NFT日本人アーティストインタビュー第2弾!!《いけもとしょうさん》
公開日:2021/10/11
NFT日本人アーティストインタビュー第2弾として、ボールペンNFTクリエイターとして活躍中のいけもとしょうさん(@ikemotodir)をインタビューしました!
NFTと出会った経緯、ボールペン作品へのこだわりやキャラクター作成への思い等々たくさんのお話を伺いました。
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──NFTとの出会いについて教えてください。
いけもとしょうさん(以下、いけもとしょう)
僕には妻と娘がいるんですけど、その娘に絵本を描いていたんですよ。絵本を描くからにはもちろん絵が必要で、絵の練習をする訳ですよ。
スケッチブックとボールペンでガリガリと描いているんですけど、絵が出来ていく中で制作自体とは別に新しいものを知るとか、挑戦するというのが好きなんですよ。
日本ではほぼやってる人がいないような、英語のプラットフォームみたいなものに突っ込んでみるということが好きなんですね。
やってみる中でNFTというものを知って、どうせ絵を描いているんだから一回やってみようと登録しました。2ヶ月前(2021年7月)とか、まだ人が全然いない時です。
──NFTを知ったきっかけはなんですか。
いけもとしょう まず、新しい技術として「ブロックチェーンというものがすごいぞ」と、「世の中を変えるぞ」と言われているのをネットとか音声配信とかを通じて知りました。そしてブロックチェーンから派生してNFTの存在を知りました。
最初はNFTの概念が全然わからなかったです。そもそもブロックチェーン自体が完璧にわかっているかというと今でもわからないです。NFT自体も、もちろん非代替性とかそういうのはわかりますけど、細かい技術的な要素とかはわからないです。
──そうですね。NFT界隈で技術的なところを本当に理解してやっている方というのは現状かなり少ないような感じです。例えば仮想通貨とNFTの違いをパッと答えられる人ってそういないと思いますね。
いけもとしょう そのとおりだと思います。僕も仮想通貨は持ってはいたんですよ。
お金を会社員として稼いでそれを貯金しているのは非常にもったいなくないか?と思ったのが始まりです。そこから少額で株をやってみたりとか、仮想通貨というものをやってみようとしたんです。正直一番最初に仮想通貨をやったときにはちょっと稼げるかなみたいな感じでやってみたんですけど、でもそこからずっとほったらかしにして、という感じですね。
去年やっていました。
最初に買った仮想通貨はビットコインです。その時はイーサリアムとかも知らずにビットコインだけ買ってという感じでしたね。
──作品についてですが、イケモト様のボールペンへのこだわりをお聞かせ頂きたいなと思うのですが。
いけもとしょう 絵本を描くときに筆を、例えば絵の具とかパステルとか、いろんな物をめちゃくちゃ準備するというのが嫌だったんです。でもデジタルっていうのも違うなって思って。僕が作るんだから僕の筆圧だとかが出せないかな、と思ってボールペンにしたんですね。
やるならなるべく細いほうがいいなと思って、(ペン先が)0.28mmの細いのにしました。文房具屋の中で細かったものを買いました。100円とか200円で普通に売ってます。
──ボールペンの作品とNFTを絡めていくときに何か難しさは発生しますか?
いけもとしょう やっぱり僕はスケッチブックとボールペンという、そもそもデジタルではないもので作っています。それをスキャナーでスキャンしてデジタルにしてNFTにして、とやっていました。
その時も7月くらいでしたが、NFTをやっている人の中でボールペンでやってる人はいないなと思ったんですよ。最近はボールペンでやってる人もいるんですけど、その時はいなくて。デジタルのペンタブを持ってはいたんですけど、それよりもボールペンでやった方が差別化になるのかなあと思ってやり出したんです。
──Twitterで、NFTで物を売っていくとなるとマーケティングの面も大事だと発言されていましたが、マーケティング面で工夫していることや、気をつけていることはありますか?
いけもとしょう 僕が言うのもあれですけど「CryptoPunks」みたいなドット絵で描けばいいのかっていうと、なんか違うなと思って。
ボールペンっていうのは差別化でしたし、NFT勢は拡散するのがTwitterがメインなんですよね。となってきたときに、Twitterアカウントをほぼ変えました。
僕映像ディレクターなんですよ。なので当初はTwitter自体も”動画を作る人間としてのアカウント”のような感じでブランディングをしてたんですね。
言語的にもゴリゴリの日本語でやっていたんですけど、これを機に英語で説明を書いたりを試みました。
一番最初に買ってくれた人が海外の方でした。オーストラリアの方が僕の作品を買ってくれて、その時0.02ETHと0.03ETHとかだったので、当時1万〜1万5千円くらいで売れて。そこから自分の絵が売れるんだと思って、ちゃんとやってみようと思ってやりだした感じですね。
──海外の方が買ってくれたというのはどうしてわかったのですか。
いけもとしょう それはOpenseaからTwitterのリンクが貼ってあって、飛んでいったらオーストラリアの国旗のマークが付いてて、それで「オーストラリアの人かあ」ってわかりました。
僕はさっき言ったとおり、海外の人に自分の絵ですとか作品を届けたいという思いはあったので、めちゃくちゃ嬉しかったですね。海外の人に買ってもらえるんだという感じです。
僕が絵本を描いているって言ってたじゃないですか。それを描き出したそもそものきっかけが「ムーミン」っていうキャラクターを超えるものが僕には作れないのか、っていうのがある日突然降ってきたんですよ。ムーミンって北欧の方で生まれたのに、ムーミンの市場のシェアでいうと日本が4割くらいを占めているんですって。海外からのものが日本に入って来てるってすげーなって思って。
じゃあムーミンを超えるキャラクターは作れないのかだとか、他の人ってなんでムーミンを超えるキャラクターを作ろうとしないんだろうって思って。
じゃあ作ってみるかと絵本を作り出したんですよ。なので、そもそもNFTをやる前から海外に届けられたらなと思っていて、それで海外の人が買ってくれてすごい嬉しかったという感じです。
──NFTの力に乗って海外まで簡単に届けられるんだと?
いけもとしょう そうですね。NFTというのは海外に届ける手段としてはすごくいいなと思いましたね。
仮想通貨を持っていたので、7月にMetaMaskとOpenseaに登録して、試行錯誤して初めて売れたのは9月に入ってからです。正直2ヶ月くらいはおもしろそうだなと思って登録して、そんなに本気でやってなかったというか、いろいろ試してた感じです。
──Openseaは2次販売に対しても手数料が入ってきますが、そちらの方はどうですか。
いけもとしょう 僕はそっちの方はあまりないんですよ。あまりおもしろい話はできないかもしれないです。
僕の作品自体は、欲しい人が買って終わりという感じで。そこからNFTの醍醐味は2次流通というところがあると思うのですが、自分の場合は実はあまり2次販売されていないのかなというのが現状ですね。
いくつか2次販売されたりとか、オファーも来たりするんですけど、基本的には買った人がそのまま持ってるという感じですね。
──NFT界隈は転売して利益を出したいという人と、作品自体が好きだから買ってますという2パターンの人がいると思うんですけど、イケモトさんのファン層は作品自体がほしい人という感じなんですかね。
いけもとしょう 僕の場合はそうだと思います。すごい著名な方の作品だったりですと2次流通というものが見込めるじゃないですか。それこそ最近インフルエンサーのイケハヤさんとかがNFT始めてましたけど、あれこそ手に入れれば転売できるじゃないですか。僕はそれが見込めない人間なんですよ。そこは見込めないから本当に作品を見て気に入ってくれた人が買ってくれるという感じです。
──好きなアーティストさんはいますか?
いけもとしょう (Defaced ‘N’ Friends を挙げて)
イタリアだったと思うんですけど、本当にそもそもデジタルのアーティストとしてずっとやられてた方らしいんですよ。
僕も最近知ったんですけど、この人の作品がめちゃくちゃ好きで。単純に僕の感覚に刺さったんですけど、これがめちゃくちゃ欲しくて。
作品がMINTされた時に、まだそんなに僕も売れてなかったし、そんなに仮想通貨を持ってなかったので、買えないなあと思っていたら、一気に買い占められてて。今めちゃくちゃ高額で取引されてます。
──ですよね。20ETH, 30ETHはしますね。
いけもとしょう はい。このコレクション自体が700ETHなので、めちゃくちゃ人気で今思えば買っておけばよかったと思って。
初めてMINTされたとき、これ0.2ETHとかだったんですよ。見ていると、作品がやっぱり素敵ですし、単純に作ってる人間からすると夢があるよねっていうのはあります。
作品1個ずつに作者の思いとか何か意図があるんだろうなと思ってすごい感動しました。
あの時これ買っておけばそれだけでしばらく生きていたかもしれない(笑)。もしかすると僕はこの作品を見て、これで稼げるとは思っていなかったので、どっちにしろETHがあったら買ってただろうし、多分売ってないと思います。
自分のTwitterのアイコンに20ETHのオファーが来ているアイコンが乗っている、とかめちゃくちゃなんかかっこいいじゃないですか。
──今は色々な方が作品を出していてNFTは盛り上がっています。一部では今はバブルだから将来的に弾けて見向きもしなくなると言っている人もいますが、イケモトさんとしてはNFTの将来的な展望はどうなっていくと思いますか。
いけもとしょう ぼくが語ってもいいんですか(笑)。
そもそもバブルは弾けてますよ。第二次くらいまで弾けてますね。弾けてるからある程度また、盛り上がったりはすると思うんですけど、でもそれはどのジャンルのものにもあるような程度のことなんだろうなとは思いますし、これはもう多くの人が言っているのであれですけど、そもそも日本でまだ盛り上がってないという・・・。
──それはそうですね。
いけもとしょう 果たしてOpenseaの国内のユニークユーザって何人なんだろうとか思っていると、多分多くても一万人とか?。そもそもNFTを作っている人とか売買している人が日本に全然いないらしいんですよ。
単純に僕はTwitterで自分が発信して、自分のフォロー、フォロワーもみんなNFT絡みなんでみんながNFTやってるって感覚なんですけど、一歩外に出てうちの家族の人とか、友人だったりとか、会社の同僚とかに「NFTって知ってる?」っていったら、「なにそれ?」って感じだと思うんです。なのでそもそも盛り上がってないっていう感じです。
海外のジャック・ドーシーさんの初Tweetだとか、CryptoPunksがとか、そういうのはあるかもしれないですけど、日本はこれからなんじゃないですかね。
それこそ僕が2ヶ月前に始めた時点だと全然(NFT界隈に人が)いなかったですから、2ヶ月でここまでバンと来てるってことは、「じゃあ年内に増えるよね」とか、「来年はどうなってるんだろうね」っていう感じです。でも増え続けるんだろうなとは思ってます。
──そうですね、日本だとそもそも日本語のサービスも充実してないですもんね。nanakusaなどは一応あるにせよといった感じですね。
いけもとしょう そうですね。NFTマーケットのシェア数とか取引量がこの間ニュースに出てましたけど、NFT市場全体で1970億なのに対し、Openseaだけで1930億、それこそ海外のRaribleとか、日本のnanakusaとか、NFT Studioとかそういうのが入って40億しかないっていう、ほぼOpenseaですよねっていうことです※。
※2021年9月の取引高
──最後にこれは話しておきたいぞというものはありますか?
いけもとしょう NFTを飾る美術館をメタバースで作っています。「SANDBOX」っていうブロックチェーンゲームで最近メタバースの土地を買ったんですよ。そこの土地に毎日建築しているんですけど、美術館を作っていて、実際に今クリエイターさんが十数人くらい来てくださっていて、そこに作品を飾っています。
後は細かいディティールだったりとかこだわりの部分で作り込んでいってという感じです。ただ「SANDBOX」っていうメタバースはローンチされてないんですよ。ベータ版の状態なので、そこが展開されて一般の方が入ってくる前までにちゃんとつくっておこうかなという感じです。
──今後はアーティスト活動と並行して、美術館活動も広げて行かれるというような展望ですか。
いけもとしょう そうですね。メタバースにそもそも興味があるんで、もっというとメタバースに町つくりたいなみたいな、美術館は1個の美術館というだけで、そもそも一個の町をつくりたいです。テーマパークも作りたいんですけど、あとはその中に会社があれば面白いじゃないですか。そこで経済活動が回ってるというのがあったら面白いなとか思ったりはしてます。
土地の権利だとかがNFTで証明できる感じで、土地自体もNFTです。
面白いので見てみてください。
という訳で今回は、ボールペンNFTクリエイターのいけもとしょうさんにお話を伺いました!インタビューでも触れた通り、同氏の作品はボールペンの特性を活かした個性豊かなものです。ぜひOpenSeaでいけもと作品の世界を覗いてみてください。
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