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#信号処理

トゥルーピーク ~ デジタルデータのサンプル間は直線ではない~デジタルの誤解を解く

まえがきオーディオ系のお話です。 この記事は Kindle 電子書籍 「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発 : エフェクター・プラグインが数分~で作れる!(VST/AU)」 の「サンプリング(標本化)定理」と「トゥルーピーク」の項を抜粋して再編集したものです。 サンプリング(標本化)定理サンプリング周波数を Fs とすると、「最高周波数(広義には信号帯域)が Fs/2 未満の信号であれば、サンプリング周波数 Fs 以上の標本化によって情報の消失なしに離散化で

MATLAB R2023b (偏った)アップデートメモ

まえがきそろそろ秋ですかね。 MATLAB アップデートの季節です。 秋が一番好きなのですが、だんだん短くなってきているようで悲しいです。 MATLAB で気晴らしするしかないですね。(-_☆) メモ的に、自分に関係ありそうなアップデート部分を列挙しておきます。 Live Editor-タスク ライブエディター中のコードを選択して タスク への変換ができるようになりました。 変換が成功すると、新規ライブスクリプトが開いて挿入されると同時に「マイ タスク」に登

System Object Plugin ~ Simulink にもそのまま読み込めるプラグインを作る

まえがき前回の記事で、以下のように書きました。 Audio Plugins in MATLAB を読んでもイマイチ、Basic Plugin と System Object Plugin の違いが、継承元が異なる以外分かりません。 さらに、「MATLAB環境におけるオブジェクト指向プログラミングをより高度に理解する必要があります」みたいなことが書かれています。 あまり近寄らない方が良いのかもしれませんが、Simulink に組み込めるようにするだけなら簡単なので、一応や

MATLAB でマルチチャネル対応 VST 開発 ~ Ducking VST ~ ナレーションに合わせて BGM 音量を自動調節

System Object Plugin を直接作る方法の記事を追加しました。(2023/1/2) System Object Plugin ~ Simulink にもそのまま読み込めるプラグインを作る まえがきAudio Toolbox では、2ch を超えるマルチチャネル入出力に対応しています。上限は特に書いてありません。 マルチチャネル対応の VST を作りたい場合、audioPluginInterface() で 'InputChannels'、'OutputC

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Ducking VST (Reaper版)

Reaper に挿してみました

パンクでアナーキーな(?)MATLAB

まえがきMathWorks か IEEE かどっち NaN だい!?~ atan2 の定義域を巡って で、「極まれに MathWorks さん、世間標準に刃向かうパンクなところがある」と書きましたが、「じゃあ他の例は?」ということで、MATLAB と他の環境を行き来する上で注意すべき点をいくつかご紹介したいと思います。 Look out ! 'cause here she comes ・コメント、不等式 これは言語仕様なので仕方ないですが、 コメント C:/* ..

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Ducking VST

audioTestBench だと(多分)マルチチャネル入出力設定できないけど、Simulink に組み込めばできることが判明 組込み用にソース手直しは一切不要 試しに4in-4out で、ナレーション部分で自動的に BGM 音量を調整する「ダッキング VST」 を作ってみました

ストロークを平均化 ~ MATLAB の figure に callback を設定してお絵かき

数式を平均化フーリエ級数展開 任意の曲線は、(一定の条件下で)フーリエ級数展開によって sin/cos の和で表せます。 それを応用した、「手書きひらがなの平均を求める」、というのがありました。 みんなの手書きの「あ」を集めて平均するとどうなる? ひらがなの平均手書き文字は綺麗 面白いな、と思ってMATLABでちょっと試してみたので解説を。 論文では、ストロークデータを折り返して閉曲線にしたり、元との差が十分小さくなる次数まで展開したりしています。 それならばD

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(4)~ フィルター周波数・バンド幅をマウスで操作

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(1)~フィルター特性を変えてグラフ表示 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(2)~ストリーミングオーディオをフィルター処理 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(3)~タイマー割り込みでスペクトル表示(非同期FIFOを使う) まえがき前回で終わる予定でしたが、追加ネタを思い付いたので。(u_u) マウスでフィルター特

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(3)~タイマー割り込みでスペクトル表示(非同期FIFOを使う)

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(1)~フィルター特性を変えてグラフ表示 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(2)~ストリーミングオーディオをフィルター処理 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(4)~ フィルター周波数・バンド幅をマウスで操作 まえがき(1)、(2)に引き続き、今回はフィルター処理前後のパワースペクトル表示を追加してみます。 毎フレ

externalAudioPlugin class ~ MATLABで外部VSTプラグインをホスト ~ 動的変数名を使ってVSTパラメータをセットする

※ R2022aではパラメータの並び順が、  loadAudioPlugin() : audioPluginParameter の設定順 で変更なし  パラメータファイル : アルファベット順 に変更 となりインデックスによる突き合わせができなくなったため、パラメータファイルをMATLAB上で適用する手段がなくなりました・・。  → 解決法が分かりましたので、具体的な方法はこちらをご参照ください。(2022/05/14) MATLABでVST開発 ~ Map オブジェクト(

Devil With Angel Heart~ MATLABで綺麗な「ボケ」を作ろう~決め手は対数~巡回畳み込み・直線畳み込み、MATLABでブロック処理

・絞りカメラのレンズには「絞り」という露光量・被写界深度を調整する機構があります。 写真の「ボケ」はこの絞りの形になります。 これは上の7角形絞りレンズで撮った写真です。 こちらは丸絞りレンズで撮った写真。 背景のボケが、絞りの形になっているのがお分かりになるかと思います。 絞りの代わりに、レンズの前に何かの形に切り抜いた黒い紙等を付ければ、その形のボケを出すこともできます。 今回はすでに撮った写真のボケを、信号処理でハート型のボケに変換してみましょう。 被

MATLABでVSTプラグイン開発 [初級編]~数分?で作れるVST~LMSで無相関プラグイン

電子書籍発売しました!(2023/01/22) 動画・音声リンク付き紹介記事はこちら。 Amazon Kindle 電子書籍「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発」 スクリプトはどなたでも無料でダウンロードできます。 だいぶ前に「夏休みはVST! MATLABで楽々(?)VSTプラグイン開発」 という記事を書き、おかげさまでこのnote中ぶっちぎりの一番人気(あっ、いや、HRTFの記事がトップに躍り出てました!(^-^; )なのですが、色々詰め込んだため3万

スマホのセンサー情報をMATLABで使おう

今回は、MATLAB Mobile アプリでスマホのセンサー情報を扱う方法についてです。(要MATLABライセンス) 色々なことができるので、基本的な使い方だけ。 今回の例では、スマホを動かすと、リアルタイムにスマホからのセンサー情報を表示しながらMATLAB上のグラフが回転します。 早速やってみましょう。 準備PCとスマホをネットワークに接続 PCでMATLABを起動  環境 -> アドオン -> ハードウェアサポートの入手 で、使うスマホに合わせて "MATLA