見出し画像

2023夏_日盛りの広場と市場と図書館と【蓮ノ空舞台巡礼】

以前の記事で紹介したスタンプラリーを終えたのは14時半頃。
宿に引き上げるには早い時間だった。
ふと思い立ち、改めて金沢城公園に向かうべく、私は再びバスに乗り込んだ。


■ 金沢城公園 新丸広場

南町・尾山神社バス停を降り、尾山神社の神門をくぐる。

先ほど通った道をたどりながら、金沢城公園鼠多門から園内へ。
旧第六旅団司令部横を通り抜けた先に、目的地の新丸広場が見えてきた。

公園管理事務所近くから見た新丸広場

ここは雑誌「LoveLive!Days」2023年4月号掲載のイラスト連載「LinkGirls」にて、花帆と梢の練習風景としてこの広場が描かれている。背景の城郭や平たい台(ベンチ)が特徴的な場所だ。

掲載されたイラストに近い画角で1枚

普段から市民の憩いの場として広く親しまれているという新丸広場。
開けた空に一面の芝生。身体を動かすにはこの上なく良い場所だと感じた。

この場所を練習の場に選んだのは元から金沢に居た梢だろう。家族と、あるいはクラブの仲間と訪ねた経験があったのかもしれない。待ちに待った後輩と歩みだしたスクールアイドルの道を楽しむ梢の心情に触れることができた気がした。
トレーニングとして柔軟を始めたばかりの花帆にとっては、痛恥ずかしい思い出の地になったかもしれないが、それはそれ。

思いを馳せた私は、広場から程近い黒門から公園を出た。

■ 近江町市場

金沢城公園黒門の目の前に延びる道を数分歩き、上近江町通りに入る。
近江町市場に戻ってきた。アーケードに入ってすぐ、涼やかな氷柱が迎えてくれた。

近江町市場 鮮魚通り口近くの氷柱
訪問の前月にニュースで存在を知った氷柱、目に入るだけで涼しさを感じられる癒しスポット

鮮魚通り口から市場に入ると、蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さまにはお馴染みとなったお店や風景がすぐに見えてくる。

DOLLCHESTRA ゆかりのいっぷくや(横丁)―残念ながらこの日は定休日
(だが、店の灯りは点き、店員さん方が作業なさっていた。全てを知ったのは秋になってから)
リンクラ・活動記録(ストーリー)の背景にも登場する鮮魚通りと中通りの交差点付近

夕方近くだったことに加えて、週半ばで定休日のお店が多く人通りはまばら。活況ある姿こそ市場の本懐かもしれないが、落ち着いた雰囲気の中、作中で描写された場所を探し歩くことも舞台巡礼としては一興といえる。

別の視点では、リンクラ・活動記録(ストーリー)の説得力を感じたともいえる。
活動記録(ストーリー)第5話で、綴理はさやかに朝5時集合と伝えたうえで近江町市場に連れてきて、れいかさんの指示の下、いくつかのお店の手伝いをする。女子高校生の朝活にしては早い部類に思えたが、この市場のリズムに合わせると必然であることを、昼下がりの市場を歩いてみて再認識した。
ストーリーの意外性(出会って間もないさやかに起こしてもらっている綴理が、突然早朝の集合を持ちかける点や前後のテンポ感)と街のリズムとが合わさるところに、独特の趣深さを感じた。

穏やかな時間が流れる市場をゆっくりと散策しながら、いちば館広場まで戻ってきた。

■ 石川県立図書館

時刻は16時。夏至から2ヶ月近く経ったとはいえ、日はまだ高い。そこで、石川県立図書館を目指すことにした。
武蔵ヶ辻・近江町市場バス停から10系統東部車庫行きのバスに乗る。香林坊や兼六園下などを通り過ぎ、20分ほどで図書館近くの崎浦・県立図書館口バス停に着いた。
バス停から歩きはじめてすぐ、近代的な建造物が見えてくる。

中に入ると、図書館の概念を覆す優美な空間が広がっていた。

以前から報道やSNSで存在は知っていたものの、実際に訪れてみると、その空間にただただ圧倒された。

訪問時点(2023年8月)では、石川県立図書館は『Link!Like!ラブライブ!』オープニング映像にワンカット登場するほか、本好きな花帆が石川県立図書館に行ったとのコメント(2023年6月8日のアフター配信)がある程度だった(その後、103期1月度Fes×LIVEの会場として登場している)。
限られた情報の中で、館内の風景を収めていく。

オープニング映像に登場する、4階リングからホールを見下ろす画角

偶然なのか定かではないが、オープニング映像に写る館内を写した通路の近くには海外発の小説を集めた「世界で愛されるファンタジー」というコーナーがあった。ハリーポッターなど海外の児童書・文学を嗜む花帆にとっては、館内でも特に心を弾ませるスポットだろう。

「世界で愛されるファンタジー」

後に花帆は、自ら作詞した楽曲「Special Thanks」この図書館で披露することになる。作詞担当として壁を乗り越え、成長した彼女を支える一端は、豊富な書物と優美な空間を有するこの図書館で育まれたものかもしれない。

ただ、このときの私はそうした未来が来ることを知る由もない。
この先、花帆達はこの場所とどう関わっていくのか、どんな物語を生み出すのか、期待を寄せながら、私は石川県立図書館バス停始発の金沢駅東口行きバスに乗り、図書館を後にした。

■ おわりに

この記事では、夏の日の午後に金沢市内の舞台を巡った思い出をまとめた。
各種媒体で描かれてきた場所を時間をかけて巡ることで、彼女たちの思考や行動の原点を垣間見て、実在性の高さを感じることができた時間だった。

市内観光の面では、3時間ほどの市内散策を楽しむことができた。
スタンプラリーで街中を巡った後の散策だったので、要所要所の距離感も掴めた状態。バスと徒歩を組み合わせて効率的に移動でき、私の頭の中にある金沢市内地図の解像度を高められたのも収穫の一つであった。

●訪問日:2023年8月23日
●訪問地:金沢城公園近江町市場石川県立図書館
●天候:曇り(最高気温35℃)【tenki.jpのデータ

―参考サイト・書籍―
▼北陸鉄道株式会社 「石川県立図書館へのアクセス
▼ラブライブ!総合マガジン「LoveLive! Days」2023年4月号、pp.24-25
▼金沢市フィルムコミッション「【発売中】ラブライブ!総合マガジン「LoveLive!Days」4月号」(2023年3月7日配信)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?