アイビスサマーダッシュコース論
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アイビスサマーダッシュ(新潟・芝・1000m)
コースデータ
・直線コース
・横幅 25m(Aコース時)
特徴
・外回りコースの4コーナーのさらに奥のポケットがスタート地点
・スタート後200mちょっと(外回りコースとの合流地点あたりまで)上り
・その後約200mかけて上った分を下り
・内回りコースとの合流地点あたりまで若干の上り、その後ほぼ同じだけ下り
・最後の350mくらいは完全に平坦
このコースを使用するOP以上の競争
G3
アイビスサマーダッシュ(3上)
リステッド
ルミエールオータムダッシュ(3上・ハンデ)
コース考察
○ご存じの通り外枠有利
「補正込み」とは、当該コースが最大18頭立てで開催される、即ち7・8枠の出走頭数が1~6枠に比べて多くなることを踏まえ、1~6枠の出走頭数とほぼ同じになるように一定の係数を掛けた後の数字であることを意味する。
今回の場合、7枠に81%、8枠に78%の補正をかけている。
頭数の補正をした上でこれである。
これに関しては今更語るまでもない。もはや周知されすぎて何を論じても無駄ですらある。
理由としては内側よりも外側の方が馬場の傷みが少なく綺麗な馬場状態だからと一般には言われている。
しかしながら、少なくとも開催が始まって1日目の時点で既にフルゲート時1・2枠から馬券内が一頭も出ていない事実を考えると、馬場状態だけが理由ではないのは明らか。
とはいえ、当コース論までたどり着いた方々がこの傾向を知らないわけがないので、ここについて語るのはこれ以上は避ける。
○割と平等?
極端な偏りという言葉すら甘いレベルだった枠別成績とは対照的に、脚質別の成績では特にこれといった極端な偏りは見られない。
追走力での足切りもなければ、差し一辺倒という感じでもなく、どこからレースしてもチャンスがあるような結果となっている。
実際のレース展開としては、基本的に外ラチに向かってほとんどの馬が殺到するため、後方勢は進路をふさがれて立ち往生してしまうリスクを背負って走ることになる。
そのためある程度位置を取れるに越したことはないが、時に馬群の間を縫うように突っ込んできたり、或いは外ラチぎりぎりのところを豪快に差してきたりすることもあり、正直何でもあり。
確かに枠による有利不利は大きいが、ある意味短距離馬の能力測定の舞台としては適しているともいえるかもしれない。
過去のアイビスサマーダッシュラップ推移
日本で最も距離が短い重賞なだけあり、集うのはスピードに自信のある馬ばかり。
行きたい馬はガンガン飛ばしていくため、2F目から4F目まで10秒台を連発するレースになる。1F目の初速は案外だが、必ずしも外枠の馬が先行するとは限らず、内目の枠の馬が外に寄せながら先行したりする分の距離ロスがあったりするためか。
基本的には短距離レースのラップを踏襲しており、このレースも例に漏れず最終1Fで大きく減速する。
ただし、すでに述べた通り馬群が密集しやすい分差しが通るかと言われると微妙で、ラップだけを鵜呑みにして差しが通ると断ずるのは危険。
近年バカラクイーンによって内ラチ側で粘るという新境地が開拓され、多少馬群が左右にばらけるようになったので、その傾向が今年も続くようなら捌きやすくなる分差しが通りやすくなるかもしれない。
実際去年は従来の傾向からは大きく外れて、後方にいたビリーバーが1着、同じく後方にいたロードベイリーフが3着としており、もしかしたら過渡期を迎えているのかもしれない。
まとめ
このコースはとにかく枠。これに尽きる。
本質的には急勾配や急角度のカーブがないことから能力検定の面が強く出やすいコースだが、枠によりかなり大雑把に下駄を履かせてもらえる。
ただ確かに枠での有利不利が激しいコースではあるが、奇策を打てないコースなだけに無理なもんは無理ともなりやすいところ。加えて短距離であることから斤量による影響も強く出やすく、案外気にしなければいけないポイントは多い。
ライオンボスやかつてのカルストンライトオなど、パラメーターを全てスピードに振ったような大味な馬が最も活躍しやすい舞台。
またJRAでは唯一の直線コース、そしてそれを有する新潟競馬場の名物競争でもあるので、まさに手に汗握る一瞬の勝負を楽しみにしたい。
文責:もじゃ
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