レッドゾーン変遷(2015~2024)【DMデッキヒストリー#1】
今回からDMヒストリーとして一つのデッキの変遷を見ていきたいと思います。
デュエプレでのレッドゾーン実装を記念して、レッドゾーンおよび「バイク」と呼ばれるデッキタイプの環境における変遷をサンプルリストを交えて振り返っていきます。ゲートボールをする際の参考にでもなれば幸いです。
※筆者はcsに毎週出るようなランカーでもなければ2015年当時からプレイしていたわけでもないので当時のCSの結果等を参考にしています、ご了承ください。
第一章 誕生
DMR-17 「革命編 第1章 燃えろドギラゴン!!」
2015年6月20日、記念すべきレッドゾーンの初収録パックである「燃えろドギラゴン!!」が発売。ここでは主役であるレッドゾーンの他にターボ3や轟速ザ・レッド、革命の鉄拳といったカードが登場。
当時のサンプルリストはこんな感じだろうか
ここにバイクという新たなデッキタイプが成立した。
しかし、ブレイズクローや鬼切丸のような侵略と噛み合いのないカードも採用されており、赤単速攻の亜種とも言うべき形で、足回りが貧弱すぎるため環境入りとまではいかなかった。
ただ、超次元を使うデッキに数枚レッドゾーンを刺す等レッドゾーンというカード自体のカードパワーは評価されていたようだ。
DMX-20 「デッキ一撃完成!! デュエマックス160 〜革命&侵略〜」
ここでは轟速S、超轟速SA-Wという渋いながら初期のバイクを支えたカード達が収録。
それらのカードを使用したリストがこちら
これでもまだ大きな強化とはならず、まだまだ環境入りには遠かったようだ。
また当時環境デッキの一角であった赤緑ギフトモルトと組み合わせた構築も入賞していた。
しかし、このデッキもあくまでギフトモルトというデッキの特殊な構築でしかなく、母数も多いわけではなかった。
このとき行われたGP1stでもtop64に侵略ビートの使用者2名と振るわない結果であった。
第二章 環境への道
DMR-18 「革命編 第2章 時よ止まれミラダンテ!!」
このパックでは火文明のカードとしてマッハ55や轟速ザ・マッハ、光文明の汎用トリガーのホーリーが収録。
サンプルリストはこちら
ここでやっとバイクというコンセプト単体でデッキを組めるようになり、一つのデッキタイプとして環境とまではいかないもののそこそこやれるデッキとして認識が広まっていったようだ。
DMD-27 「カスタム変形デッキ 革命vs侵略 爆熱の火文明」
このデッキでは、レッドゾーンZ、ザ・ゼット、単騎連射マグナムと明確なバイク超絶強化パーツ達が収録され、渋いところでは後に赤緑アポロに採用されることもあった超音速のジャッカルショットもここで収録となった。
この強化によりバイクは一躍環境へと躍り出ることになる。
レッドゾーンZと2種のマグナムによりシールドトリガーにも強く下バイクの安定感も増したことで環境topと言っても過言ではないほどの強力なデッキになった。
実際csでの入賞数も多く、革命編のみのブロック構築のルールで行われたエリア代表戦では多数の使用者が全国大会への出場を決めている。
DMR-19 「革命編 第3章 禁断のドキンダムX」
ここでの強化パーツはなんと言ってもドキンダムXであろう。このカードを手に入れたことで禁断解放という新たな勝ち筋が生まれた。
その他のバイク関連カードは新たな火文明の侵略先であるレッドゾーンNEOや超音速サイドラン、闇文明のデッドゾーンなどがあったが主に環境で使われたのは手札交換兼小型除去になる友愛の天秤とコロコロコミックの付録であったレッドエンドだろう。
まず始めに流行したのはドキンダム+上バイクの増量の形の構築。
しかし環境最大母数となったバイクへの対策が進みアナカラーデッドゾーンというデッキが環境に出てくると次第に構築は変化していった。
対アナカラーデッドゾーンに加え同型や黒単ヘルボロフにも強く出れる暴走龍5000GTを採用した構築が登場した。
そして殿堂改定により天門やヘルボロフといったライバルが弱体化した中での全国大会2015では使用者9名で3位、4位入賞とバイクはTier1と言って良い活躍を果たした。
この全国大会では漫画の付録で先行収録となっていたジエンドオブエックスの採用や従来の赤単tトリガーという形だけでなく火文明に加えサイドカラーを採った構築も見受けられ、バイクというデッキタイプの構築の幅が広がった。
DMR-20 「革命編 第4章 正体判明のギュウジン丸!!」
革命編最後のパックであるこの弾では、新たな上バイクのレッドゾーンX、音速ライドンや自然文明の汎用トリガーの罠の超人、メタカードのヤドックと後にバイクに採用されるカードが多数収録された。
この環境ではサソリスやモルネクの母数が多かったこともあり赤単ではボルドギ+鉄拳、赤黒ではデスゲートとカウンター札を採用した構築が主流だった。
5月28日に行われたGP2ndではトップメタとして予想されるも多方面からの対策によりtop16に使用者1名とあまり結果を残せなかった。
第三章 剣の襲来
DMR-21 「革命ファイナル 第1章 ハムカツ団とドギラゴン剣」
このパックでヘブンズフォースという強化カードを獲得。
しかしドギラゴン剣という伝説のカードが登場し、あっという間にトップメタとなりバスターに続き赤黒デッドゾーン、緑単サソリスなどが流行した影響により既存のバイクを使う必要性が低くなってしまいしばらく環境では注目されなくなる。
DMR-22 「革命ファイナル 第2章 世界は0だ!! ブラックアウト!!」
このパックでは多色の軽減サイクルが登場、後に環境で使われることになる。
また、この環境で行われたGP3rdではtop64にバイク使用者は1名のみであり環境での立ち位置の悪さが伺える。
DMR-23 「革命ファイナル 最終章 ドギラゴールデンvsドルマゲドンX」
このパックが発売した後、殿堂改定によりバスター、モルネク、ジョバンニらが弱体化を受けた。
立ち位置の良くなったバイクは殿堂改定直後に行われた全国大会2016では3位に入賞するなど環境へ復権してきた。
この頃からヘブンズフォースを使った赤白バイクが主流になり始める。
第四章 新時代
DMRP-01 「デュエル・マスターズ 新1弾 ジョーカーズ参上!!」
ここでデュエル・マスターズは新たなシリーズをスタート。2015、2016と比べるとカードパワーが全体的に下がっていたが、前時代のギミックである侵略や革命チェンジに対するメタカードである、オニカマス、洗脳センノー、デスマッチビートルが収録され環境に影響を与えることになった。
バイクもこれらのメタカードの影響を受けたがレッドゾーンの除去効果や、禁断解放によりある程度の対処は可能であり、逆にそのメタカードを採用したバイクも環境に現れた。
またこの弾には他にも桜風妖精ステップルやドドンガ轟キャノンなどバイクに採用が見られたカードも収録された。
この頃からオニカマスを採用した赤青バイクがテンプレになり始めます。
当時行われたGP4thではtop64に使用者5名と前環境から比べると立ち位置を上げています。
DMRP-02 「デュエル・マスターズ 新2弾 マジでB・A・D(バッド)なラビリンス!!」
このパックではヘブンズフォースから出るメタカードのオーリリアや火文明のトリガーである覇悪怒楽苦が収録されました。
DMRP-03 「デュエル・マスターズ 新3弾 気分J・O・E×2(ジョージョー) メラ冒険(ベンチャー)!!」
このパックでは特に強化カードはなかったもののコロコロコミックの付録のDG~裁きの刻~を採用する構築も現れました。
またこの期間で行われたGP5thでは2位と4位に入賞するなど環境で活躍します。
前から環境で活躍していた赤単、赤青、赤白、赤黒の他にGPでは赤緑が2位に入賞とまさにバイク全盛期でした。どのカラーにもメタカード+受け札が採用されており、メタカードを添えながらモルネクに速度勝ち出来るビートデッキとして環境で活躍しました。
第五章 強化はされるけれど…
DMRP-04裁 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスタードラゴン!!〜正義ノ裁キ〜」
DMRP-04魔 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」
前環境までのバイク全盛期から一転、ぶっ壊れカード龍装チュリスの登場により以前もバイクを環境の隅に追いやったドギラゴン剣が帰ってきます。その影響でドギラゴン剣vs受けデッキという構図になりバイクの入る余地はなくなってしまいます。
この環境で行われた全国大会2017でもバイクは使用者1名のみと準環境的なポジションに落ちていきます。
DMRP-05 「双極篇 第1弾 轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」
このパックでは光のメタカードのミクセル/ジャミングチャフ、闇のメタカードのマタドールマルクーゼ、火の下バイクのザバイク/ブンブンバースト、攻撃札のバルチュリスなどが収録されバイク強化となるも、ドギラゴン剣はミクセルとバルチュリスの獲得により更に強くなってしまったためバイクは良くてtier3あたりに落ち着きました。
DMRP-06 「双極篇 第2弾 逆襲のギャラクシー 卍・獄・殺!!」
ここで轟轟轟ブランドというビートデッキの超強化カードが収録されましたが侵略というギミックと絶妙に相性が悪くバイク強化には繋がりませんでした。
この環境ではバイクは完全に姿を消すこととなります。
ここで殿堂改定によりドギラゴン剣、ジョーカーズらは弱体化を受けますが今後も環境に残るためバイクが戻ってくる隙はありませんでした。
DMRP-07 「双極篇 第3弾 †ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」
特に強化もなく環境外
DMRP-08 「双極篇 第4弾 超決戦!バラギアラ!!無敵オラオラ輪廻∞」
バイクは新たに強化パーツとしてベイブレンラ/スーパーエターナルスパークを獲得。
受け札かつ禁断解放の手助けを行えるため採用され少しではあるが環境と戦えるようになった。
この環境で過去一環境に影響を与えた殿堂が発表され、ドギラゴン剣、ミラダンテ、ブライゼナーガといったバイクがきつかったデッキが弱体化し立ち位置は少し良くなります。
しかし、全国大会2018では使用者0名と同じカラーの轟轟轟ブランドにお株を奪われてる感が否めませんでした。
DMRP-09 「超天篇 第1弾 新世界ガチ誕! 超GRとオレガ・オーラ!!」
このパックではメタカードのプーンギ、トリガーの仰ぎ見よ閃光の奇跡、KAMASE-BURN!、下バイク兼カード除去のグロール/カルドコバーンなどを獲得した。
デッキタイプ的に上バイクで2点か3点刻むターンを跨いだ攻撃になるため当時環境上位のヒラメキウォズレックや赤青覇道に不用意に手札を与えてしまうため環境的な立ち位置はあまり良くなかったようです。
DMRP-10 「超天篇 第2弾 青きC.A.P.と漆黒の大卍罪」
ここから本格的に公式のバイクプッシュが増えていきます。
このパックでは新たな強力な下バイクのブランキーが登場しました。
へブフォ+メタカード8枚+下バイ10枚+上バイ10枚+単騎+轟轟轟+禁断という構築はこの頃作られました。
DMEX-06 「絶対王者!! デュエキングパック」
このパックでは新たな上バイクのドレッドゾーン、条件付きではあるが3コストSAのドレッド、メタ効果を持つ3コスコマンドのザグナムと強力な新カードが収録されました。
この時期のバイクかなり強くて入賞数も多かったんですが、1ヶ月足らずでデッドダムドのクロニクルデッキが発売されたことでまたも環境から離れてしまいます。
第六章 イカれた環境で
DMRP-11 「超天篇 第3弾 零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」
このパックではパーフェクトファイア、パーフェクトネイチャー、ヴァイカーといったバイクの強化になり得るパーツが登場。
しかしその他の環境デッキがぶっ壊れすぎていたため特に活躍は見られませんでした。
DMRP-12 「超天篇 第4弾 超超超天!覚醒ジョギラゴン vs 零龍卍誕」
ここでは極限駆雷ブランドを獲得しましたが最大の強化はそこではなく殿堂改定でしょう。
特にミッツアイル、VV-8の殿堂が大きく、少しではありますがバイクの立ち位置が良くなりました。
第七章 超強化
DMEX-08 「謎のブラックボックスパック」
ここでバイクに革命を起こした、STAR SCREAMが登場します。
キルホール+スタースクリームによって理不尽な押し付けも可能になったバイクは構築としてかなり強くなりました。
DMRP-13 「十王篇 第1弾 切札×鬼札 キングウォーズ!!!」
バイクが完全に環境に復活するきっかけになったはこのパックのザボンバとUSABRELLAでしょう。
このデッキは環境トップのドッカンデイヤーやバーンメア、カリヤドネなどに強く出ることが出来たため環境で活躍しており、イカれたGR達へ対抗出来る数少ないデッキとなっていました。
この活躍と当時推されていたギミックのギャラクシールドとの噛み合いの悪さからレッドゾーンZが殿堂入りしてしまうものの、このあとも環境で活躍していくことになります。
2020年中期~後期
ここでは強化パーツとしてレッドギラゾーンを獲得したもののこの時点では採用は稀でした。
この環境では圧倒的なパワーを誇るドラグナーに対して刺さりの良い洗脳センノーと新規の下バイクである爆龍覇ヒビキを採用した型が主流になります。
しかしリースや赤白のヴァイカーというよりメタカードを使いやすいデッキタイプの登場により徐々に使われなくなっていきます。
それに追い討ちをかけるようにヘブンズフォースがプレミアム殿堂となり赤白バイクは完全に消滅。これ以降しばらくはバイクが環境に現れることはありませんでした。
2021年シーズン
この期間はDの侵略クリムゾーンや影速ザトリッパー、轟速ザreッド、そして後に環境を荒らし回る超神羅星アポロヌスドラゲリオンが登場しましたがこのときは環境へと出てくることはありませんでした。
DMEX-18 「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」
このパックでは超次元の王家が収録されました。
環境に復活とはいかなかったもののメタカードを採用することで環境とも戦えるデッキにはなりました。
第八章 不死鳥と黒いバイク
DMSD-20 「キングマスタースタートデッキ ジョーのS-MAX進化」
DMSD-21 「キングマスタースタートデッキ アバクの鬼レクスターズ」
このスタートデッキ二種により前述したアポロヌスを使用したデッキが完成しました。
3ターン目にカチコミ+侵略+アポロを揃えてワンショットを狙うデッキで、レッドゾーンは相手のトリガークリーチャーやブロッカーの除去が出来る侵略クリーチャーとして使われていました。
DMBD-21 「クロニクルダークサイドデッキ「終焉」」
ここでは超次元ゾーンから侵略出来る時空の禁断レッドゾーンX、受け札としてベガスランチャー、レッドトロン/フォビドゥンハンド、超次元バサラホールを獲得。
しかしデッキを見ればわかる通り正直このカード達ではパワー不足で環境には入っていきませんでした。
またこの頃アドバンスでは赤青のアポロが主流となり、オリジナルでは赤緑、アドバンスは赤青という使い分けがされるようになりました。
DM22-EX1 「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」
ここで現代パワーに近づく大きな強化カード2種が登場します。それがレッドゾーンFとザレッド/超次元キルホールです。
キルホール8枚体制にレッドゾーンF+レッドゾーン+バルチュリスという打点の揃え方が可能になったことでルーター兼下バイクになる超次元の王家を採用出来る赤青というカラーの評価が上がりました。
DM22-EX2 「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」
ここで現代バイクの基礎となる赤黒バイクの強化カード、禁断の轟速ブラックゾーン、超音速ターボ+1、絶速ザヒート、ドキンダムの禁炎霊を手に入れることになります。
特にブラックゾーンは今までレッドゾーン以外に存在しなかった火のTブレイカーの上バイクであり、ここからバイクデッキのメインカードになっていきます。
ブラックゾーンの登場により遂にバイクデッキから色も打点能力も乏しいレッドゾーンが抜けてしまうことなり、メタカードと新規カードだらけの全く新しいデッキへと変貌しました。
この環境で開催されたGP20231stのアドバンスでも赤黒バイクは予選突破者2位とかなりの活躍をしました。
またアポロでもブラックゾーンが採用されレッドゾーンの枠が削られるなど、レッドゾーンというカードの採用価値が下がっていきます。
2023年8月サガが殿堂したことでサガへのメタカードを採用する必要がなくなり更に構築が強化されました。
またGP20232ndでトップ8の入賞以降、オリジナルでもブラックゾーンを使用したクローシスバイクの入賞数が見られるようになりました。
アポロは2022年以降常に環境に居続け2024年3月に遂にアポロ本体が殿堂入りとなってしまいました。
そして2024年3月現在アポロという大きな相棒を失ったバイクは主に赤黒バイクが環境で活躍しています。
またオリジナルでは新規の偽りの希望鬼丸「終斗」を採用したクローシスや赤黒のバイクの開拓が楽しみなところでもありますね。
最後に
ここまで長々とお読みいただきありがとうござました。
私自身かなりレッドゾーンへの思い入れがあるのでデュエプレでの活躍も期待ですね。
次回は恐らく青魔の変遷紹介になると思います、どうぞよろしく。
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