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秘するが花。

よく、「自分こんなに頑張ってるねん」と言う人を前にしては、どう反応していいかわからなくなる。私は元来負けず嫌いでもあるから、人が頑張っていることを自己アピールしてきても、素直に感心することができない。でも、そこで対抗して「そんなら私だってもっと頑張ってるし!」なんて言うこともできない。だって、自分の頑張りを主張することは恥であるという感覚が私の中にはあるから。また、自分自身で頑張っていると言ってしまうことで、自分で自分の頑張りに限界を定めてしまっていることになるのではないかとも思えて。

そうやって「自分こんなに頑張ってるねん」と言って来る人の気持ちもわからないことはない。認めてもらいたいんでしょう。寂しいんですよ。自信がないんだなっていつも思います。すごくわかります。私にも自信なんてないから。でも自分の頑張りを主張することは正直痛い。

だからたとえ私の方が頑張っていると感じていても、私はいつもそんな人たちのことは『すごいね』と棒読みの4文字を発して片づける。それが姑息でまだまだ未熟な方法であると知りながら。

棒読みの4文字は正直心が苦しいけど、負けを認めている訳ではないから。頑張りを秘めている私の方が勝っている。言ってしまったらそこでその頑張りは何倍も価値が下がる。

自分が頑張っていると自負していても、それを公言するのではなく心のうちに秘めておくことで初めてその価値が生まれてくる。言わぬが花。私なりの秘するが花。


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