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理論で学ぶウマ娘〜レースエミュレータ活用法〜

どうも、れがと申します。

チャンミ育成において、自分が必須ツールだと感じているレースエミュレータというものがあります

大変便利なツールなので知らない方にはガンガン教えているんですが、このツールの使い方を解説してある物はとても少なく、使っている方でもしっかり活用しきれていない人も多いと感じています。

自分自身もしっかりと活用できているかはわかりませんが、わかる範囲で使い方を説明していこうと思います。

1:レースエミュレータとは?

砂井裏鍵さん(Twitter:@urakagi)がライブラ杯の時期に開発したもので、ウマ娘のステータスやスキル、レース条件を入力する事で、そのウマが「単独で」レースを走った場合にどのような挙動を示すのかをシミュレートできるツールになります。
あくまで単独走行でのシミュレートになるので、逃げの競り合いなどのポジションキープ要素は考慮できない事や、競り合い条件で発動するスキルの発動位置は範囲内でランダムで選択されてしまう事には注意が必要です

当初は機能も少なかったのですが、細かなバージョンアップを繰り返してかなり信頼度の高いツールに仕上がっており、特に体力管理面においては他のツールの遥か先を行く完成度を誇っています

育成完了後のチェックはもちろん、育成途中に出した仮査定を確認する事で、細かなステータスやスキル配分を修正したりできるので、チャンミで上を目指すのならほぼ必須ツールと言えます

ただ、色々と細かな所まで確認できて走行性能比較にもかなり便利なのですが、データの読み取り方がわからなければ単なるスタミナチェックツールとしてしか活用できなかったりします。
機能を考えるととてももったいない使い方だと思うので、次の項目から色々と解説していきます。

2:レースエミュレータ各項目解説

2-1:入力画面

まずは入力画面です。
ここでは各種ステータスとスキルを入力していきます。

ステータス入力欄
スキル入力欄

ここは数値を入力したり、所持スキルやレース条件を選択するだけなので特に説明は不用かと思います。

エミュレート回数はある程度多い数値を設定した方がより精度の高いデータが得られます。
だいたい100〜300程度の試行回数を設定してあげるとちょうどいいのかと思います。
また、エミュレート開始ボタンの下にある1回ボタンを押すと1回だけのシミュレート結果を出す事ができます。

スキル発動率修正欄は修正無しの場合と確定発動する場合が選択できます。
基本的には修正無しで複数回の試行で性能チェックを行いますが、とりあえず理想データを知りたい場合には確定発動を選んで1回だけシミュレートすることも多いです

では、例として以下のウマ娘のデータを入力してみます。
エミュレート結果についてもこのデータを元に説明していきます。

サークルの交流レース用(阪神JF用)に育成したタキオンです。
パワーを901以上に叩けなかったのがかなり心残りですが、一応普通の育成でもこれぐらいならなんとか作れます。

まずステータスとレース条件を入力していきましょう。

ステータス入力画面

調子については、
・実際のレースを想定するならランダム
・チャンミ決勝や上振れを想定するなら絶好調
・基本的なポテンシャルを確認したいなら普通
・不調時のポテンシャルを確認したいなら絶不調

がそれぞれおすすめです。

次にスキルを入力していきます。

スキル入力画面その1
スキル入力画面その2

チャンミ本戦でデバフを想定する場合は「喰らう減速スキル」「喰らう疲労スキル」欄から任意のものを選択します。
視野系デバフは単体での効果は存在しないので実装されていません。

また、紫スキルについては現状ゲート難しか実装されていません。
もし、なんらかのデバフスキルの効果を反映したい場合は効果量をステータスに換算してステータス欄に入力する必要があります。

最後に「エミュレート開始」ボタンを押せば下にエミュレート結果が出力されます。
100〜300回程度試行する場合は計算時間が数十秒〜1分強程度かかるので気長に待ちましょう。

2-2:時計統計

ここからは実際のエミュレート結果の説明をします。

エミュレート結果

自分もよくこの画像の状態で添付しているので、見たことがある方がほとんどだと思います。
この画面からは色々な情報が読み取れます。

まず1番上の「時計統計」欄からです。

時計統計欄

主に他のウマとの性能比較を行う際に参照します。

この欄は仮想レース結果を集計したものです。

列部分は、

  • 平均:エミュレート結果全ての平均値

  • 最大スパート:最大スパートに成功したエミュレート結果全ての平均値

  • 非最大スパート:なんらかの理由で最大スパートができなかった結果全ての平均値

を示します。
最大スパートができていなければ対人戦では話にならないので、基本的には「最大スパート」の部分を確認するといいでしょう
他はぶっちゃけどうでもいいです。
最大スパートができていない≒敗北確定なので。

次に行部分です。

  • 実タイム:仮想レースを走らせた時の実際のタイムの平均値です。
    この数字が低ければ低いほど優秀な走行性能であると言えます。

  • 標準偏差:各仮想レース結果を平均値と比較した時のばらつきの大きさを示します。
    この数字が低ければ低いほど安定した走行性能であると言えます。
    逆に、この数字が高ければ、スキル不発による影響や、体力切れでゴール直前で失速している可能性が高いので注意が必要です。

  • ベスト:各仮想レース結果のうちで最も好成績だった結果です。
    ぶっちゃけあんまり確認する必要はないですが、ここの欄が比較対象とあまりにも大きな差がある場合(0.4〜秒ぐらい)はよっぽど条件が噛み合わない限りは実際のレースでもまず勝てないと思っていいかもしれません。

  • ワースト:各仮想レース結果のうちで最も成績が悪かった結果です。
    これもぶっちゃけあんまり確認する必要は無いですが、最大スパート欄でこの数値が高かった場合はスタミナと根性がギリギリすぎてゴール直前で失速している可能性があるので注意が必要です。

  • ゲーム表記:実際のレースで表示されるであろうタイムになります。
    ウマ娘のレースの仕様として、実際のタイムよりも長い時間が表示されます
    表示レースタイム=実タイム×1.18
    が基本となりますが、レースには下限タイムが設定されており、表示レースタイムが下限値を下回る場合には、下限値±1.0秒の範囲でランダムに選ばれたタイムによって上書きされます
    なので基本的にはこの項目もあまり確認する必要はありません。
    レースタイム下限値付近の結果が表示されていれば概ね問題はないでしょう。

基本的にこの項目は他のウマと比較するする際に使用するので、単体性能の確認の場合にはあまり気にする必要はありません。

2-3:スパート平均

次はスパート平均欄です。

スパート平均欄

主にスタミナと根性、回復スキルが足りているかを確認する項目です。

この欄は対象のウマがどれくらい最大スパートが可能なのかを示します。

  • 最大スパート率:読んで字の如く、ウマがどれくらい最大スパートが可能なのかを示します。
    上である程度試行回数を多くしないといけないと書いたのはこの数値をより正確に出すためです
    回復スキル無しの場合は95%以上、回復スキルを採用している場合には75%以上を一つの目安とするといいでしょう

  • 最大時耐力余剰:こちらは最大スパートを行った場合にゴール手前60m地点でどのくらいの体力が残っているかを示します。
    この項目があまりにも低すぎる場合は、ほぼ確実にゴール手前で失速します
    白回復1発分〜金回復1発分程度余剰を確保しておくのが無難です。

  • 非最大時不足分:こちらは最大スパートができなかった時にどのくらいの体力が不足しているかを示します。
    この項目は回復スキルを採用している場合は特に気にする必要はありません
    不発したらどのみち体力不足でレースに負けるからです。
    回復スキルを採用しない場合はこの数値をなるべく低く抑えられれば問題はありません

この項目で注意してほしいのは、これはあくまで最大スパートが可能かどうかだけを判別しているということです。

ウマ娘の仕様では最大スパートは終盤開始地点(ゴール手前1/3地点)からゴール直前60m地点までに体力を全て使いきれるように行うラストスパートを意味します
終盤開始地点からゴール手前60地点まで全力でスパートを決めてなお体力が残るようならラストスパート速度を維持しますが、体力が尽きた場合は失速します
つまり余剰体力がある程度無いと確実に最後は失速します。

他のスタミナ計算ツールとの1番の違いはここにあります。
全力スパートを最後まで維持するにはある程度余剰体力を残しておかなければなりません

2-4:直近レース詳細

次は直近レース詳細欄です。

直近レース詳細欄

レース中の速度変化などを確認するための項目です。

シミュレート結果のうち1番最後の結果をグラフとして表示する項目です。

最初に言っておくと、この項目は育成ウマ娘のチェックをする時にはそこまで重要ではありません
他の項目で十分性能の確認は可能だからです。

この項目は主にレースの目標ステータス、目標取得スキルを考察するために使用します

  • 背景色の意味:色分けされた区間が直線、コーナーや掛かりなどの属性を示します。

  • コーナー:レースのコーナーの位置を示します。

  • 直線:レースの直線の位置を示します。

  • 中盤入り、終盤入り:どの地点からレースにおける中盤、終盤に突入するかを示します。

  • 最初の登り坂、下り坂:レースにおける最初の坂の位置です。
    この項目がなぜあるのかというと、登山家などの坂スキルはレースにおける1番最初に突入する坂で発動するためです。
    坂スキルの有効性を確認するために用います。

  • ステータスチェック:レース場補正で参照するステータスを表示します。
    この補正は参照ステータスが〜300で5%、301〜600で10%、601〜900で15%、901〜で20%の補正をスピード値に適用します
    2つのステータスを参照する場合はそれぞれのステータスの補正値を1/2にして、合計します。

  • 最小タイム、最大タイム:レース条件における表示レースタイムの最小値と最大値です。

グラフ部分ですが、横軸がレースの経過時間です。
3本の折れ線グラフは、

  • オレンジ:体力消費

  • 藍色:速度変化

  • 薄緑:レースの通過位置

をそれぞれ示します。

また、縦線は、

  • :序盤、中盤、終盤の境目を示します。
    ラストスパート点については自分はよくわかっていません。

  • :スパート開始地点を示します。
    中盤と終盤の境界線にあれば問題ありません。

  • 濃緑:ポジションキープ終了地点を示します。
    逃げ以外の脚質ではこの地点より前に速度スキルを発動させても意味がない可能性があります。

  • オレンジ:速度または加速度スキルの発動地点を示します。

  • 水色:回復スキルの発動地点を示します。

  • ピンク:登り坂の位置を示します。

  • 灰色:下り坂の位置を示します。

  • :緑スキルの発動地点を示します。
    無視して大丈夫です。

を示します。
パソコンで表示する場合は見やすいのですが、スマホで表示する場合だとグラフが圧縮されて細かな速度変化などは確認しづらいので、横画面にすると見やすくなります。

横画面表示の例

速度変化などの確認がすごくやりやすくなっています。
また、グラフの任意の地点を選択すると、その地点での速度、残体力、スタート地点からの位置も確認することができます。

このグラフを確認することで、スキルが果たして有効に機能するのか、坂の影響はどれくらいあるのかなどがわかります
考察する際には必須と言える機能です。

2-5:各種パラメータ

最後に各種パラメータ欄です。

各種パラメータ欄

ステータスや速度、加速度性能などの確認に使用する項目です。

この項目は「スパート平均」欄と同じくらい重要な項目です
シミュレートに使用した各種データがまとめてあります。

ざっくり説明すると、

  • ステータス総合:ステータスの合計値が表示されます。
    高ければ高いほど効率的な育成ができています

  • 補正後:緑スキルや脚質適性、レース場補正などの各種補正込みでのステータスを表示しています。
    距離適性やバ場適性は直接速度と加速度に補正をかけるためこちらには反映されていません
    気になる方は補正後ステータスを近似値である1.1倍してください。

  • 初期耐力:レース開始時の最大体力です。

  • 金回復:金回復スキルの効果量をスタミナ値に換算した場合の数値です。

  • 白回復:白回復スキルの効果量をスタミナ値に換算した場合の数値です。

  • 終盤耐力消耗係数:根性値によって求められるラストスパート時に乗算される体力消耗度合いです。

  • スキル発動率:各種スキルの発動率です。
    発動条件を絡めたりとかはしていません

  • 掛かり率:掛かり状態に移行する確率です。

  • スタート、序盤、中盤、終盤目標速度:各地点における目標速度です。
    基本的にこの速度を目指してウマは走ります。
    気をつけるべき点として、スタート目標速度は根性値による補正は加算されていません
    気になる場合は自分で計算してください。
    また、終盤目標速度については最大スパートに失敗した時のスパート開始までに走る速度なので基本的に無視して大丈夫です

  • スタート、序盤、中盤、終盤加速度:各地点における目標速度に到達するまでの加速度です。
    スタート加速度についてはスタート目標速度に到達するまでの加速になり、到達した時点で序盤加速度に移行します。

  • 最高スパート速度:ラストスパート時の最高速度です。

この項目を確認することで対象のウマがどのような性能をしているのか具体的に判別することができます

また、速度や加速度、体力を直接比較するのにも便利です。
速度や加速度の差はとても小さいので、一見そこまで問題ないように見えてしまいますが、数百m分累積させると中々馬鹿にならない差になってしまうので、気になる方は頑張って計算しましょう。

基本的には白回復スタミナ量、スキル発動率、最大スパート速度、終盤加速度を確認すれば大丈夫です。

スタミナデバフを考える場合、デバフ込みでシミュレートを行うのが1番確実ですが、白回復スタミナ量からざっくりどれぐらいの影響があるか計算できます。
白回復スタミナ量を1/2すると白スタミナデバフの効果量と近似できるので、余剰体力と見比べて判断できます。

3:終わりに

とりあえず自分の把握している限りでのレースエミュレータの解説をしてみましたがいかがでしょうか?

レースエミュレータは競り合いやブロックなどの要素に対応していない欠点はありますが、かなり高精度な確認や考察ができるツールなので、みなさんもぜひぜひ活用してみてください。

また、疑問点や何か間違っている点などありましたらコメントに残して頂けたら幸いです。

ではでは、よいウマ娘ライフを!

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