アスペクト辞典６　天王星　海王星

アスペクト辞典６　天王星　海王星　

トランスサタニアンプラネット。「土星を超えた惑星たち」という意味ですが、これらの惑星が、占星術の体系に付け加えれたことは17世紀、18世紀の科学革命のたまものです。

天王星

1668年にニュートンによって発明された反射望遠鏡をウィリアム・ハーシェルが改良し、1781年土星の外側に回る天王星を発見します。この惑星は、1777年のアメリカ合衆国の成立、1789年のフランス革命と結び付けられて、人間の理性の勝利、自由・博愛・平等などの観念と関連付けられます。また、フランクリンの雷の正体が電気であることを証明した凧の実験、クーロンの法則、ボルタの電池、など電気と通信技術と意味が重ねられています。

海王星

1846年、フランス人・ルベリエ、イギリス人・アダムスの計算した位置でベルリン天文台のガレが海王星の観測に成功。インターナショナルな学際的な発見となりました。この時代は、1846年にマルクス・エンゲルスの共産党宣言が発せられ、ガソリン自動車や写真技術の実用化されます。また、ニューエイジの母といわれるマダム・ブラバッツキーが活動を開始した時代でもあり、北米ではクェーカー教やモルモン教などユートピア的な千年王国運動が展開された時代ともかさなっています。そのために、海王星はインターナショナルな無国境主義。石油エネルギー、映像技術と関連付けられるとともに。神秘主義や近代芸術運動の流れと結び付けられています。

冥王星

1930年に、ローウェル天文台のクライド・トンボーによってパーシバル・ローウェルの惑星Xプロジェクトの成果としての発見されました。令名ではかなりもめて、ミネルバ、クロノス、プルートーという名前が提案され、Percival Lowellの頭文字との関連付けが印象づけとなり、PLの占星術記号にもなりました。日本語では冥王星、ベトナムでは閻魔星といわれています。この時代は、核エネルギーの発見、ナチスの台頭から、惑星規模の世界大戦の開始の時期でもあった。アインシュタイン、ボーアの量子力学やフッサール・ハイデッカーなどの現象学哲学など、根源的な問をもつ知性もこの時代の特徴となったのです。智慧の神、ミネルバ、時空の神クロノス、冥府の神プルートー。それぞれ提案された名前はまさに20世紀の時代精神を象徴しているといえそうです。

冥王星は2006年に惑星から準惑星に降格されましたが、占星術的な作用は相変わらず激烈です。2019年2020年の、土星・冥王星コンジャンクションにおける香港問題に象徴される世界史が証明しているといえるでしょう。1月13日の土星０冥王星前後においては、オーストラリア森林火災、フィリピンの火山爆発、ソレイマニ暗殺など悲惨な事件が起こっています。

21世紀にはいって、海王星外天体・トランスネプチュニアン天体と呼ばれる天体が、続々発見されています。ドーリルなどの神秘主義の伝説では、ニビルといわれる太陽系を逆に回る楕円軌道の三千年周期の巨大な惑星があるともいわれています。そこには巨人族がすみ、太古の人類を遺伝子操作によって生み出したというニューエイジの伝説もあります。

18世紀　天王星　19世紀　海王星　20世紀 海王星と続くながれをみると、21世紀に驚くべき、天文学的発見がないとも限りません。21世紀の時代精神を象徴するような新惑星がまだ出てこないとは限らないのです。

トランスサタニアン惑星の働きは、古典七惑星の働きが個人の人生の実質を担っているのに比べると限定的にも感じます。その働きは主観的には明確なのですが、結果をもたらすには土星までの古典惑星という着地点が必要なようです。

それを料理にたとえて、ビーフシチュウかビーフカレーかという話をします。
古典惑星が、野菜とか肉とかの具材なら、トランスサタニアン惑星はスパイスに例えられます。栄養学的にはビーフシチュウとビーフカレーの差はわずかですが、味は激烈に違うものになります。

天王星は、他と違う独自性や激しい自己主張を表し、海王星はイマジネーションや芸術性に生きることを志向し、冥王星は激しい執着と手放しの繰り返しによって生まれる、人生への根源的な探究心が加わります。

天王星・海王星・冥王星が効いた、個性と想像力と探究心がある人。そういう人を「非凡な人」といいますね。

天王星・海王星・冥王星について知ることは、あなたがいかに「非凡か」「普通の人ではないのか」を知る鍵になるのです。

これらの惑星は、天王星で84年、海王星で165年、冥王星で247年です。

これらの惑星のアスペクトについてはすべて、世代アスペクトになりますし、動きが遅いので、セクスタイル、セミスクエアなども拾っていきます。