bbであっても共通してみられる内容です。

よって、主にポジションとrakeについてのお話になります。


均衡戦略

IPの場合

表1- LJ openに対するIPからの均衡戦略

この表から読み取られるように、rakeがある場合とrakeがない場合では大きく戦略が変わります。

NL100ではflop前に終了したポットからはrakeの徴収がないため、3bet<callになります。

また、2xに対するcall頻度が遥かに少なくなります。

これは、rakeを徴収されることにより、pot oddsが見かけ以上に良くないためです。

よって

rakeがある環境では、「VPIPが下がり、call頻度も下がる。」

ことがわかります。


Blindの場合

表2 - Blindの均衡戦略

BBのcallする頻度は、直面しているBet Sizeに大きく依存していることが伺えます。

BBとSBの決定的な違いは、「アクションがクローズしているかどうか」ということですね。

SBはBBがcallを選択したり、スクイーズを仕掛けてきたりすることを顧慮しなければなりませんから、その分制約を受けることになります。

後ろのアクションが残っているかどうかというのも大きな一つの要因になります。


OPEN RAISE と FE

主にopen sizeが大きくなると、BlindのFEは増大します。
(特にBBではその影響を大きく受ける。)

表1をご覧いただければお分かりいただけるかと思いますが、
HJからのopen sizeが変わってもIPからの3betの比率は大きくは変わりません。

したがって、IPからの3betに対するリスクは高まります。

このバランスにしたがって、open sizeを決定していくのが良いです。

EPからraiseをして、IPにcallもしくは3betをされると(AAなどのとても強いハンド以外では)基本的に、EVが失うわれてしまうハンドが多いです。

よってEPからraiseをする場合、相手が適切にcall,3betをIPからしてくるようなシチュエーションでは小さいopen sizeを使って行くのが利益的でしょう。

一方で、IPからcall,raiseが少ない相手であれば、大きめのopen sizeを使用していくことも検討できる、というようになります。


BTN open size

BTN からオープンする場合でも、ほとんどのハンドは小さめのレイズの方がパフォーマンスが優れています。

LJ ではKK + とAKs だけが 3bb raise のEVが高いハンドでした。

BTN 2bb open と 3bb open でEVが異なるようなハンドに注目してみましょう。

EV1 - BTN 2bb open EV
EV 2 - BTN 3bb open EV 

EV1とEV2を比較すると、JJ +、AJs+、AQo+、KQs はすべて 3bb でオープンする方がEVが高くなります。

BTN のオープンレンジには、LJには存在しなかった別のクラスのハンド群があります。

 J4s,T5s,K7o,A2oなどのハンドで、2bb オープンよりも3bb オープンの方がパフォーマンスが良い、非常に弱いハンド群のことです。

大きなサイズのオープンの問題となる点は、小さなサイズのオープンと比べて3betを返される頻度が高くなることです。

上のようなハンド群は、BTN open range の下限であり、3betが返ってきても問題ないようなハンドです。

代わりに、このようなハンドでは、FEを2bb openよりも多く得られるので3bb openの方が局所的にみたらEVが高くなります。

このように「大きいサイズを使いことで多く得られるFE」と「3betを返される事によるリスク」これらを天秤にかけてどのようなオープンサイズを使用していくべきかを考える方が良いですね。


注意点

そのサイズを好むハンドで 3bb をオープンし、残りで 2bb をオープンすることで EV を最大化できるわけではありません。
このような戦略は搾取可能であり、対戦相手が適切に対応した場合、EV が低くなる可能性があることに注意したいですね。


参考文献

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