アニメ「タッチ」を例のシーンまで視聴した

今の若い世代の人達からは、タッチってなんじゃらほい?って言われそうだけど、タッチはタッチです。あの国民的少年野球マンガですね。(・ヮ・)

「この作者の漫画、みんな同じ顔に見える。見分けがつかん」
「古臭そう……」
「もう幼馴染ものは飽きたでござる」

ええ。私も今までそう思って食わず嫌いマンでした。
カラオケでは岩崎良美さんのあの曲、ドヤ顔でめっちゃ歌ってるのにね(?

あらすじは有名だから言わずもがな。
幼馴染三人の物語で、上杉兄弟がヒロイン浅倉南を巡る恋のバトルを繰り広げたり、なんか突然弟が………で、
「綺麗な顔してるだろ。ウソみたいだろ。…………だぜ、それで」
となるやつです。
そっからなぜか、ボクシングやってたはずのおにーちゃんが野球がんばっちゃったり、最終的には「上杉達也は朝倉南を………」となってパンパカパーン✨って感じのお話しです。
(これでも極力ネタバレは避けたぞー!がんばった✨)

で、今回視聴したのは、「ビューティフェイス……」のあたりまでなのですが、びっくりした。

この作品、めちゃくちゃ人間関係が繊細に描かれとるやんかーい!最高!!

私が名作に掲げる条件の一つに、

「登場人物の心は大いに揺り動かされていても、根底にある軸だけはブレていない」

を挙げているのですが、どの話も三人がこの関係を大事にしているのかが常に意識されてるんですよね。多分、そこがこの物語の軸。

兄貴の達也は「出来が良くて優しい文句なしの弟が南を好いている。南が本当は自分の事を好きな事にも感づいてはいるが、弟なら南を幸せに出来る事は間違いないし、周りもそれを期待している。だから自分の出る幕はない。二人にも幸せになってほしいから、自分は南を争う舞台に上がらない」

弟の克也は、「周囲には目立たないし冴えないと兄貴は映っているけれど、だれよりも優しく器の広い兄貴があえて道化を買って出ている事を知っているし、尊敬している。その兄貴に南が惹かれている事も痛いほどわかっているし、それを受け入れてもいる。兄貴は自分と勝負しないつもりだが、そのまま南を譲られるのは、南の為にも自分のプライドの為にも、そして兄貴の為にも嫌だ。正々堂々と勝負して南を手に入れたい。」

そして南ちゃんは、
………実は彼女が一番難しい。私、女なのに正直南ちゃんのこと、よくわからない部分もあるんですよね…だからこそ掴み所がなくて目が離せないのかもしれないのですが……。

たぶん、だれよりも今までの三兄弟のような関係が壊れるのを恐れている人間なのでしょうね。

上杉兄弟は、元から切っても切れない血の繋がった兄弟。片や自分は、ただのお隣の幼馴染。

実は、自分が一番この中では繋がり的には脆いと感じているんじゃないですかね。

だからこそ、達也に積極的にアプローチしたかと思いきや、克也には男性を意識してないかのような今まで通りの無邪気さで接しようとしたり…。

彼女もこの不安定な関係性で心が揺らぐから、逆につかみ所のない小悪魔的な要素が強くなっちゃったんじゃないでしょうかね?

でも、そういうアンバランスさってなんとも魅力的なんですよね。。

わからないから近づきたくなるし、捕まえたくなる。

しかもあのルックスで完璧超人ときたら、「理想の女性は南ちゃん」になってしまって、この作品に出会ってしまった結果人生狂わされてもおかしくな……。

っと、話が逸れました!笑

ですが、メインの登場人物がいかに互いを思い合っているかと、それ故に行動する優しさがわかるから、三人とも応援したくなるんですよ。

明確な「敵」を作ることなくお話を盛り上げるって、実はかなりの高等テクニックだと、私は思うのです。

さて、そんな物語は第1部も佳境に入り、遂に兄の達也が弟の克也と南を争う「ライバル宣言」をすることになります。

「果たしてこの俺が和也と南を争えるような男かどうか、南を幸せにできる男かどうか。乞うご期待!」

……うん。元から二人は両思いなわけだから、勝負の舞台に上がった時点でもうこのお話は勝負確定。

先のわかる恋物語ほどナンセンスなものはないのかもしれません。

しかし、タッチはただの三角関係を描いた作品では終わりません。
ここで作者はとんでもない「ちゃぶ台返し」を仕掛けます。

「綺麗な顔してるだろ。死んでるんだぜ、それで。」

勝負の出来ない、時の止まった人間を間に入れることで、すでに両思いの二人にどんな作用が起こるのか。

これからもじっくり観てみようと思います。




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