私は化粧には全然興味がないものの、香水は好き

化粧にはほとんど情熱がないが、香水はわりと好きで、私の家には香水のアトマイザーが30個くらいある。瓶に入った香水は20本くらい。
夜、寝る前に、その日の気分によってその中から1つ選んで一噴きする時に、とても贅沢な気分になる。
こんなこと、実家にいたときはできなかった。
色々自由に試せることに幸せを感じる。

香水というのは音楽に似ている。実体が分からない、目に見えないもの。
すごくロマンチックな存在だと思う。
はじめから終わりまで目に見えないまま消えて行くから、完全に、感覚の、贅沢。

香水のレビューは難しい。音楽の感想と似ている。
どちらも目に見えないし、完全に感覚的なもの。
言語化するのが難しいもの。

香水は香りと同等の比重でビンのデザインも重要だと思う。
香りが気に入って買ったものでも、香水瓶のデザインが気に入らなくて使わなかったものが今までに三つある。
どれもただの薄い立方体のビンで、全て日本製だった。香りはシンプルなもの。
シンプルな香りに合わせて「クリーンでミニマルなデザイン」ということだったのかもしれないが、その見た目に心浮き立たせるものがなくて使う気が失せてしまった。
使わないともったいないから今はお風呂上りにお風呂を掃除したあと、風呂場に二プッシュして使い切っている。同じく、アトマイザーで気に入らなかったものも、そのようにして使い切っている。

香水はフルボトルを買えば、使い切るまで何か月、何年もかかり、そのあいだずっとインテリアの一部として部屋の中に存在し、香りを吹きかける時はそのビンを手に取ってよく見て、香りを吹きかけるわけだから、ビンのデザインは香りのイメージに合って、視覚的にも満足感を与えてくれるものであるべき。
香水自体が実体のない、儚い、夢のような存在であるから、ビンも夢を描き出させてくれるものじゃないとダメだ。


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