アニメ「アイドルマスター ミリオンライブ!」をあえてリアタイした話


1.前書き

この話は全て私個人の意見です。
「自分はこうは思わない」と感じた方も、意見感想はコメント欄に載せていただき、SNSなどでこのNoteを挙げて「ここは違う、ここは合っている」といった議論を展開することは控えてください。

個人的には、そのような会話は傍から見ているとコンテンツに対して悪い印象を与えると考えています。
よろしくお願いします。

2.自己紹介、なぜ先行上映に行かなかったか

自分は2018年8月あたりからミリシタを遊び始めました。(イベント的にはバリボーの頃)
ミリシタ感謝祭でリアルライブの凄さを知り、6th福岡で初めてライブビューイングに行き、6th SSAからは現地に参加、以降の周年ライブは全て現地・LV・配信のどれかで追っています。

当然ミリオンは好きなコンテンツなのですが、何故先行上映に行かなかったかというと、折角地上波で放送されるのであれば、テレビ放送でリアルタイムに楽しみたいという気持ちがあったからです。
アニメ化が発表されたのは2020年7月なのでその頃自分は2年目になるのですが、その頃から「OVAや映画でも嬉しいけれど、一番はTVアニメシリーズとして放送して欲しい」という気持ちはありました。

そのため、TVアニメーションプロジェクト始動の発表を見た時は、ミリオンのアイドル達を「アニメ」という媒体で見られることにとても歓喜していました。
だからこそ、劇場の迫力あるスクリーンで見たいという気持ちもありましたが、最初はやはり地上波で見たい、という気持ちが勝ち、本放送まで待つことにしました。

3.先行上映~放送前

先行上映は2023年の8月から開始され、SNS上では「♯ミリアニネタバレ感想」のハッシュタグでアニメの内容に関する投稿も始まりました。
アイマスは好きでもミリオンをメインで追っている知り合いはいなかったこと、Twitterは公式アカウントだけフォローしてROM専だったこともあり、先行上映開始から最終話の放送までネタバレをほぼ回避していました。(10th Act-3には参加していたので、その後のお話については少しだけ予測出来ました。)

普段はアニメを見る際もリアルタイムではなく動画サイトで見ることが殆どで、それこそネタバレをシャットアウトして放送時間丁度にテレビを付ける、なんてことは初めてでした。
それだけ、放送前から既に自分の中でも特別な作品になっていたのだと思います。

4.アニメの第一印象

満を持してミリアニ第一話が放送された時、最初の未来がソフトボールをするシーンで、まず最初に抱いた感想は「CGのクオリティが、自分の想像より遥かに高い」でした。
自分は3DCGアニメ自体は元々好きな方でした。但し、見ていて「CGアニメ特有の違和感」のようなものを全く感じなかった訳ではありませんでした。キャラクターが動いた時など、時折「今凄く3DCGだった」と感じる瞬間はありました。
それでもCGにしかできない表現があること、話の面白さ自体は変わらないことから、必ずしも「手書き>CG」にはならないと思っていました。

そしていざ放送されたミリアニを見てみると、見た目や動きに全く違和感の無いクオリティで、「極限まで手書きに寄せたCG」が実現されていました。
中には、「今までのアイマスアニメは全て手書きだったから、ミリアニも手書きの方が良かった」「3DCGは見てみたが、イマイチ受け入れられない」といった方もいたと思います。
そういった方の不安も吹き飛ばしてしまうような、圧倒的なクオリティだったと自分は思います。本当に画面を止めてよく見てみないと3DCGだと気づかない程で、もっと売りにしてもよいのではないかと考えてしまう程でした。

5.各話感想

ここからは本放送でリアタイした際の各話の感想を書いていきます。
長くなるので、先を見たい方はお手数ですが飛ばしてください。

・第1話「たったひとつの自分らしい夢」

未来の「部活を辞めてアイドルになった」設定が回収されていたり、静香の歌声が綺麗ながらも少しぎこちなく感じたりなど、既存のファン向けに細かい部分まで作られていると同時に、テンポ良く話が進んでいくので、アイドルを知らない人でも置いていかれることなく見られるような構成になっていて凄いと感じました。
一話時点でライブシーンがあったのも嬉しかったです。アイマスアニメの醍醐味ですし、この先の話でミリオンメンバーのライブシーンが同じように見られると思うと、期待感が大きく高まりました。

ただ、今まで765、シンデレラ、SideMのアニメを全話見ていたので(ゼノグラシアも見ました)、似たような流れで進むと思っていたら、アイドルになることを決心するところで一話が終わったので驚きました。1クールということもあり、話数は足りるのだろうか、と少し不安はありました。

・第2話「夢のとびらはオーディション」

登場人物が徐々に増えてきて、しゅうまい三姉妹の3人や海美・このみさんなど初めて登場するアイドルが映る度に、本当にアニメ化したんだなあという染み染みとした気持ちになりました。
見所は何と言ってもオーディションのシーンでした。静香の心理描写も相まって、単なるオーディションには収まらない、未来・静香・翼のアイドルとしての最初の一歩として、とても印象深いシーンになっていました。

この頃には「最後まで話がうまくまとまるのか」という不安よりは、「ミリオンスターズとしての過程が丁寧に描かれていて、これからどう進んでいくのか」という期待感の方が大きく上回っていました。

・第3話「きらめく世界! 私たちのシアター!」

一気に登場するアイドルが増え、本格的にミリオン39人としての話がスタートしていく中、この辺りから「39人全員を均等に出す」というよりは、「出番に差は生まれてしまうが、1クールの物語として綺麗に収める」方針なのがなんとなく感じ取れました。個人的にはそれで良かったと思っています。
かといって少しだけ登場するアイドルはただ映るだけでなく、短い時間でもそのアイドルの個性が伝わるような登場の仕方だったのが嬉しかったです。

そして、アイマスアニメお馴染みの挿入歌として「Legend Girls!!」が流れました。個人的にとても好きな楽曲の一つでもあった為、感動的な場面でこの曲が流れた時は思わず泣してしまいそうでした。ミリオンライブの楽曲がとても好きなので、このようなストーリーに合わせて挿入歌が流れることが、楽曲と一体になって物語を紡いでいるようで本当に嬉しかったです。

・第4話「原っぱライブ はじめます!?」

ミリオンメンバーが一堂に会するも、未来の提案した原っぱライブについてすれ違いが起こってしまう回。アイマスのアニメ、引いてはアイドルアニメである以上、このようなシーンが一度は訪れることは想定していました。
ですが、桃子の意見も違和感の無い正当な意見であること、未来の気持ちをちゃんとプロデューサーが汲み取ること、話を一話の中で完結させることで、誰が悪者になるでもなく、それを今後に引きずることも無く解決させたのは、話の構成が本当に上手いと感じました。翼がマイクのスイッチをいれるシーンでは色々通り越して感動してしまいました。

「セブンカウント」が流れたのもとても嬉しかったです。アニメが開始するまでの長い間、この曲が様々な不安を払拭してくれたと思います。それが「原っぱライブまでのカウント」という新たな意味合いを持ってこのシーンに選ばれたのが、今までの歩みを感じさせてとても印象に残っています。

・第5話「未完成のThank You!」

原っぱライブ回。武道館には似てないんじゃないかな・・・

少し脱線しますが、OP「Rat A Tat!!!」の歌詞「気付かれずに終わらせはしない」には、ミリオンライブそのもののことを指す以外にも、「ミリオンのこの子は好きだけど、この子は分からない」といった人に、改めて39人全員の魅力を知ってもらう、というニュアンスも含まれているように感じました。
実際この回はアイドル各々の個性が伝わってくるようなシーンがとても多く、この回で気になるアイドルを見つけてもらう、あまり触れてこなかったアイドルの魅力を知ってもらう、そんな役割があるようにも思えました。

また、ミリオンを代表する楽曲「Thank You!」の披露、ミリシタ追加組の紬・歌織さんの登場など、ミリオンの歴史をなぞるような回になっていました。作り方によっては二人を最初から参加させることもできたと思いますし、この辺りはGREEのソーシャルゲームだった頃からの歩みを大事にしているんだな、と感じました。

・第6話「動き出す夢 ライブシアタープロジェクト!」

未来・静香・翼の三人と紬・志保・歌織さんの各々の会話を通して、今まであまり出てこなかった「アイドル同士の関係値」が描かれ始めた回でした。今までもミリシタ内の3Dコミュで見てきてはいましたが、実際にアニメで見ると、アイドルの人となりがより鮮明に伝わってくる感じがして、とても嬉しかったです。
何気なく流れていたレッスンシーンも、Team1stは自身の曲の振り付けで未来達とは違う動きになっていたり、卒無くこなす表情にもそれぞれ少し違いがあったりと、見るたびに発見がありました。

そしてライブシーン、トップバッターに相応しいインパクトのある新曲「Star Impression」。このシーンをとても楽しみにしていました。ライブシーンはライティングやカメラワークといったCGの強みを活かしつつ、マイクを持ち替える描写などミリシタでは実現が難しいシーンも盛り込まれていて、アニメ化の醍醐味をより実感しました。
ミリシタからの楽曲はコンセプトやストーリーが軸になった楽曲が多く、今回のような楽曲が先に来て、そこにコミュやドラマパートで物語が補完されていくパターンは、作詞家・作曲家さんの顔ぶれも相まって初期のミリオン楽曲らしさを感じました。どちらも好きですが、GREE時代にやっていなかった身としてはそれを疑似的に体験できたのがうれしかったです。

・第7話「ドキッ! 真夏の海のデビューバトル!」

ここから各チームのメンバーに焦点を当てた所謂「お当番回」になり、今までのアイマスのアニメに近い形になりました。元々自分はオムニバス形式(独立した短編を集めて、全体として一つの作品にする形式)のアニメが好きなので、各回を楽しみに見ていました。

元気が溢れる環・海美・のり子、仲間思いな恵美・琴葉・莉緒・瑞希、水着映えする百合子・風花・可憐といった、分かりやすくアイドルの個性が輝く姿が見られて良かったです。これもアニメでないと見られなかったものだと思います。
海美の豪快なアクションシーンは3DCGの恩恵を存分に受けた場面の一つでした。こういうシーンがあると3Dで良かった、ってなりますね。

ロープが千切れる・足場が崩れる・チュパカブラなどの少し過激な描写もありましたが、ミリアニのテーマの一つ「バトンを繋ぐ」という部分に繋がっていたので、ワース(結果オーライ)くらいに思っています。「海風とカスタネット」もTeam2ndらしい明るさ・爽やかさのある凄く好きな楽曲なので、サビ部分とかでもう少し動いているシーンがあればなおの事嬉しかったです。

・第8話「変わるためのステージ」

桃子・このみさんを中心として、アイドルになってどう変わるかをシアターの仲間との触れ合いを通して探す回。桃子と育ちゃんの会話がプロデューサーに入り、このみさんへの電話に繋がる、Team5thの握手会の映像を見て、自信を付けてショーに臨む、あたりの展開で自然な形でTeam4thと5thを繋げているのが良かったです。
ロコが道具周りの辻褄を大体合わせてくれたり、亜利沙が気を遣いつつ桃子の背中を押したり、千鶴さんのセレブ語録が炸裂したり、話題性にも事欠かない回でした。

「Catch my feeling」はメンバー全員が普段あまり歌わないようなトレンディな楽曲でしたが、この回のストーリーと相まってTeam4thにとてもマッチした曲になっていました。6人ということもあり、アニメが無ければ生まれなかった楽曲だと思います。
ミリオン最年長のこのみさんからあの言葉が聞けたのも嬉しかったです。デビューイベントを通して、アイドルとプロデューサーの信頼関係もしっかり築かれていることを映してくれるシーンでした。

・第9話「もうひとつのバトン」

プロデューサーも含め765PROオールスターズの後輩であり、そこに並ぶ仲間であること、765ミリオンオールスターズとしてのミリオンライブを描いた回でした。
話の中で少しずつ触れられていた静香と父の軋轢・翼のアイドルへの姿勢に踏み込み、アイドルとしての次の一歩をやんわりと手助けする描写が千早・美希らしくて印象に残っています。春香さんと未来との会話で、あまりセンターらしい描写の無かった未来のアイドルとしての素質に触れてくれたのも良かったです。

ライブシーンの「READY!!」は、12年前のアニメOPからの進歩を感じさせる圧巻のクオリティでした。それこそ会場でライブを見ているような臨場感が伝わってきます。
合間のシーンはアイドルと振り付けだけでセットリストが分かるような形にもなっていて、止め絵にもちゃんと意味があることが分かる1シーンでした。

・第10話「アイドルに大切なもの」

デビューイベントから少し外れて、静香個人にスポットが当たった回。ミリシタでもあった静香父とのお話ですが、まさか解決するところまでアニメでやるとは思いませんでした。ただ、終わってみればここまで踏み込んだ話ができるのはアニメだからこそだと思いますし、新曲の「Gift Sign」まで携えてこの話を一度書き切ってくれた事にとても感謝しています。1クールしかないとはいえ、アイドル個人をフォーカスした回が一話も無いんじゃ寂しいですからね。

静香だけの回ということもなく、漫画「Blooming Clover」にも登場した父親と喧嘩する星梨花、その仲直りを手助けする琴葉とエレナ。静香の父を説得するプロデューサーと未来の姿に心打たれる翼。どれもこの回でしか見られなかった物だと思います。
そして、最後の父親の元へ静香を送り出す志保のシーンは、静香とはライバルであり仲間でもある、そんなミリオンスターズの絆を感じられる一幕でした。この2人のエピソードは数多くありますが、その中でこの描き方をしたのはアニメならではのものだと思います。

・第11話「とびらの向こう 繋がる想い」

それぞれのデビューイベントを終えたアイドル達が全員集合し、いよいよ最終回の杮落とし公演へと向かう回です。原っぱライブの思い出を可憐が楽しそうに語っているのがいいですね。
合宿のシーンでは色んな小ネタを散りばめつつ、ジュリアのギターで披露されたTeam7thの楽曲「トワラー」は、キャンプファイヤーのようにミリオンスターズの全員が集まり、皆との時間を共有する描写が素敵でした。(野外で行われた周年ライブの7thRに掛けていたりするのでしょうか?)

そしてライブ本番。12話でやるのかと思いきや、早めにCパートに移行してスタートしました。できる限り多くのライブシーンを盛り込んでくれるのは、「ライブ」を名前に冠するミリオンならではの感じがして、とても嬉しいです。
開幕の「Dreaming!」はまさかのTeam6th。9話の冒頭で出番は終わってしまったと思っていたので、思わぬサプライズでした。お馴染みの全体曲が流れると、ライブが始まった感覚がしてテンションが上がります。「キラめけるよね もっと!」の振り付けが好きです。

からの「ロケットスター☆」。本気を出した翼を表現する上でこの上ない選曲だと思います。いきなり「Believe my change!」じゃないんですよね。
ちゃんと翼が自らトップバッターを志願するシーンが挟まれていて、今までの道のりが身を結ぶまでが本当に丁寧に描かれており、皆が見たいと思っていたものが今ここにある、そんな感覚でした。

・第12話「新しい未来へ」

ミリオンライブの「ミリオン」の部分も「ライブ」の部分も余すことなく詰め込まれた最終回。1話+αかけて、ミリオンスターズ39人が作り出すライブを丸々描いてくれたことには感謝しかありません。見ていた時はそれこそリアルのライブを見ている時と変わらないような感覚で、一瞬たりとも目が離せませんでした。

OP明けでは「フェスタ・イルミネーション」と「チョー↑元気Show☆アイドルch@ng!」のシーン。個性的な場面が目立ちつつも、ここまでメンバーを支えてきた二人のアイドルとしてのステージは、短いながらもとても輝いていました。お客さんのコールも相まって、ライブ感をより高めてくれるワンシーンです。

Team5thの「バトンタッチ」と、少し前後しますがTeam3rdの「オレンジノキオク」が1番フルで披露されたこともとても嬉しかったです。楽曲が一度も流れずに終わることは無いとは思っていましたが、どちらもライブ映えする素晴らしい楽曲なので、この最終回で見ることが出来て良かったです。

機材トラブルの発生した「Sentimental Venus」。実際に2ndライブで起きた出来事が元になっているシーンですが、ここを入れた理由としては、ライブにおける観客との一体感を大事にしてくれているのだと思います。観客はアイドルたちから元気を貰い、どうしようもない出来事が起こってしまったとしても、観客はアイドルを信じて待つ。そういったことは声優さんの休業であったり、ライブ・イベントの中止だったりと、今までに何度もあったと思います。それも乗り越えて10周年・アニメ化まで辿り着いたからこそのシーンだったと思います。ミリアニがあと3年早く放送されていたら、恐らくこのシーンは無かったでしょう。

そしてトラブル明けの「瑠璃色金魚と花菖蒲」、「ハミングバード」の2曲。11話で不安を抱えていた紬が、バトンを繋ぐ決意を持って望んだ全力のステージは、ライティングの演出もあって、初めてこの曲を聞いた時の事を思い出すような強烈なインパクトを残しました。ライブシーンによって楽曲が生まれ変わる瞬間を見たような気がします。
それに続く歌織さんのステージは、5thライブの流れも彷彿とさせるような繋ぎ方でした。アイドル全員で繋いでいくバトンだけでなく、一人一人が仲間のパフォーマンスに感化され、自分のパフォーマンスに繋げていく、そんな相互作用もミリオンの大きな魅力の一つです。

最後は「REFRAIN REL@TION」。アニメ発の新曲の中も特にライブシーンとの紐づきが強い曲だと思っています。新しい仲間と出会い、沢山の気持ちを受け取った中で遂にステージに立った5人のパフォーマンスは、一言では言い表せないほどの貫禄を持っていました。この感覚はリアルライブに行った時と同じで、「CD音源では得られない体験」でした。この体験を得られるからこそ、私たちはライブに参加したい・もっとアイドル達を応援したいと感じ、会場に足を運ぶのだと思います。

あっという間にEDになり、流れた楽曲は「Brand New Theater!」。輝かしいオープンを遂げたシアターにはお馴染みのMTG・MTWシリーズや、漫画版から生まれたユニットのキービジュアルが並び、私たちも見てきたアイドル達の活躍が垣間見れます。ここから「シアターデイズ」の世界に繋がっていき、アイドル達は止まることなく次の夢の扉を叩きます。これが「終わり」ではなく「次の始まり」であることを前向きに示してくれる、最高のエンディングでした。

6.良かった所、気になった所

・良かった所

①1クールアニメとしての完成度

1クールで全アイドルを登場させつつ、一連の物語として綺麗に纏め上げるのはそう簡単なことではないと思います。一歩間違えればアイドルを出しただけで終わってしまい、後からどんな話だったか思い出せない、なんてことになっていても不思議ではありませんでした。

そんな不安もあった中、実際にはインパクトのあるライブシーンを多く盛り込みつつ、アイドルとの出会いから最初の公演までを心地よいテンポで描き切る、制作陣の手腕が光った素晴らしい作品に仕上がっています。
アイマスを、ミリオンを知らない人に対してでも、シンプルにアニメとして進められる、コンテンツへの入り口として理想的なアニメになっていると思います。

②楽曲の活かし方

個人的にミリオンライブの中で一番好きなポイントが「楽曲」です。どのアイドルもバラエティー豊かな楽曲を持っており、時には愉快に、時にはカッコ良く、時には感動させるようなパフォーマンスが幾つも飛び出してきて、ライブではオリジナルのメンバーをシャッフルして披露するなど、楽曲×アイドルの無限の可能性を見せてくれます。

そんなミリオンライブの特色がアニメにも色濃く反映されており、その楽曲が持つポテンシャル・ストーリーが、アニメの物語に合わせてベストな場面で発揮されています。
自分も楽曲から興味を持ち始め、よりこのコンテンツを深く知ろうと思ったので、それだけ人の心を引き付ける楽曲の数々が、アニメを通して披露されることがとても嬉しいです。

③登場人物

正直な話、アニメが放送されるまでは765PROオールスターズの13人はおろか、ミリオンスターズの39人さえ全員は出演しない可能性はあると思っていました。
既存のファンを納得させる上で全員の出演は不可欠だと思ってはいましたが、結果として765ミリオンオールスターズの52人全員が出演、ましてやチーフプロデューサー・事務員の二人・アイドルの親・詩花まで登場するとは想像出来ませんでした。

このことは信頼を得ることに加えて、話題性にも繋がったと思います。765のメンバーなら見たことがある、曲だけなら知っている、ミリオンに触れていた時期もあったが途中で止めてしまった、そういった方たちもアニメを見るきっかけになったのではないでしょうか。

・気になった所

①原っぱライブの話数

基本的に1話ほどで話が一区切りされていますが、原っぱライブに関しては4話、5話で2話分かけて描かれています。
ミリオンが好きな人からすれば勿論必要な話だったと思いますが、知らない人からするとまだデビューしないのか、本格的なライブシーンはいつになるのか、と少し考えてしまうかもしれません。

②Team6th・7thのライブシーン

Team6thの「Unknown Boxの開き方」は冒頭のみの披露となり、7thは全員での歌唱シーンがありませんでした。
後半に進むにつれ話の密度が上がっていくため難しい話なのですが、どうしても、どこかで入れてほしかった、という気持ちは残ってしまいます。

③「アイドルアニメ」色

アイドルマスターは元々「新人プロデューサーが個性豊かなアイドルを育成する」ゲームなので、ゲーム開始時点で皆は既にアイドルになっています。
ただ、ミリアニではその前のアイドルを目指し始める所、オーディションに合格するまでの所も描かれているので、比較的「アイドルアニメ」の色が強いと思っています。

その上で、例えば異能力バトル物やドタバタ系のラブコメなどはジャンルとして受けが広いアニメで、「似たジャンルの別アニメを見たことがあるので、これも見てみよう」といった形で踏み込みやすいアニメだと思います。
ですが、アイドルアニメに関しては「一度も見たことない」という人は結構居ると思います。
なので「アイドルアニメ」としての完成度に間違いはないのですが、万人に振り向いてもらうのであれば、別のアプローチも必要なのかな、と思いました。

ここまで書きましたが当たり前の話なので、本当に少し気になった点というだけでこうして欲しかったみたいなのは無いです。ポテンシャルは間違いなく十二分にあると思っているので、少しでも多くの人の目に留まればいいなと思っています。

7.終わりに

今回は自分の推しコンテンツがアニメ化する初の出来事だったので、記念に考えてたことを描きました。
長々と書いてしまいましたが、要約すると私はこのアニメが大好きです。
BDも予約しました。第2期待ってます。

(12/31に第3幕を初めて劇場で見ました。もう一回だけ第1・2幕やりませんか・・・?)

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