村上春樹『アンダーグラウンド』 感想文
本書を読むにあたり、いくつかの戸惑いがあった。
1)この分厚い本を果たして読了できるだろうか?
2)個人的な話ではあるが、私は物語にある種の追体験をしてしまう傾向にあるため、ここに記されたリアルに対して自分の心を保つことができるだろうか?
3)1)〜2)を踏まえた上で、そもそも読むこと(知ること)に意味はあるのだろうか?
ということである。
1995年3月20日、私はテレビの中継で事件を知った。四半世紀近く前の記憶なので完全に一致しているとは断言できないが、「オウム」「地下