見出し画像

コロナ・私的まとめ(マスク【個人の感想編】)

どうもこんにちは。
マスクオタクです。

前回の記事で書いたマスクまとめは、比較的エビデンスや客観性を意識したものでした。

しかし、マスクオタク個人としては『マスクの効果はモノと着用者による』という考え方で『効果あり/なし』というハッキリしたものではありません。

なので、前回記事の以下の部分はちょっと説明が足りません。
自分で書いておいてなんですが…。

ただし、着用者本人の感染リスクはノーマスクとたいして変わらないので、マスクの効果はなかなか実感が難しいだろう。(リスクは使用するマスクにもよるが。)

コロナ・私的まとめ(マスク)|キツネザル

今回の記事ではそのあたり(不織布マスクの効果)を、憶測を交えて書いてみます。

前回記事の補足、個人の感想編です。


◆RCTの解釈

マスクについて調べた人ならご存知かと思いますが、マスク着用有無による自身の感染リスクは『有意差無し』です。

その論拠として、デンマーク、バングラデシュのRCT(ランダム化比較試験)がよく挙がります。

しかし、これはコクランでも『バイアスリスクは高いか不明』とされており、結論としては『わからない』ということです。

◇◇◇

個人的には『マスク着用』『感染』という概念はもっと丁寧に考えても良いと思います。

マスク着用の質、と、感染の質。

少なくとも以下のような要素が整理されたうえで、マスクの評価がされるべきだと思います。

・順守率
・マスク着用時の漏れ率
・推定感染経路
・症状の程度

特に『漏れ率』は重要ですが、ほとんどの場合それが90%でも10%でも『マスク着用あり』として評価されているでしょう。

◇◇◇

もし上記の要素を考慮すれば『漏れ率が低いほど感染率が低下する(もしくは症状が軽い)』という結果になるかもしれません。

しかし、そのような研究に説得力を持たせられるかというと、たぶん無理。
マスク着用時の漏れ率や運用状況といった要素を、定量的に長期間追跡することは出来ません。

結局コクランで評されたように『高いバイアスリスクや低いアドヒアランス』となるでしょう。結果がどうであれ。
(AppleWatchみたいなウェアラブルデバイス的マスクなら可能でしょうけど。)

マスクの統計的な結果というのはそういうもの。

◇◇◇

統計的な判断が困難な場合、私はメカニズムから考えます。

そして『マスクは漏れ率が低いほど効果が高い』という結論に至ります。


◆漏れ率について

一般にマスクの漏れ率が注目されないのは不思議ですが、雑に着ければほぼ100%隙間から息を吸っているでしょう。

私が以下で実験した結果では、比較的スタンダードな不織布マスク『フィッティ 7DAYSマスク EX』をちゃんと着けて、漏れ率50%程度。

記事を読んでいただければわかりますが、マスク選定や隙間への配慮で漏れ率はかなりの差が出ます。
(ちなみに記事中の『aerumask』はスタンダードな形のマスクの中では最高に近いものだと考えています。)

◇◇◇

海外でガチのフィットテスト結果をSNSにアップしてる人がいますが、その結果を見ても『普通のマスクで期待出来る漏れ率は良くて50%程度』というのが現実的でしょう。

気になる人は『fit test surgical mask』で検索すれば、海外のもので関連する情報が見られます。

なお、KF94,KN95も特別なものじゃない限り、期待値は概ね50%止まりです。


◆マスクの隙間からの吸引を細かく考える

さて。

漏れ率を50%と仮定してみます。
それをどう評価するべきか。

単純に『吸入するエアロゾルを約50%削減』と考えても状況次第で感染を免れる可能性はあります。

そして、ここからが個人の憶測になってくるんですが、実際の期待値はもうちょっと高いんじゃないかと思うんですよね。

理由は『隙間が狭いなら大きい粒子は濾過するんじゃない?』です。
以下、説明します。

◇◇◇

漏れ率50%くらいでマスクを着用出来ていれば、吸い込み時にマスク内部が陰圧状態になります。(マスクが呼吸に伴い収縮する。)

それでも隙間から空気が出入りしますが、吸入時は陰圧により隙間が閉じる方向に力がかかります。

そして、多くのマスクのフチは面で接触しているため、空気は狭い空間を経てマスク内部へ到達します。

この『狭い面の空間を通過する際の濾過性能』は判明していません。

ガチのフィットテストでもそこは曖昧だと思います。

◇◇◇

ガチの漏れ率を測定する『マスクフィッティングテスター』での評価は粒子数で行われます。(外部環境とマスク内部の粒子数を比較することで、漏れ率を算出する。)

重要なのは、比較が『粒子数』で行われるということ。

そして、その評価は環境中の粒子分布によりますが、普通に考えれば概ね1μm未満の粒子による影響が強く出ると予想します。

つまり、隙間で大きな粒子をトラップ出来ている可能性については評価されていません。たぶん。

濾過前後の粒子径分布を見ないと不明ですが、すべてが素通りということはないでしょう。

◇◇◇

そして、大きな粒子を防ぐことは重要です。

理屈で考えれば、大きな粒子ほど潜在的なウイルス量は多く、不活化されていない可能性が高いからです。つまり感染リスクが高い。

50μm程度の粒子もエアロゾルとして吸い込み得ることを考えると、漏れ率が50%程度であっても、そのようなリスクの高いものの吸引を減らしている可能性はあります。


◆おわりに

今回の記事では私自身の実績から漏れ率50%を仮定しましたが、それよりも低い漏れ率が期待出来るマスクは多数あるでしょう。着用方法次第でその分の効果は期待出来ます。

そして、マスクの本来の目的は『他者へのリスク軽減』です。
少なくとも、隙間が大きくても飛沫排出を減らしエアロゾル生成量を抑制することは明らかです。

『マスクは個人の判断』とされていますが、今回の記事をその判断材料のひとつとして考えてみてもいいんじゃないかと思いまーす。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?