小倉記念コース論

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小倉記念(小倉・芝・2000m)

コースデータ

・右回り
・スタートから1コーナーまで 472m
・最終直線 293m(Aコース)
・高低差 3.0m
・直線坂 平坦

特徴

・スタート地点は4コーナー奥のポケットで、1800mのスタート地点から200m後ろに下がったところ
・1コーナーに入る手前から上り始め、1,2コーナーの中間地点あたりで一番高いところを迎える
・2コーナーから向こう正面の途中まで下り、その後は平坦
・3,4コーナーで若干下り、最後の直線は平坦

このコースを使用するOP以上の競争

G3
小倉記念(3上・ハンデ)

OP
関門橋S(4上)


コース考察

○内目が有利

 フルゲート時グラフはデータが少なすぎて偏りがひどくなるので省略。

 このコースはG1が開催されないローカルにしては珍しく、18頭まで同時に出走することができる。そのため、7枠と8枠の母数は他の枠に比べて必然的に多くなるのだが、16頭以上時に7枠は【0-0-1-27】、8枠も【2-0-1-29】と、頭数が多い恩恵を享受できているとは言い難い。

 全体として多頭数での母数が少ないため断言はできないのだが、やはりある程度の距離がある一周コースという性質上、ここも他の例に漏れず内で立ち回れることが有利であると言えよう。

 ただし、原因は不明だが最内枠だけは異常に成績が悪く、どこをどう切り取っても7・8枠と同じくらいの水準しか出ない。
 宝塚記念の2200mなどもそうであったが、スタートしてから最初のコーナーまでが長く、外から幅寄せをする余裕があるコースは内だと立ち回りが難しいのだろうか。

○典型的足切りコース

小倉芝2000m・全頭脚質分布(2018年~・1勝クラス以上・16頭以上)
小倉芝2000m・馬券内脚質分布(2018年~・1勝クラス以上・16頭以上)
内側の円が馬券内・外側の円が総数

 こちらも母数が乏しいため断言はできないが、ローカル小回りで最終直線が短いという性質から、他の類似する性質を持つ福島や函館などとそう変わらないと推測することができる。

 ある程度距離があるが故に立ち回りが難しいようで、頭数が多くなると道中でのペースが上がる可能性も高くなり。逃げは厳しくなりやすい。
 一方で最後の直線に託すような馬も、300m弱の直線しかなくてはやはり厳しい。

 頭数が多くなると後方からでは厳しく、終始好位を確保し続けるか、2コーナー以降の下りを活かして捲っていく必要がある。
 実際捲りはある程度距離がある小倉のレースでは割と頻繁にみられ、ペースも中々緩まない。
 先行・差しを合わせて85%が占めているが、参考程度に考えるくらいでよいだろう。要は後ろからでは物理的に届きようがないので、いかに4コーナーで勝ち負けできるところに付けられるかという話。


過去の小倉記念ラップ推移

 このコースの特徴として、前半はアップダウンが大きいことからラップに強く干渉してくる一方で、向こう正面で下って以降はラップに干渉するようなアップダウンがないことで、後半はレースごとに質が異なってくる。
 グラフで言うと、スタート直後の1F目を除けば4F目に一度ペースが大きく落ちる。ここの部分は1コーナーの上りにあたり、ペースを上げて走ることが物理的に不可能な場所ということである。

 2コーナーから下った後は上りがないため、走りやすい高速馬場になりがちな小倉競馬場の性質も合わさって比較的早いペースで推移し続ける。
 また、上りがないことによって早めの進出も容易になっており、後方勢は2コーナー以降の下りで勢いをつけて捲っていく光景もしばしば見られる。

 そのようなコースになっているため、1Fあたりの速度がすごく早くなるというよりは、数F単位で見た時にある程度早いラップを連続して刻み続けるという特徴のある推移になりやすい。
 そのため、後半が終始平坦なコースな割に、最後の1Fは余力をほとんど残していない状態で入るためペースが落ちやすい。そこを好位から飛んできた差し馬が捉えるというのも割と見られる光景である。


まとめ

 考えることは函館や福島など、他の小回りローカルとあまり変わらない。気を付けることがあるとすれば、それらに比べてかなり時計が出やすい要素が揃っている結果スピード勝負になりやすいというところ。
 コースから適性を探るにしても、馬の能力を比較するにしても、このコースではローカルの割に速いか遅いかというのが重要視されやすくなるため、そこの検討は慎重に行いたいところ。

 重賞小倉記念として考える場合も基本的には変わらない。ハンデ戦ではあるものの、距離が距離なのでそれだけでレース自体を左右する要素にはなりえない(馬単位で見た時に酷な斤量を背負っているという場合はもちろんある)。
 器用さとスピードが求められるため、それらの性質が強く出ている馬をハンデに拘らずに狙っていきたいところ。


文責:もじゃ

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