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小笠原 父島 2022.10〜11

2023年は、本日 出航しました🛳️
丁度、1年前の話になります。

「この島は別の惑星」

 この度、「2022小笠原訪問ツアー」で、初めて小笠原を訪れました。


突き動かすもの

大海原に沈む夕陽

 ・「おがさわら丸 地獄の24時間」⁈
 かねてより、小笠原には行ってみたいとは思っていましたが、乗り物に弱いので躊躇する気持ちがありました。
 「おがさわら丸 地獄の24時間」と、ネット検索では出てきます。しかし、お奨めの酔い止めや、船内での過ごし方も載っていたので、さほど不安はありませんでした。

 ・「電波のない時間」
への興味が、「どの大陸とも一度も繋がった事のない独自の生態系」見たさと相まって、乗り物に弱い私の背中を押しました。

電波のない時間

 事前にPCR検査を受け乗船し、日常ではありえない「電波のない時間」へと突入。
 
 私にとっては、何もしない時間はとても貴重で、まさにそれこそが、リトリート!

 会社ではPC、隙間時間にはスマホでSNSをチェックしている時間と、しばしお別れです。

 天候に恵まれ、デッキで 雄大な大海原に沈む夕陽や、太くなりつつある月天子を観ました。消灯してから星の観測をしようと思っていたら、消灯後は 甲板に出られなくなったので、船室の窓から覗きました。

 この辺までは新幹線並みの揺れでしたが、雨が降りはじめ、24時頃からは うねりを伴う揺れが、到着まで続きました。
 なすすべもなく、天井を見上げ横になっているしかありません。

雨 ワヌちゃん

大自然の洗礼

 前線の影響を受ける自然を前に、人間は何もなす術がありません。

 まずは、父島探検に。
 のっけからレンタカーのキーが抜けなくなり、レンタカー屋さんに来て貰ったら、キーが曲がっていたそうで…
 錆び錆びで、シートベルトも伸びたままの車に、島気分を味わいました。

 いざ出陣。
 霧にけぶる山からは、雨が幾筋もの滝となり流れ落ちています。
 思ったよりも、山が深い。
 海は昨夜からの豪雨で濁っています。
 走り始めるとすぐに戦跡が目に入ってきます。 

 天候の影響を大きく受ける自然界に、南国らしい青い海は望めません。

霧にけぶる山
雨が滝のように流れてる

想定外

 しかし、道路がどこも良い!流石 東京都だと感心しました。
 夜 山道を走っていても、反射板がくまなく付いているので安心です。
 側溝に落ちる心配もなく、崩れそうな家屋もなく、近県より整備されていると感じました。

 父島に着いて、私の認識を変えた事は、
 ①南の島は陽が沈むのが遅い―
と思ってましたが、東経が23区と変わらないので、日の出入り時刻は変わらないと解りました。
 ②南の島の植物は葉っぱが大きい―
これも、ビジターセンターで観たビデオで「父島は湿気が少ないので葉の小さな低木、母島は湿気が多いので葉のおおきな高木になる」と見て、葉の大小は方位だけではないのだと識りました。
 ③南の島の珊瑚礁の海はエメラルドグリーン―小笠原の海は ボニンブルーと呼ばれる深い青色で、エーゲ海ほど紫色ではないにしても、珊瑚礁なのに 想像していた様な緑色ではありませんでした。

委ねる

 島に着いてから、たまにお陽様は顔を覗かせますが、晴れた日はなく、相変わらず、三日目も島の人も驚く程の大雨で寒かったです。
 自然の運行に委ねるしかない。
 それが、小笠原の生活なのでしょう。

待望の

 自然観察ツアーは、やはり観光の眼玉でしょう。
 雨混じりでしたが、ナイトツアーに参加し、小笠原オオコウモリ・グリーンぺぺ(夜光茸)・オレンジぺぺ(国立天文台VERA電波望遠鏡)・大きなシロワニ(鮫)を観て来ました。
 オオコウモリがツアーで観られるのは、久しぶりとの事で、しかも4羽も。島に歓迎されていると感じました。
 期待していたグリーンぺぺもくっきり観られたので、嬉しかったです。
 また国立天文台VERAは、天の川銀河の地図を作る為の電波望遠鏡だそうです。日本で4基、中でも父島の環境はピカイチでしょう。

小笠原大コウモリ
グリーンペペ
オレンジペペ

 この島に、天気予報はあってないようなもの。天気はコロコロ変わります。 

 4日目にやっと晴れ、南島ツアーに行きました。 
 晴れてこそ、の南国特有のエメラルドグリーンの美しい海! 
 10人乗りの舟で波を乗り越えながら、イルカの群れを追い、ガイドと一緒じゃないと入れない南島に上陸し、絶景スポットを観て、扇池で熱帯魚と泳ぎました。
 舟はスプラッシュマウンテンよりもスリリングで、あまりの揺れに写真も撮れぬ程。終始受けていた波しぶきには虹が映ります。
 南の海ならではのアクティビティを堪能しました。

 雲ひとつなかった空は気まぐれで、港に戻る頃には雨模様になりましたが、
やがて虹が。
 それも、23区ではお目にかかれない二重の虹でした! 自然の歓迎、ありがとう。

 他にも、まあ島の中を何周も巡り、
 そしてやっと、何日も待ったウエザーステーションからの夕陽も観る事が出来ました。

『鎮魂』

 今回、私をここ迄連れて来てくれた評議員の鈴木高弘先生は、かねてより小笠原の研究をしており、小笠原の始まりの地「小笠原新治碑・にほへ碑・大久保利通筆の開拓碑」を引き寄せられるように25年振りに訪れた頃には、雨も小降りになり感激もひとしおでした。
 その後、雨で川と化した「咸臨丸墓地・漂流者冥福碑」の前で、法華経の方便品・寿量品を読誦し、最果ての地で、志半ばで散った方々の冥福を祈らせて頂きました。

 戦跡、記念碑、ビーチなどでも祈りを捧げました。

島ならでは

 お店
 亀料理、島寿司、四角豆は初めて食べました。
 小笠原珈琲も飲み比べてみました。


 お店でかかっている音楽は、ハワイアンのようだけど、良く聴くと島の歌なのでした。

 欲しかったギョサン(滑らないビーチサンダルみたいなの)は、大活躍!

 スーパーは、23区と同じ品揃えでした。

 人 
 先生の小笠原高校でのかつて教え子達が包囲網を巡らし、至る所で待っていてくれました。
 社会を背負って立つ世代です。とてもピュアで青年のようでした。この島の土壌がそうさせているのでしょう。
 「成功しているのは移住組、島の人はのんびりしてて…」
だそうです。

 自然
 八ツ瀬川を通り小港海岸へ。ハワイの様な景色。
 子供達が烏骨鶏の雛を散歩?させています。都会では、子供達が自然と遊ぶ姿は見られなくなりました。大切な時間がこの島には残っています。


 海洋センターでは、亀の飼育にボランティアの学生さん達が来ていて、良いですね。

電波のない時間 再び

 帰りの洋上では、満ちてきた月明かりが強いながらも天の川や、黒潮も確認出来ました。

 貴重なリトリートの時間!

小笠原協会

 この度、皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。

 島での訪問行程、島の皆様からのお土産などをみましても、島民にとって小笠原協会の存在がどれだけ大きいか、実感出来ました。

「変わっているけど、変わっていない」

鈴木先生のこの一言に尽きるでしょう。
 島固有の鳥、マイマイ、樹、花、亀たち…
 この自然環境で生きて来た人達は、外部との距離感を持つ事で、均衡を保っているように思えました。
 だから、今も「この島は別の惑星」のままなのでしょう。





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