アイメイクができない理由

目に関してはこれをまとめている31年間の今までの人生で何回も「整形?」と訊かれてきた。どこもいじってないのに。
そういう事を訊いてくる奴はヘラヘラしながらこちらの様子を窺うような態度で訊いてくるので余計腹が立つ。
訊いてくる方は自分の目にコンプレックスがあるから、勝手にそんな疑惑を持つのである。なおかつ自分では自分のコンプレックスに向き合わないからそのようなヘラヘラした態度になるのだろう。そして、自分がコンプレックスでおかしなことになっているというその自覚がない浅薄な脳みその中身の持ち主なのである。関わりたくない相手。

私の目は、「小鳥目」というタイプで、眼球が前に飛び出してて、瞼のシワが3、4重ある。
瞼のシワの数は、疲れ度合い、睡眠量、体調によって変わる。
これは残念ながら父方からの遺伝で、そっち側の一族はみなそんな目をしている。妹も、私と全く同じタイプの目。
弟は母方に似ており瞼がはれぼったくて、奥二重。母親は眼球自体が小さいが、弟は目が大きい。私と弟はもともとは垂れ目、垂れ眉であったが、私の方は成長に従って人間世界で揉まれるうちに吊り目になってきた。

私は自分の顔に関してそこまで自意識が強くないから二重でも一重でもなんでもいいのだけれど、目がコンプレックスの人にとっては疑いを抱かれるような目なのだろう。

このように生まれつき瞼がシワシワだからか、それとも、もともとアレルギー体質だからか、どちらか分からないが、今はアイメイク一切ができない。
20代前半の頃は、社会的な目的のためにアイメイクをしていた。
服遍歴のところでも書いたように、例によって他人から見て「まとも」に見せるためだ。マスカラもアイシャドウもしていた。
アイメイクをした日、一日が終わって夜、綿棒とコットンを使って丁寧にアイメイクを落としても、次の日の朝、目が覚めたら、目やにが大量に出ている。
そればかりでなく、その日一日中、目やにが止まらない。
目やにだけではない。目に異物感があり、見た目には上瞼は全体的に腫れてるし、下瞼は涙袋全体が腫れたようになっている。
次の日はアイメイクをやめて肌と粘膜を休ませないと腫れが引かない。
アイメイクを控えて、完全に目がもとに戻るまでは三日くらいかかる。その間アイメイクはできない。

アイメイクの中でいちばん体に負担があるのがマスカラで、マスカラをすると眼球の表面がひりひりして、カラカラになってくる。
コンタクトをしてマスカラをすると、二、三時間で、耐えられないほど目が沁みて痛くなるから、耐えきれずに外出先でコンタクトを外した経験が何度もある。
世の中のコンタクトつけてマスカラしてる人たちは何も感じないのだろうか?

そのうち、マスカラを塗った瞬間から目にしみるようになった。まばたきするたびに痛い。瞼をこじ開けられて、ホルマリン液を垂らされてるような感覚で、いっときも耐えられず、発狂しそう。
それが20代前半のこと。
それ以降、もう、マスカラは使えなくなった。マスカラは私には一生縁のないものになった。

その後、「目じりだけにアイライン」「シャドーは一日おき」に変えた。
マスカラをやめてアイシャドウ、アイラインだけになっても依然としてアイメイクをすると目に違和感を覚えていた。
目のキワにするメイクは、実のところは体に悪いんじゃないか、と思う。メイク本や雑誌は、「まつ毛の間を埋めるようにアイラインを引く」などと指南していたりするが、無責任で罪深いなあ、と強く思う。失明の可能性があるんじゃないかとまで思う。それくらい目がツラい。

アイメイクをすると、目の負担が体全体に波及して、体調まで悪くなっていた。
それで、もう、アイメイクはしないという決断をした。
27歳以降は、一切、アイメイクはしていない。
このままアイメイクを続けていたら気が狂うと思ってマスカラもアイラインもアイシャドウもみな捨てた。

仕事へは、下地+眉+リップで行っている。リップしない日もよくある。
体が受け付けないから、もう、アイメイクは、一生しないだろう。

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