2日間で売上2500万円のセミナー!近藤麻理恵さんの「スゴさ」がわかるnote(長い)
このnoteには
・なぜ彼女は人気なのか
・Konmari Method™は他の「片付け」とは何が違うのか
・彼女のビジネスの仕組み
・どれだけ凄いことなのか
を考察した結果が書いてある。
英語を話さずに世界で一番影響力のある日本人になった人
現在世界で最も影響力を持っているとも言われる日本人女性,近藤麻理恵さん。
ものすごく小さくて(150cmないんじゃないか)髪型も可愛い日本人形みたいな彼女が,自分の名前がついたNetflix Seriesを持っている。
しかもやっていることは「片付け」。
そんな彼女は徹底して英語を話さない。テレビ出演するときなど,常に通訳がいて,インタビューや講演,説明などもすべて日本語。簡単な英語すら話さない。あえてすべて日本語で返答している。オンライン動画には彼女が英語で説明しているものがあるけど、日本語アクセントが強い英語を話している。
ここから、現在最も影響力を持っている日本人は英語を話さずにその影響力を手にしたことがわかる。
Netflixで自分の名前が題名についた番組を持てるひとは世界でごくごくわずかで,本当にすごいことなんだけど、英語を一切話さないというのは中でも異色。
海外で有名なアジア人といったら,ダライラマも,マララも,Psyもみんな発音に難があっても英語を話す。英語を話さずに海外メディアでこれだけ人気になるのは近藤麻理恵さんか韓国のアイドルグループぐらい(最近のアイドルグループはみんな英語をある程度は話す)。
彼女は片づけ方(Konmari Method™)を説明するときに”日本文化”ということを交えて説明する。全然関係なくても何らかの方法で日本文化を結びつけようとする。彼女の著書にもThe Jpanese Art of ...という題名がついている。これは、ヨガや瞑想のようにすでに欧米人たちがもつ「アジア的なものへの関心」が彼女の人気と深く結びついている。だからカタコトの日本語なまりの英語を話して頭が悪そうな印象を与えるよりも、あえて全て日本語でテレビ出演などしているのが彼女の強みにもなっている。
では,そんな彼女がどうして人気になりえたのか?何がそんなに興味を引いたのか?
そもそも彼女はなぜ有名になったのか?
では,彼女はどうしてそんなに有名になったのか?
そして,どうして欧米で大人気になったのか.
近藤麻理恵さんを知らない人向けに簡単に経緯を紹介すると,彼女は2014年に出版した本The Life-Changing Magic of Tidying Up: The Japanese Art of Decluttering and Organizing が大ヒットして一躍有名になった。
それからも個人的に片づけコンサルタントをやり続けて、本の発売から4年後ぐらいにアメリカの有名テレビ番組の数多くに出演するようになった。
なぜ有名になったのか?に対する答えは「本がウケたから」というのと、その後の彼女の地道な活動で知名度が上がったから。ただこれらは彼女がすごくなっていくきっかけに過ぎない。
主婦層にウケる掃除のHow To本は一過性のものが今までも多くあった。日本でもあるように世界中で掃除は人気のコンテンツだから。しかし近藤麻理恵さんの場合,その人気はしぼんでいくどころか,毎年大きくなっていった。そして人気と彼女のKonmari Method™への需要から彼女は大きなビジネスを作り上げいる。
ではなぜ彼女の人気は数年経っても増え続けているのか?
どうしてKonmari Method™がこれだけの興味を集め,また実際に経験した人がファンであり続けようとするのか?
この疑問へのポイントは,彼女のKonmari Method™は片づけ方の効率の良さよりも片づけを通したコーチングの機能にある。
*コーチングとは?
コーチというとスポーツを教える人というイメージが強いが,競技とかの文脈の外でコーチングという言葉を使う時にはすこし意味合いが違う。コーチングとは,コーチする側がコーチを受けるひと(クライアント)に人生の目的に向かって何をしたらいいのかを考える手助けをし,最終的にはクライアントが自分で考えて行動できるようにすること。
Konmari Method™とは? 断捨離?
ではそのKonmari Method™とは具体的に何なのか。
片づけられない,モノが多すぎるという人たちの悩みは「捨てればいいじゃん」では解決しない。「片づけたいけど捨てられない」だったり,どこから手をつけていいかわからなかったり,片付けようとしても途中で挫折してしまうから片づけられなくて困っている。物は使わなくなっても,どこか空いたスペースに突っ込んだり箱に詰め込んだりしておけば日常生活に支障がない。だから捨てる習慣がなければ洋服や雑貨類などはどんどん溜まっていく。
片づけに挑戦して「失敗した」と思うことは嫌な経験で,同じことを数回失敗すると,無意識に離れようとしてしまう。それゆえ片付けというだけでアレルギー反応のように拒絶してしまう人がいる。そして片付けが苦手なひとは世界中に大量にいる。
では片付けが苦手なひとたちは,どうやったらできるようになるのか?もっと問題を具体的にすると,どうやって効率的に,途中で挫折しないように片付けができるのか?
人それぞれ違った生活をしていて,違った人生を送っている。それゆえ,どんなモノがどれだけ大事なのかは人それぞれ違う。誰にでも役に立つ「片付け方」なんてありえるのか?
もしあるのなら知りたい。そう思う人がたくさんいる。
そこで「片付け」のやり方の原理原則を明確にしているのがKonmari Method™。
Konmari Method™を簡単にまとめると(4つのポイントに注目)
まず,①部屋ではなく,家単位で(アパートなどの場合はすべての部屋を)いっぺんに片付ける。そして,②片付けるときには,部屋ごとに片付けるのではなくて,モノの分類ごとに片付ける。例えばリビングを片付けてから寝室を片付けたりするのではなくて,洋服を片付けるときは洋服を,本を片付けるときは本をというふうに片付ける。そして,その際にまず③一箇所に集めてそれから捨てるモノと残すモノを分ける。例えば服を片付けるときには,まず家中のすべての服を一箇所にもってきて分類する。ではそのときにどうやっているモノといらないモノを分けるか。この最大の疑問への答えが④「ときめき」があるかどうかで決める。大まかに分けるとこの4つのポイントがKonmari Method™。
部屋単位ではなくて,モノの分類ごとに分けて片付けるというところが
「効率的に,失敗しない片付けのコツ」で、一番大事なのがこの最後の「ときめくかどうか」という考え方。ここにKonmari Method™が特別になるポイントがある。
「ときめく」かどうかはどうやってわかるのかと疑問になるけど,これは特に論理とかは関係なく自分がどう感じるか次第。自分がそうだと思えばそれが正解。この点がKonmari Method™が人生を変えるという点と密接に関わるからあとで説明する。
ともかく,自分の部屋にあるものを手に取って見た時に「ときめくもの」と「ときめかないもの」に分けて,「ときめくもの」は整頓して残し,「ときめかないもの」は感謝して捨てる。*ときめかないものでも,生活で必要だったら残すという例外もある。
彼女の本を読んだことがない人からしたら,彼女の言っていることが「ものには感謝して,いらないものは捨てなさい」って言っているだけじゃないか?と思ってしまうかもしれないけど、海外で売り物になったのはそこで止まらなかったから。
身の回りの物を選別するということは,自分の生き方を考えるということとすごく深く関係しているとても大事なこと。だから,Konmari Method™を「片づけ方」ではなく,「身の回りの物の選択,整頓を通したコーチング」と見ると片付けで「人生を変える」と言える理由がわかってくる。
断捨離とはなにが違うの?
ものを「必要」か「必要ではないか」で分ける人が一番多い。ではその「必要」か「必要でない」かを決めるのはなにか。
生活で使う場面がどれくらいあるのかがまず一つの基準。しかし,必要かどうかわかりにくいモノもたくさんある。例えばよく溜まってしまいがちなのが「洋服」。洋服がなぜ溜まってしまうかと言ったら,着なくなったからといって必ずしも着れなくなったわけではないから。もしかしたら着るかもしれない。家でパジャマとして着れるかもしれない,冬に重ね着で見えないように着るかもしれないなど完全にゴミになることはない。それに洋服一着単位でみたらほとんど場所をとらない。でも捨てずにため込んでいくと気が付いたら大変な量になっている。
さらに,人生では必要なことだけをするわけではない。必要性では分類できないような,趣味で使うものや思い出があるものなどがある。そういうモノは一体どうやって捨てるかどうか決めたらいいのか。そこで彼女が提案したのが「ときめく」か「ときめかないか」という分け方。
ここまでで気がついている人が多いと思うけど、彼女が紹介していることは「断捨離」に非常によく似ている。*断捨離ブームが起こったのは彼女の最初の本が出るよりも前のことだから彼女から断捨離ブームが始まったということはない。
「断捨離」は字面からしてなんとなく物々しい。「断」「捨」「離」という漢字からわかるとおり,物を捨てることで「区切る」という意味が強調される。だから「すっきりする」とか,部屋がきれいになって精神的な報酬を感じる人たちがいるけど、そこにはどこかさみしさが残る。捨てたぶんが消えてしまうような感じ。
すっきりするからといって,嬉しさが増えるわけではない。モノを捨てた後の部屋をどんな部屋にしたいのか,自分は本当は何が欲しかったのかに直接的につながるヒントはなくて,捨てた後にもう一度最初からやり直しになる。捨てることから解決策が見えてこない。
*ただ,「断捨離本」はたくさん出ていて,そのすべてが同じことを言っているわけではない。中には近藤麻理恵氏とすごく近いことを言っている本もある。
少なくとも,断捨離にはものへの執着から離れるという思想がある。断捨離をする人は執着していた物から離れる。すると自然と人生を見つめなおすことになるという効果がある(はず)。
日本で人気になった断捨離だけど,それを「執着」といか「離脱」とかいう難しそうな言葉ではなく「ときめき」という言葉を使って簡単で楽しそうなイメージをつけたのが彼女。特に女性ウケをよくしたことは間違いない。
断捨離から伝わってくる仏教っぽい感じや難しそうな感じを排除して「身の回りを自分を幸せにするもので集める」という楽しそうなイメージにして取り付きやすくした。そして,片付けを通して自分を見つめ直したり,それから先の人生を考えたりするコーチングの機能を持った(そしてサービス化した)のがKonmari Method™。
海外で受け入れられるように「断捨離」を変形させて伝えたのが近藤麻理恵さんと言えそう。
Konmari Method™はコーチング
身の回りのモノは人生を表す.だからモノを片づけたら人生が変わる。
どんなモノを毎日つかっているのか,どんなモノに囲まれた生活をしているのか。それはその人の価値観やその価値観を作った人生を見せる。誰かの部屋に遊びに行ったら,その人について色々なことがわかる。例えば歌手のポスターを貼っていたら「この歌手がそんなに好きなんだ」とわかるし,歌手のスタイルや人気の歌の傾向からどんな感じ方をするのかヒントになる。カメラのレンズが並んでいたら,「カメラがものすごく好きなんだ」とわかる。その人は外に出ることが多いだろうし、何を撮っているのかを見れば趣味もわかる。
「何が好きなのか」という話題は,他人がどんな人なのか理解するときに欠かせない。話をすれば相手が何が好きなのかという大体のことはわかるけど,「どれぐらい好きなのか」ということはわからない。話が上手い人だったら,そんなに好きじゃないことも熱意を持っているように聞こえるし,話が下手な人だったら,本当に好きなことでも口数が少なくて全然好きそうに聞こえないかもしれない。
でも,その人の家に行って,どんなモノが置いてあるのかを見たら一発でわかる。ごまかしようがない。なぜなら好きでもないサーフボードを何枚も持っている人はいないし,山に行きもしない人の家には手入れが行き届いた登山道具はない。一枚の家族の写真やポスター,捨てられない思い出の品がその人についてたくさんのことを語るときもある。ブランドや値段をみたら経済状況もわかる。家にあるモノは人生と密接に関わっている。
これは他人に限らず,あなた自身にとっても同じ。「自分は何が好きなんだろう」,「自分はどんな人生を送っているんだろう」と疑問に思うときがあったら,あなたはどんな「モノ」が好きなのか,何に囲まれて生活しているのかを見たらわかる。だから片付けること,モノを取捨選択することは自分が無意識に持っていた価値観に気が付くことになる。どの「モノ」から「ときめき」を感じるのか。この質問は自分が何が好きで,これから先どんなことをしていきたいのかをあなたに聞いている。
さらに「ときめき」には期待や憧れが含まれている。「好き」かどうかだけでモノを選ぶこととの違いは,「ときめき」にはこれから自分がどう変わりたいのかということが入っている。つまり,今までの自分目線ではなくて,未来にこうありたい自分目線で今の自分を見ることになる。
また,「どんな人生を送っているのか」というのは「毎日何をしているか」に言い換えることができる。何をするのかは「何を使うのか」と密接にかかわっている。野球選手だったらバッドやスパイクを使うし,会社員だったらいつものスーツとか,パソコンとか使うモノが決まる。何かをする時にはいつも必ず何かを使うことになるから。それらのモノに「ときめく」かどうかを考えれば、これから先に同じことをしていたいのか自分に問うことになる。そしてそれはごまかしがきかない。
仕事に満足していないひとはいつも来ているスーツを触ったら気分が落ち込むだろうし、自分がやりたいプロジェクトに燃えている人はパソコンを触ったら興奮する。だから,ときめかないものを捨てるということは,好きではないけどやっていることをやめるということにもつながったり,改めて自分がやりたいことに気が付くことになる。だから片づけを通して人生を変える機会になると言える。
自分がどんな風に生きたいのか.こう単刀直入に聞かれて答えられる人はそうはいない。ほとんどのひとが悩んだまま生きている。
しかし,Konmari Method™では,片づけているうちに,具体的に考えざるを得ない状況になる。片付けているうちに,自分自身をごまかし続けることができない。そして本当に「ときめき」を基準に身の回りのものを変えたら,文字通り生活は変わってしまう。仕事や住む場所が必ずしも変わるわけじゃないけど、自分のコントロールできる範囲は変る。部屋がきれいになって気分がよくなったということを強調して「人生が変わったみたい!」と言っているわけではない。
近藤麻理恵さんの本を読んでKonmari Method™に共感したひとがたくさんいたけど、考え方,生活の仕方は一人ひとり違う。それぞれに違った人間関係,経済状況などがあり,「誰にでも当てはまるものの捨て方」というものは存在しない。
Konmari Method™は「ときめく」か「ときめかない」かで片づけようという原理原則を言っているけど,もちろん原則を言われただけで誰もが出来るわけではない。だから,Konmari Method™で片付けをやりたいけれど1人では出来ない,教えてもらいたい。一人ひとりに片づけのコンサルタントをする需要が大量にあった。近藤麻理恵さんへのコンサルタント申し込みの量は人気になった当初からすごかったらしい。しかし,近藤麻理恵氏が直接一人一人を相手にするにはとても時間がたりない。彼女個人のキャパシティをはるかに上回る需要をどうやって金に換えるのか。ここから近藤麻理恵さんのビジネスの話になる。
彼女はこのKonmari Method™への関心と片付けへの需要で大きなビジネスを作り上げた。
では一体それはどんなビジネスなのか。
単なる片付け方でメディア出演するだけでは収まらないすごい力を秘めたビジネスを作っている。
・彼女のブランディング
片付けのプロという人は,今までも珍しくなかった。日本でも掃除のプロとか,収納のプロとかという感じでテレビ出演する女性が今まで何人もいたでしょ?ああいう人は世界中のどこにでもいる。アメリカでも掃除のプロとして有名になった人は今までもたくさんいて,このような人たちはProfessional Organizerという呼び方でテレビなどのメディアに出演していた(今もしてる)。
このOrganizerの人たちは清掃代行に近い存在で,散らかったところをきれいに片付けるサービス。こんまりさんのサービスと違って、「片付けられない人の代わりに片付けてあげる」サービス。メディア出演するときにはOrganizeする過程で「すぐに使える掃除のコツ」(収納法とか)みたいなことを紹介して役立つ情報コンテンツを提供する人の役をしていた。家事をする人たち(特に女性層)が見るTV番組として,片付け,清掃方法は料理番組と並んで国を問わず常に需要がある息のながいコンテンツ。
一方で,近藤麻理恵さんは今までのProfessional Organizerとは別ものとしてブランディングされている。彼女はOrganizerとは絶対に呼ばれない(呼ばせない?)。彼女はTiding Expertと呼ばれており,出演する番組内で片づけする時にはOrganizeという言葉を使わずに必ずTidyingと言う。
本人やその弟子たちは決して片付けの代行ではない。あくまでやることはコンサルタントであり,お手伝いさんとは違う。ここが彼女のビジネスの重要なポイント。
自分がどんな生活をしたいのか,何が必要なのかということを話し合う
カウンセリングに近い行為をするのがKonmari Consultants(Konmari Method™を使った片付けコンサルタント)。
Konmari Method™のコンサルタントについてまとめると(大事な2点に注目)、まず大事なのが①Konmari Method™のコンサルタントサービスはあくまでコンサルタントであり,清掃代行とは全くの別物だということ。
そして,②このコンサルタントは,片づけを通して依頼主が人生を考えるコーチングのような機能を持っているということ。
この2点を踏まえると,彼女のビジネスがどこから収益を上げているのか,
彼女のインフルエンサーとしての規模のスゴさの話が分かる。
・彼女の会社はどこから収益を上げているのか?
彼女の会社が行っているサービスはコンサルタントではない。彼女のビジネスはKonmari Method™を使ってコンサルタントをする人を認定すること。
つまり、彼女が作ったのは資格認定ビジネス。
彼女が有名になってから,彼女のキャパシティを遥かに上回る数のコンサルタントの申し込みが来るようになったことで、彼女へのコンサルタントへの需要がたくさんあることがわかった。
しかし,当然彼女個人ができるコンサルタントの量は限られているから、自分がやらずにお金に換える方法が欲しかった。
ここで彼女は社内で育成したコンサルタント(従業員)を派遣するビジネスをするのではなく,Konmari Method™を理解した人として宣伝することができるようにするための資格を作った。
近藤麻理恵氏が運営する California州San Franciscoの会社Konmari Media Incのウェブサイトに行くと,コンサルタントサービスの宣伝をしている。
ただ,もちろんすべての依頼を近藤麻理恵氏本人がやるわけではありません.
近藤麻理恵氏個人への依頼は本が人気になってからとてつもない量が入っていて,いったいどういうルートをとれば彼女本人にコンサルタントしてもらえるのか,いったいいくらかかるのかは全く分からない。超高額でコンサルタントは彼女がやるとして、その他は他の人にやらせる。
ここで登場するのがKonmari Method認定コンサルタントたち。
ここからが彼女のビジネスの核心。認定コンサルタントとは,Konmari Media Incが認めた,Konmari Method™を使ってコンサルタントをする人たち。この人たちが,たくさんのKonmari Method™で片付けをしたいと言う人たちに近藤麻理恵氏に代わって実際にコンサルタントすることになる。
しかし、ただ認定をあげるだけだったら、その人たちが独自にビジネスするだけで、こんまりさんは儲からないんじゃないの?
その答えは、認定コンサルタントになるための方法を見ればわかる。
認定コンサルタントになるには:
1. まず,近藤麻理恵氏の著書である"The Life-Changing Magic of Tidying Up"と"Spark Joy"の2冊を読むこと.
2. 自分の部屋を片付けた証拠となる写真を送ること.
3.セミナーに参加すること(!)
自分の会社の認定を与えるひとだから,ちゃんとした人でなければKonmari Methodの評判を落とすことになる。だから,認定を受けた人だけがKonmari Method™を使って宣伝出来る。
そのためならセミナーを開いて実際に実地で教えるというのはおかしなことではない。凄いのがその値段。
現在予定されている2019年3月にニューヨークとロンドンで開かれる事があるセミナーは,
金曜: 6:00pm – 9:00pm (希望者のみの歓迎会)
土曜: 9:00am – 5:00pm*
日曜: 9:00am – 6:00pm* (5:00pm - 6:00pmは近藤麻理恵さんとの本のサインと写真撮影)
実質何かを教える時間として使われるのは土日の二日間。この2日出席することでセミナーを受けたことになる。定員が何人なのかは不明だけど,すでに売り切れ。
それで,このコンサルタントになるためのセミナーの費用はいくらなのかと言うと、
ニューヨークは1回,$2200(日本円にしたら25万円ぐらい)
ロンドンでは1回$2400(日本円にしたら26万円ぐらい)
どちらも一人あたりの値段。驚きの金額設定。
*ちなみに,同様のビジネスは日本でもときめき片付け協会という団体がやっていて,お手頃価格(?)の1日64800円で受講できる。物価の差が激しい。近藤麻理恵氏はこのセミナーを運営する日本ときめき片付け協会の特別顧問だそう。
近藤麻理恵さん本人はニューヨークとロンドンのセミナーでは最初と最後に登壇して,その他のセッションはすべて認定コンサルタントが行う。
認定コンサルタントの人,セミナーの体験者がブログでセミナーの様子を紹介していて、ロンドンのセミナーには100人以上の参加者がいたと書いてある。
これは単純計算で1回のセミナーで2500万円以上の売上を上げていることになる。2日で2500万円の売り上げを上げるセミナーは世界でも珍しい。ニューヨークとロンドンだけの4日間で5000万円の売上を上げることになる。
認定コンサルタントになるためのステップの話に戻ると、このセミナーに参加した人は認定コンサルタントになるための次のステップに進む。
5.合計30時間以上の実地練習を,2つ以上の家庭でおこない,そのレポートを提出する。
6.認定コンサルタント試験(オンライン)に合格する。
7.ここまですべて通過したひとは,認定免許皆伝を申し込むことができる。そして,認められた人は$500(日本円で5万5千円ぐらい)払うと認定が下る。
ここまでやって初めて認定コンサルタントとして仕事ができるようになる。
この認定コンサルタントになった人は,認定コンサルタントとして働くために毎年$500払う必要がある。つまり年会費5万円。これはつまり何もしないで月額およそ4000円とれるサービスを作り上げるというのと同じこと。
ここまでみたら,このビジネスが,現在のようなすさまじい人気を持って世界中で展開したら,どれだけの金額の売上を上げるのか。その規模の大きさが何となくわかりそう。
近藤麻理恵氏がメディア露出を続けていき,世界中で認知度が向上して
コンサルタントへの需要が高まったら,その数に応じて認定コンサルタントになりたいという人が増え,この資格認定ビジネスは凄まじい売り上げになっていく。
このビジネスの構造を,世界にはびこる怪しい自己啓発に置き換えて見るとわかりやすいかもしれない。
1. まず,教典を読む(Konmariの場合は2冊)
2. 数十万円のセミナーに参加する.
3. 認定試験を受ける
4. 認定〇〇になる.
5. その資格には毎年費用がかかる(数万円)
もちろん近藤麻理恵氏の場合は怪しいセミナーや情報商材とは違う。片付け方とその教え方を教えていて,それはやれば宣伝どおりの効果がある。株投資とかFXとか幸運の○○とか、隠れたポテンシャルを見つけて億万長者になるとかいう怪しげな自己啓発性セミナーとは全然違う。
Konmari Method™のセミナーや認定の費用を払っている人たちは宣伝通りのサービスを受け取ることになる。
彼女の認定には25万円払ってセミナーに行き,それだけの価値があると判断した人だけが行くのだから文句を言われる筋合いはない。この価値とは「いい学びがあった」とかいう曖昧な価値ではなくて,Konmari Method™の認定コンサルタントだと言えば実際に仕事が来るという金銭的な数字に現れる価値。
一時的な人気に収まらず、それを資格ビジネスにしてしまった彼女のすごさが何となく伝わっただろうか。
これでもすごくないという人は,他にこんなことができる人を知っている?
片付けコンサルタントのやり方を教えて2日で2500万!しかも自分は最初と最後だけ登壇して後は他の人にやってもらう!
彼女のウェブサイトで認定コンサルタントたちの顔写真とランクを出して宣伝はしているけど,認定コンサルタントの人たちは各自にウェブサイトを持っていて,そこで仕事を受注している。売り上げの一部をこんまりさんの会社に上納するみたいな制度は無い。
もともとOrganizerとして個人で仕事をしていた人たちが,彼女の認定を使って仕事を受けているみたいで、Organizerとして仕事をするよりもKonmari Method™認定コンサルタントとして働いたほうが儲かると現場で判断している人たちがいるということ。
ここまでをまとめると,彼女のビジネスは,従業員にコンサルタントをやらせるという形式ではない。彼女はあくまで認定コンサルタントの資格を売ること。そのためのセミナーと認定料(+継続費用)でお金をとる。
つまりは資格認定ビジネスをやっている。
ちなみに認定コンサルタントにはランクがある。最上位がマスターで,その下がプラチナ,ゴールド,シルバー,ブロンズ,グリーンとなっていて,このランクは何人のクライアントとどれだけのコンサルタントをしたかが基準になってる。
では認定を受けたコンサルタントの人を呼んで,Konmari Method™を使ったコンサルタントをしてもらったらどれ位お金がかかるのか?
認定コンサルタント個別の公式ページで料金が見れるようになってて、価格設定の仕方にばらつきがあるものの(30時間パックでは10時間パックよりお得な値段とか),ランクによって値段が大きく変わるわけではなく基本的に一時間$100あたりの値段設定になっている。当然地域によって需要や可処分所得が変わることから,ランクだけで決まるわけではない。
例えばアメリカのマスター認定コンサルタントKarin Socciの料金は,彼女の公式サイトを見ると5時間の個別コンサルタントで$500(日本円でおよそ55000円)の料金設定がされている。一時間で$100。最高ランクの彼女の値段設定を見るとやはり今の所は1時間$100が一つの基準になっている。
・ゼロから片付けだけでブランドを作り上げた女
彼女の資格認定サービスの価値の源泉はあくまで彼女自身への関心・宣伝効果にある。つまりはKonmari Method™というブランドにある。コンサルタントとして各自で働く人達へは,Konmari Method™認定コンサルタントだから仕事が来る。だから認定コンサルタントたちは毎年の認定を更新するために$500払う。それがなかったら,独自のTiding Expert,もしくはProfessional OrganizerとしてKonmari Method™に関わらず依頼を受けて働いたほうがいいはず。
つまり彼女の認定する資格(ブランド)にはそれだけの価値があるということ。
彼女はものすごい大きな価値を「こうやって片付けましょう」だけでゼロから作り上げた。
欧米で。英語すら話せずに。
片付けは欧米に限らず,世界中で関心のあるコンテンツ・もしもKonmari Method™がコーチングとして優れているのなら,これから中国,インドで同様な成功をしてもおかしくない。
メディアでの人気を見るかぎりでは,彼女のブランド,そしてそこから生まれるビジネスはとてつもない大きさになる可能性がある。片付けの需要も,コーチングの需要も世界にはたくさんあるから。
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