見出し画像

23秋冬新作 RE/DENIM ⑤

前回は"RE"に込めた言葉を書かせていただきました。

その一つである"Responsible"(責任)について、、

クライマー当事者にとってのこの言葉は
全ての人がクライミングを気持ちよく楽しめるように各々が配慮をする事だと捉えています。
ちょっとした気遣い、です。

今回書かせていただくのは、
メーカーとしての責任です。

繊維産業は、昨今メディアでも取り上げられているように
人道的、環境負荷などの観点からネガティヴ要素も多い産業です。
繊維業界に21年携わっていますがその間にも色々な負の部分を見てきました。

であれば、
lobsterは出来る限りのポジティブ・インパクトとなるような仕組みや製品を展開する。それが被服製造としての責任だと位置付けています。
いま6歳になる息子がいますが、
日に日に成長する彼らに、より良いものを遺したいと考えるようになりました。


RE/DENIMにおける3つの取り組みを紹介します。


①オーガニックコットンデニムの使用

ここで多くを語らずとも、オーガニックコットンは昨今充分に周知されていいると思います。

(以下instagramから一部転記)
lobsterが探していたデニムは、今日では"厚地"に分類される12.5〜13.0ozのストレッチデニム。
「猪原織物」で生産されていた正にそれでした。

RE/ DENIMのサイドシーム。
アタリと呼ばれるインディゴ染料の凸凹の褪せが
発生している


世界のデニム産地の一つである、岡山県井原市に居を構える猪原織物。明治37年創業の同社はその長い歴史の中、戦火を乗り越え今日に至るまで高品質なデニム地を供給し続けています。

使用しているコットンはオーガニック100%。糸のムラ形状が少し強く長いので、"縦オチ"がきれいに出ます。
インディゴ染色は 芯白のロープ染色ですが、「エコ染色」という特殊な染め手法で染色しているためボイラーの使用が少なかったり、水の使用量が少なかったりと、環境に配慮した染色方法。

ここまで素材の持ち味を活かすレシピをされていることを知り、このデニムの採用を即決しました。


②害獣駆除レザーの使用

(以下instagramより一部転記)
ジーンズに欠かせないアイコンがウエストに取り付けられた"パッチ"で、古くはレザー製であったり昨今では紙製が用いられます。

一つの製品となった際、個人的にはレザーパッチが好み。
洗えば変色し味も出る反面、最終的にはヒビ割れますがそれで良いと捉えています。

ただ、闇雲に動物由来の資材を使うのは時勢にそぐわないし、それでも使いたい理由は自然へのリスペクトがあるからです。

日本国内で農作物を荒らす野生の獣を狩猟により駆除することで、食肉・獣皮となり生活に還元される資源が少量流通しており、ロブスターが選択したのはこの"ワイルドレザー"の鹿革です。

建部獣皮有効活用研究所(TALABO)様より
仕入れさせていただきました。

国内で駆除された鹿革。
自然を生き抜いてきた痕跡が現れている。

野山を駆け巡ったその体は治り傷や虫刺され痕だらけで、決して滑らかで美しい原皮とは言えませんがどこかエネルギーを感じさせるものが備わっています。

原皮の粗野な魅力を活かしたいので、手押し焼印はコンパクトに。

ちなみに一枚一枚私が押しています。
革の厚みも不均一なため、モチーフの見え方は個体差があります。

商業的な防縮処理は施していないので、
乾燥機を使用すると一発で縮み、硬化し、ヒビ割れます。
それゆえ鹿革本来のしなやかさが保持されてます。

クライマーは好きですよね? 保持

photo by @shunhoshiyama


3つの取り組みの残す1つは、
クライミングシューズに関わる"RE"を実践されているアトリエです。

お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?