『中国の外交戦略と世界秩序ー理念・政策・現地の視線』|川島真・遠藤貢・高原明生・松田康博=編

第一部を読了したので。

「一帯一路」というスローガンに対してずっと漠然とした理解しか持っていなかった。中国共産党が経済進出において注力した2つの領域(それぞれ帯と路)であり、どちらかはシルクロード(おそらく路かな)と重なる認識だった。

本書の第一部を読んで、そもそも「一帯一路」は実際に(意図あって)あいまいな言葉であることを知った。正式に決まった定義も範囲もないまま発表されたようす。高原先生によると、その曖昧さは江沢民が提唱していた「改革開放」に似ていると。ただし、実際「一帯一路」の冠をつけたほうがプロジェクト予算が出やすいなどフィジカルな影響は起きている。

キーワードとして
・政策協調、施設連結、貿易円滑化、資金融通、人々の相互理解
・奮発有為、正確義利観、合作共赢(win-win)
・内政不干渉、核心価値

すぐドキュメンタリーを探す怠け者なので、YouTubeで検索したら、1時間近くのエピソードが6話も渡る情報量が多そうなのものがあったが、CGTNが制作したものでかつ視聴時間が長くなりそうなこともあり、一旦保留にした。(余談:YouTube最近はこういう表記をするようになったね)

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少し古いけど、2017年のBBC Our World関連エピソードをみた。東中国、西中国、カザフスタン、ポーランド、イギリスで一帯一路の鉄道建設プロジェクトについて取材した番組である。事実上win-winになっていないから未来を心配している人々も、事業を拡大するチャンスであると考える人々もインタビューされた。一つ一つのプロジェクトを評価するリサーチは出ているかが気になった。

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