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骨まで愛して


 

昔、知人が事務所を開くのでその案内状に使う写真を撮ってほしいと頼まれた。被写体は人骨にしたいと言う。後日彼が持ってきたのは人骨模型のプラモデルであまりにもチープだった。たまたま医療機器メーカーのカタログを持っていたので、そこでリアルな人骨の模型を借りたらどうかとアドバイスをした。後日彼がそのメーカーに問い合わせて持ってきたのは本物の人骨で、インド人女性の大腿骨と骨盤だった。(昔、インドでは医療用検体として死体を輸出していたが、そのために殺人まで行われるようになり輸出禁止になったらしい。)骨盤はあまりにも生々しかったので、撮影はしたが最終的に大腿骨を使った。
 「骨まで愛して」(城卓矢)という歌謡曲があったが、脚フェチだが骨までは愛せない。この骨の周りにある筋肉と脂肪によって形作られた柔らかな肉を脚フェチは偏愛するわけだが、肉は儚い。美しい脚もいずれは骨になる。どんな脚線美も骨の無垢な形には敵わないと思う。それでも脚フェチは煩悩に満たされた肉を愛してやまない。

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