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【寄稿】りーぷらイベント 5/31開催 リーガルテックイベント 視聴後レポート(前編)

こんにちは。覆面法務ライターのフクダと申します。
「りーぷら」から、視聴後のレポートを作成してほしいと依頼があり、寄稿します。

フクダの身元を知っている方も、ぜひ覆面はそっとしておいてください。 

リーガルテックイベント 企業3社の代表が語る「プロダクトへの想い」と「ChatGPTで変わる法務業務」

5/31にりーぷら主催で集まった、リーガルテック3社の代表者と事務局照山さんのディスカッションから印象に残った言葉と感じたことをまとめてみました。

告知資料です

参加企業の商品宣伝は1割も無く、むしろ、3名とも会社の代表者としての顔を忘れてテクノロジーの進歩と将来の夢を熱く語り始め、事務局までそれに乗っかるという予定調和では無いライブ感があり、「3年から8年先の法務部門の新しい役割」も見えた1時間でした。
最後は各登壇者、語り足りなさそうになっていましたので、次回も楽しみにしています。

以下、とくに主語のないものはディスカッションの内容書き起こしです。
記事用の録画も見返して記載してはいますが、あくまで速記ベースであることご容赦ください。
※「法務」とは基本的に企業法務部門または法務担当者を指しています

1.創業の想いとプロダクト(今のプロダクトは通過点に過ぎない)

1)印象的だったディスカッション
・他業種、他職種から見ると法務部門や弁護士の働き方は遅れている印象。
(wordファイルとテキストメールの応酬、ファイル探しやバージョン管理と保管。IT業界やデザイン業界が20年前に乗り越えてきた課題が未だ残っている)

・一方で法務部門や弁護士は勉強熱心。時代の流れを先読みして知見を蓄えることができるポテンシャルはある。これらの知見を活用して、AIとの対比において人間にしかできない仕事をする将来を作りたい。

事業部は感覚で物事をつかんでいることが多い。意外と細かいことに目が行っていないこともあり、全体を語ることができないケースもある。法務は契約書を作るために図式化、言語化してビジネスをつかむ。その図式化に法務の価値があるかもしれない。

・事業部門も管理部門も、それぞれは専門性が高くプロジェクトチームの企画段階のクリエイティブな状態では、良い成果が生まれるのに、契約事になった瞬間に噛み合わずに後味の悪いプロジェクトになるケースが多い。

・法務を含め管理部門は事業損失を避けるために、リスクの最小化を求めがち。事業部門からすれば必要なリスク判断をしたうえでのリスクテイクなのに、なぜ法務が責めるのか理解できない。

好き好んで法務に丸投げしたい事業部はいない。でも、法務と事業部は共通言語でしゃべっていない。(契約書の「第一条」がどこを指すのか、分からない事業部門の担当者もいる)だから、事業部は丸投げのような形式で連絡せざるを得ない。

・新米法務担当者が、事業担当者から(必ずしも法務とのコミュニケーションに慣れてるわけではない)、適切に事実を聞き出すことができず、実態とかけ離れた契約書が生まれる。このように事業知識の差により、ベテランと新人法務間でアウトプットに格差が生じてしまう。

2)ディスカッションから見えた各社のプロダクトの根底に流れる想い。
Hubble:法務は守りで、事業部門は攻め、立場の違うメンバーが集まって円滑に協働し、仕事を進めるにはどうしたら良いか?単にプロダクトを提供するだけでなく、他業界の経験を参考に解決策を考え紹介することがHubbleのやり方。

GVA TECH:スタートアップと大企業の格差だけでなく、大企業の事業部と法務部、中小企業と士業の間にも垣根(経験、資金、知見や認識の差異などから生じる格差を含む概念)が存在するこれを解消していきたい

ContractS:事業部門と管理部門が手を組みあってクリエイティブな方向に向かえば、とても良い成果が生まれる。そのためには、互いの感情の負債を貯めさせないことが重要。どちらかの部門だけの肩を持つのではなく、プロジェクト全体を見て円滑を進められるようにすることがContractsのビジョン。特定の部門ではなく、契約業務を起点を置いているので、例えば法務部の関与なしに事業部がセルフサーブで進めていく契約もカバーしている。

後編では、2.ChatGPTで変わる法務業務 から続けます。
お読みいただきありがとうございました。

■事務局から

本イベントは開催前のアンケートから、かなり注目をいただいていました。
しゃべり一本でどこまでリスナー各位に伝わるか、開催するまで不安はありましたが開催後のアンケートの回答数、ご満足率をみても一定のご期待には添えたのではないかと振り返っています。

知ってる人は知っている、覆面法務ライターのフクダさんにアーカイブのご協力をお願いしました。申し込み後参加できなかった方からアーカイブ提供のご依頼もいただいており、まずは本noteにて記事にするところから始めていきます。

登壇いただいた各社さま、ご視聴いただいたみなさま、記事をお読みいただいたみなさま、誠にありがとうございました。改めてお礼申し上げます。

フクダさん、ありがとうございました!後編もお楽しみに!(ほどほう)

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