眠れない

すっかり眠れない夜が当たり前になってきてしまってからどれくらい経つのだろう
正確には寝つきはいい　秒で寝るのだが、必ず夜中に目覚める　そして数時間、明るくなるまで眠れないのだ　
そんな風になってもうどれくらいだろう

原因は山のようにありすぎて
もはや麻痺してるほどの山積み問題をかかえていること

家族、家族、家族、仕事　
これで私、よくふつうに生きてるな、って思う
なにに支えられて、どうしてふつうにしていられてるのだろう
こんなに山積み問題だらけできついのに
外では意外とよく笑ってよく動いてるのが、自分でも支離滅裂、理解できない

コロナのバカのせいで、ずっと友達にも会うこともできず
それどころかこんな時なのに、連絡がとれなくなっている友達が気になってしょうがない
どうしたんだろう　小学校からの一番長い友達

姉の夫が亡くなった
やっぱりだめだったわ　と電話の声が震えていた
私が知ってる世界一気丈な姉の初めて聞く声
離れていると実感がなく　
でもなぜかすぐに、原宿にある大好きなお花屋さんに向かう支度をしていた
特別な時にだけ向かう私には特別なお花屋さん

何年ぶりだろうか原宿の交差点に降り立った
少し風が強くて、今にも雨が降り出しそうな泣きそうな空　
時折りポツポツと降ってきては、雲が切れて少し明るくなったりをくりかえしている
なんだかざわざわとしている空と空気　
不安定に揺れ動くざわざわとした私の気持ち

なんとなく　
この世に別れをつげて空に昇っていこうとしている義兄がみえるようだった
虹は見えなかったけど　どこかでかかっているようだったんだ　

そして私の知ってる原宿がそこにはなくなっていた
まるで映画の中に迷い込んだように
変わり果てた原宿の真ん中に立っていた
なんだろうと思ってしばらく上の方を見回していた
街がしんでいた　
あのパワーある、きらきらした活気ある店も人もビルも変わり果てていた

あーここもか　って

そういえば　前に一度
いっしょに原宿のオッシュマンズに
サーフボードかいにきたよね
もう二十年も前になるんだね　

ずっと心が落ち着かない

また今夜も目覚めて眠れない